(保険業法中改正法律)
法令番号: 法律第十八號
公布年月日: 明治45年4月8日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル保險業法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十五年四月六日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
司法大臣 松田正久
農商務大臣 男爵 牧野伸顯
法律第十八號
保險業法中左ノ通改正ス
第四條ニ左ノ但書ヲ加フ
但生命保險ヲ目的トスル會社ハ生命保險ノ再保險ヲ爲スコトヲ得
第四條ノ二 保險會社カ免許ヲ申請シタル場合ニ於テ主務官廳ハ必要ト認ムルトキハ相當ノ金額ヲ供託セシムルコトヲ得
會社ハ主務官廳ノ認許シタル有價證券ヲ以テ前項ノ供託金ニ代フルコトヲ得
第五條中「損害保險ヲ目的トスル會社」ヲ「保險會社」ニ改メ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
五 財產ノ利用方法ヲ記載シタル書類
第六條 削除
第八條中「及ヒ第六條」ヲ削ル
第九條中「竝ニ第六條」ヲ削ル
第十一條中「其事業ノ停止」ヲ「財產ノ供託若クハ事業ノ停止」ニ改ム
第十三條第二項ヲ左ノ如ク改ム
主務官廳ハ淸算事務及ヒ會社財產ノ狀況ヲ檢査シ財產ノ供託ヲ命シ其他監督ニ必要ナル命令ヲ爲スコトヲ得
第十三條ノ二 保險會社カ免許ノ取消ニ因リテ解散シタルトキハ主務官廳ハ淸算人ヲ選任ス
商法第八十九條、第九十九條ノ六及ヒ第二百二十六條第二項ニ定ムル淸算人ノ選任ハ主務官廳ニ於テ之ヲ爲ス此場合ニ於テハ利害關係人ノ請求ナクシテ之ヲ爲スコトヲ得
商法第九十三條ノ二第二項ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
主務官廳ハ監査役又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ當タル株主若クハ十分ノ一以上ノ社員ノ請求ニ因リ淸算人ヲ解任スルコトヲ得但此請求ヲ爲ス社員ニ付キ定款ヲ以テ他ノ標準ヲ定ムルコトヲ得
重要ナル事由アルトキハ主務官廳ハ前項ノ請求ナクシテ淸算人ヲ解任スルコトヲ得
商法第二百二十八條第二項ノ規定ハ保險會社ノ淸算人ニハ之ヲ適用セス
第十三條ノ三 前條ノ規定ニ依リ淸算人ヲ選任シタル場合ニ於テハ會社ヲシテ之ニ報酬ヲ與ヘシムルコトヲ得其額ハ主務官廳之ヲ定ム
第二十條ノ二 會社ハ契約ヲ以テ責任準備金算出ノ基礎ヲ同クスル保險契約ノ全部ヲ包括シテ他ノ會社ニ移轉スルコトヲ得
會社ハ前項ノ契約ヲ以テ會社財產ヲ移轉スヘキコトヲ定ムルコトヲ得但主務官廳カ其會社ノ債權者ノ利益ヲ保護スルニ必要ト認ムル財產ヲ留保スルコトヲ要ス
第一項ノ契約ハ各會社ニ於テ株主總會ノ決議ヲ經ルコトヲ要ス
前項ノ決議ハ保險契約ヲ移轉セントスル會社ニ在リテハ商法第二百九條ノ規定ニ從ヒ之ヲ爲スコトヲ要ス
第二十條ノ三 保險契約ヲ移轉セントスル會社ハ移轉契約ノ要旨及ヒ各會社ノ貸借對照表ヲ公吿スルコトヲ要ス
前項ノ公吿ニハ保險契約者ニシテ異議アラハ一定ノ期間內ニ之ヲ述フヘキ旨ヲ附記スルコトヲ要ス但其期間ハ二个月ヲ下ルコトヲ得ス
前項ノ期間內ニ異議ヲ述ヘタル保險契約者カ保險契約者總數ノ十分ノ一ヲ超エ又ハ其保險金額カ保險金總額ノ十分ノ一ヲ超ユルトキハ保險契約ノ移轉ヲ爲スコトヲ得ス
第二十條ノ四 保險契約ノ移轉ハ主務官廳ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其效力ヲ生セス
前項ノ認可申請書ニハ移轉契約書、各會社ノ株主總會ノ決議錄、財產目錄、貸借對照表及ヒ前條ノ公吿竝ニ異議ニ關スル書類ヲ添附スルコトヲ要ス
主務官廳ハ前項ノ書類ノ外必要ト認ムル書類ノ提出ヲ命スルコトヲ得
第二十條ノ五 保險契約ヲ移轉セントスル會社ハ株主總會ノ決議アリタル時ヨリ保險契約ノ移轉ヲ爲シ又ハ爲ササルニ至ル時迄其移轉セントスル保險契約ト同種ノ保險契約ヲ爲スコトヲ得ス
第二十條ノ六 生命保險ヲ目的トスル會社カ其保險契約ノ全部ヲ移轉スル場合ニ於テハ移轉契約ヲ以テ保險金額ヲ削減シ及ヒ將來ノ保險料ヲ減額スヘキコトヲ定ムルコトヲ得
第二十條ノ七 前條ノ規定ニ依リ保險金額ノ削減ヲ定ムル場合ニ於テハ保險契約ヲ移轉セントスル會社ハ第二十條ノ二第三項ノ決議アリタル時ヨリ保險契約ノ移轉ヲ爲シ又ハ爲ササルニ至ル時迄其財產ノ處分ヲ爲シ又ハ債務ヲ負擔スヘキ行爲ヲ爲スコトヲ得ス但會社ノ維持ニ必要ナル費用ニ付テハ此限ニ在ラス
保險契約ノ移轉アリタルトキハ保險契約ニ因リテ生シタル債權ニシテ前項ノ規定ニ依リ支拂ヲ停止セラレタルモノニ付テハ移轉契約ニ定メタル保險金額削減ノ割合ニ依リ其金額ヲ削減シテ支拂ヲ爲スコトヲ要ス
第二十條ノ八 保險契約移轉ノ認可アリタルトキハ會社ハ遲滯ナク其旨ヲ公吿スルコトヲ要ス移轉ヲ爲ササルニ至リタルトキ亦同シ
第二十條ノ九 會社カ保險契約ノ移轉ヲ爲シタルトキハ移轉ヲ爲シタル會社ノ其保險契約ニ付キ有スル權利義務ハ移轉ヲ受ケタル會社ニ於テ之ヲ承繼ス移轉契約ヲ以テ移轉スヘキコトヲ定メタル財產ニ付キ亦同シ
第二十條ノ二第三項ノ決議ノ後ニ於テ移轉スヘキ保險契約ニ付キ爲シタル收支其他移轉スヘキ保險契約又ハ財產ニ付キ生シタル變更ハ移轉ヲ受ケタル會社ニ歸ス
第二十條ノ十 會社カ其保險契約全部ノ移轉ヲ爲シタルトキハ之ニ因リテ解散ス
第二十條ノ十一 會社ハ解散ノ後ト雖三个月內ニ限リ第二十條ノ二第三項ノ決議ヲ爲スコトヲ得
第七十八條ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ適用セス但保險契約ノ移轉ヲ爲ササルニ至リタルトキハ此限ニ在ラス
第二十條ノ十二 第二十條ノ十ノ解散ノ登記ノ申請書ニハ移轉契約書、各會社ノ株主總會ノ決議錄竝ニ第二十條ノ三ノ公吿ヲ爲シタルコト、若シ異議ヲ述ヘタル保險契約者アルトキハ其者カ保險契約者總數ノ十分ノ一以下ニシテ其保險金額カ保險金總額ノ十分ノ一以下ナルコトヲ證スル書面及ヒ保險契約移轉ノ認可ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第二十二條 會社カ合併ノ決議ヲ爲シタルトキハ決議ノ認可ノ日ヨリ二週間內ニ合併契約ノ要旨及ヒ各會社ノ貸借對照表ヲ公吿スルコトヲ要ス
第二十條ノ三第二項及ヒ第三項ノ規定ハ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ニ依リ合併ヲ爲シタルトキハ其合併ハ之ヲ以テ保險契約者其他保險契約ニ因リテ生シタル權利ヲ有スル者ニモ對抗スルコトヲ得
第二十三條中「第七十七條」ヲ「第八十七條」ニ改ム
第二十五條 合併ニ因ル解散ノ登記ノ申請書ニハ第二十二條ノ公吿ヲ爲シタルコト、若シ異議ヲ述ヘタル保險契約者アルトキハ其者カ保險契約者總數ノ十分ノ一以下ニシテ其保險金額カ保險金總額ノ十分ノ一以下ナルコトヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第三十條第二項ニ左ノ一號ヲ加フ
七 一定ノ時期迄ニ會社カ成立セサルトキハ入社ノ申込ヲ取消スコトヲ得ヘキコト
第三十一條中「第百六十三條」ノ下ニ「乃至第百六十三條ノ四」ヲ加フ
第三十二條 第四十九條ノ二ノ規定ハ入社申込人ニ對スル通知及ヒ催吿ニ之ヲ準用ス
第三十四條第一項ニ左ノ二號ヲ加フ
四 會社ヲ代表スヘキ取締役ヲ定メタルトキハ其氏名
五 數人ノ取締役カ共同シ又ハ取締役カ支配人ト共同シテ會社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ關スル規定
第三十五條 商法第九條、第十一條乃至第十五條、第十九條乃至第三十八條、第四十條、第四十一條、第四十四條、第四十四條ノ二、第四十四條ノ三第一項、第二項、第四十五條、第四十八條ノ二、第百十九條、第百三十三條、第百三十八條、第百四十二條ノ二及ヒ第百四十二條ノ三ノ規定ハ相互會社ニ之ヲ準用ス
第七十三條第一項ノ規定ハ商法第四十四條ノ三第二項ノ規定ニ依ル選任ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十八條ノ二 社員ノ責任カ第三十七條第二號又ハ第三號ニ該當スル相互會社ニ在リテハ定款ヲ以テ保險金額ノ削減ニ關スル事項ヲ定ムルコトヲ要ス
第四十一條ノ二 第二十條ノ二第一項乃至第三項及ヒ第二十條ノ四乃至第二十條ノ十二ノ規定ハ相互會社ニ之ヲ準用ス
第四十四條中「總會ノ目的」ヲ「會議ノ目的タル事項」ニ改ム
第四十五條中「第百五十八條第一項、」ヲ削リ「第百六十三條」ノ下ニ「乃至第百六十三條ノ四」ヲ加フ
第四十九條ノ二 商法第百七十二條ノ二ノ規定ハ會社ノ社員ニ對スル通知及ヒ催吿ニ之ヲ準用ス但保險關係ニ屬スル事項ニ付テハ此限ニ在ラス
第五十三條 商法第百六十四條第二項、第百六十五條乃至第百六十七條ノ二、第百六十九條、第百七十條、第百七十四條第二項、第百七十六條、第百七十七條及ヒ第百七十九條ノ規定ハ相互會社ノ取締役ニ之ヲ準用ス
第五十五條 商法第百六十四條第二項、第百六十六條但書、第百六十七條、第百六十七條ノ二、第百七十七條、第百七十九條乃至第百八十四條、第百八十五條第一項及ヒ第百八十六條ノ規定ハ相互會社ノ監査役ニ之ヲ準用ス
第七十三條第一項中「及ヒ合併ノ決議」ヲ「合併及ヒ保險契約移轉ノ決議」ニ改ム
第七十七條 削除
第七十八條中「一个月」ヲ「三个月」ニ改ム
第八十一條 削除
第八十二條 第四十四條、第五十條乃至第五十二條、第五十四條、商法第八十四條、第九十條乃至第九十三條、第九十三條ノ二第二項、第九十七條、第九十九條、第百五十七條、第百五十九條、第百六十三條乃至第百六十三條ノ四、第百六十四條第二項、第百六十七條ノ二、第百七十條、第百七十六條、第百七十七條、第百七十九條、第百八十一條、第百八十三條、第百八十四條、第百八十五條第一項、第百八十六條、第百九十一條乃至第百九十三條、第二百二十六條乃至第二百二十七條ノ二、第二百二十八條第一項、第二百三十條、第二百三十二條、第二百三十三條及ヒ民法第七十九條、第八十條、第八十三條ノ規定ハ相互會社ノ淸算ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十五條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ社員ノ全員カ保險料ヲ限度トシテ責任ヲ負フ會社ノ社員名簿ニハ之ヲ適用セス
第八十六條 相互會社ノ支配人ノ選任ノ登記ハ會社ヲ代表スヘキ取締役ノ申請ニ因リテ之ヲ爲ス支配人ノ代理權ノ消滅及ヒ非訟事件手續法第百七十三條第一項第四號ニ揭ケタル事項竝ニ其變更、消滅ノ登記ニ付キ亦同シ
第八十八條ノ二 相互會社カ合併ニ因ル變更ノ登記ヲ申請スルニハ申請書ニ其事由ヲ記載シ非訟事件手續法第百八十二條第二項ニ揭ケタル書類ヲ添附スルコトヲ要ス
相互會社カ合併ニ因ル設立ノ登記ヲ申請スルニハ申請書ニ其事由ヲ記載シ第八十四條第二項竝ニ非訟事件手續法第百八十二條第二項ニ揭ケタル書類及ヒ商法第四十四條ノ三第二項ノ規定ニ依リテ選任セラレタル者ノ資格ヲ證スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第八十九條 非訟事件手續法第百二十六條第一項、第三項、第百三十五條ノ四、第百三十八條ノ三乃至第百三十九條、第百四十一條乃至第百六十四條、第百七十三條、第百七十四條第二項、第百七十五條乃至第百七十八條、第百八十八條、第百九十三條第一項、第二項及ヒ第百九十五條ノ二ノ規定ハ相互會社ニ之ヲ準用ス
第九十七條 主務官廳ノ免許ヲ受ケスシテ保險事業ヲ營ム者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第九十八條 保險會社ノ取締役、監査役又ハ淸算人ハ左ノ場合ニ於テハ十圓以上千圓以下ノ過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 保險事業ニ非サル事業ヲ爲シタルトキ
二 生命保險ト損害保險トヲ併セテ營ミタルトキ
三 主務官廳ノ命令ニ違反シタルトキ
四 主務官廳ノ檢査ヲ妨ケタルトキ
五 正當ノ理由ナクシテ第九十三條ノ規定ニ依リ閱覽ヲ許スヘキ書類ヲ閱覽セシメス又ハ其謄本若クハ抄本ヲ交付セサリシトキ
六 會社カ免許ノ取消ニ因リテ解散シタル場合ニ於テ淸算人ニ事務ノ引渡ヲ爲ササルトキ
七 第二十條ノ二、第二十條ノ三又ハ第二十條ノ五ノ規定ニ違反シテ保險契約ノ移轉ヲ爲シ又ハ保險契約ヲ爲シタルトキ
八 第二十條ノ七ノ規定ニ違反シテ財產ノ處分ヲ爲シ若クハ債務ヲ負擔スヘキ行爲ヲ爲シ又ハ支拂ヲ爲シタルトキ
九 第二十二條ノ規定ニ違反シテ合併ヲ爲シタルトキ
十 第九十五條ノ規定ニ違反シタルトキ
第九十八條ノ二 株式會社ノ取締役、監査役又ハ淸算人カ本法ニ定メタル公吿ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公吿ヲ爲シタルトキハ五圓以上五百圓以下ノ過料ニ處ス
第九十八條ノ三 相互會社ノ發起人、取締役、監査役又ハ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ一年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
一 會社ノ設立又ハ其登記ヲ爲シ若クハ之ヲ爲サシムル目的ヲ以テ社員ノ數又ハ基金醵出ノ引受ニ付キ裁判所又ハ總會ヲ欺罔シタルトキ
二 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ基金ヲ償却シ其利息ヲ支拂ヒ又ハ剩餘金ヲ分配シタルトキ
三 會社ノ事業ノ範圍外ニ於テ投機取引ノ爲メニ會社財產ヲ處分シタルトキ
前項ノ規定ハ刑法ニ正條アル場合ニハ之ヲ適用セス
第九十九條中「過料ニ處セラル」ヲ「過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス」ニ改メ同條第四號ノ次ニ左ノ一號ヲ加ヘ第五號ヲ第六號トス
五 正當ノ理由ナクシテ第五十條第二項ノ規定ニ依リ閱覽ヲ許スヘキ書類ヲ閱覽セシメサルトキ
第百條中「過料ニ處セラル」ヲ「過料ニ處ス但其行爲ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス」ニ改メ第二號ヲ削リ第三號ヲ第二號ニ改メ以下順次繰上ケ同條ニ左ノ二號ヲ加フ
五 淸算ノ結了ヲ遲延セシムル目的ヲ以テ民法第七十九條ノ期間ヲ不當ニ定メタルトキ
六 民法第七十九條ノ期間內ニ或債權者ニ辨濟ヲ爲シ又ハ第八十條若クハ定款ノ規定ニ違反シテ殘餘財產ヲ分配シタルトキ
第百條ノ二 明治三十三年法律第五十二號ハ本法ノ犯罪ニ之ヲ準用ス
第百五條中「裁判所ハ檢事ノ請求ニ因リ又ハ職權ヲ以テ會社ノ解散ヲ命スルコトヲ得」ヲ「主務官廳ハ其事業ヲ禁止スルコトヲ得」ニ、第二項ヲ左ノ如ク改ム
保險會社カ違法ニ事業ヲ禁止セラレタリトスルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第百五條ノ二 保險會社カ其事業ヲ禁止セラレタルトキハ之ニ因リテ解散ス
第十三條ノ二第一項、第三項、第十三條ノ三、第七十八條、第八十七條及ヒ第九十八條第六號ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百八條中「第十三條」ヲ「第十三條ノ三」ニ改ム
第百十一條中「及ヒ第九十三條」ヲ「乃至第九十六條」ニ改ム
第百十二條中「第七十七條」ヲ「第二十五條」ニ改ム
第百十二條ノ二 第二十條ノ二乃至第二十條ノ十二、第二十二條及ヒ第二十五條ノ規定ハ保險ヲ營業トスル合資會社カ其保險契約ヲ合資會社若クハ株式會社ニ移轉シ又ハ株式會社ト合併スル場合ニ之ヲ準用ス但保險契約移轉ノ決議ハ舊商法第百五十一條第二項ノ規定ニ從ヒ之ヲ爲スコトヲ要ス
第百十二條ノ三 第二十二條、第二十五條、第七十三條第二項、商法第七十八條、第七十九條第一項、第二項、第八十三條ノ三及ヒ非訟事件手續法第二百一條第一項、第二項ノ規定ハ保險ヲ營業トスル合資會社カ其組織ヲ變更シテ之ヲ株式會社ト爲ス場合ニ準用ス
第百十三條中「第九十八條」ノ下ニ「及ヒ第九十八條ノ二」ヲ加フ
附 則
第一條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 本法ノ規定ハ本法施行ノ日ヨリ其施行前ニ生シタル事項ニモ亦之ヲ適用ス但從前ノ規定ニ依リテ生シタル效力ヲ妨ケス
第三條 本法施行前ニ設立シタル會社ニシテ命令ヲ以テ第五條第二號又ハ第五號ニ揭ケタル書類ニ定ムヘキコトヲ規定スル事項ニ付キ認可ヲ受ケサルモノハ本法施行後六个月內ニ其認可ヲ申請スルコトヲ要ス
前項ノ認可ヲ受ケタル時現ニ利用スル財產ニ付テハ其利用方法ヲ變更セサル限リ認可ヲ受ケタル方法ニ依ラサルコトヲ得
第四條 本法施行前ニ會社カ合併ノ決議ヲ爲シタルトキハ其合併ニ付テハ仍從前ノ規定ニ依ルコトヲ得
第五條 第三十八條ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ設立シタル會社ニハ之ヲ適用セス
第六條 明治四十四年法律第七十三號附則第四條、第五條、第七條、第九條乃至第十三條、第二十條及ヒ第二十一條ノ規定ハ相互會社ニ之ヲ準用ス
第七條 本法施行前ニ從前ノ罰則ヲ適用スヘキ行爲アリタルトキハ本法施行ノ後ト雖其罰則ヲ適用ス
第八條 裁判所カ本法施行前ニ受理シタル淸算人ノ選任又ハ解任ニ關スル事件ニ付テハ仍從前ノ規定ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル保険業法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十五年四月六日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
司法大臣 松田正久
農商務大臣 男爵 牧野伸顕
法律第十八号
保険業法中左ノ通改正ス
第四条ニ左ノ但書ヲ加フ
但生命保険ヲ目的トスル会社ハ生命保険ノ再保険ヲ為スコトヲ得
第四条ノ二 保険会社カ免許ヲ申請シタル場合ニ於テ主務官庁ハ必要ト認ムルトキハ相当ノ金額ヲ供託セシムルコトヲ得
会社ハ主務官庁ノ認許シタル有価証券ヲ以テ前項ノ供託金ニ代フルコトヲ得
第五条中「損害保険ヲ目的トスル会社」ヲ「保険会社」ニ改メ同条ニ左ノ一号ヲ加フ
五 財産ノ利用方法ヲ記載シタル書類
第六条 削除
第八条中「及ヒ第六条」ヲ削ル
第九条中「並ニ第六条」ヲ削ル
第十一条中「其事業ノ停止」ヲ「財産ノ供託若クハ事業ノ停止」ニ改ム
第十三条第二項ヲ左ノ如ク改ム
主務官庁ハ清算事務及ヒ会社財産ノ状況ヲ検査シ財産ノ供託ヲ命シ其他監督ニ必要ナル命令ヲ為スコトヲ得
第十三条ノ二 保険会社カ免許ノ取消ニ因リテ解散シタルトキハ主務官庁ハ清算人ヲ選任ス
商法第八十九条、第九十九条ノ六及ヒ第二百二十六条第二項ニ定ムル清算人ノ選任ハ主務官庁ニ於テ之ヲ為ス此場合ニ於テハ利害関係人ノ請求ナクシテ之ヲ為スコトヲ得
商法第九十三条ノ二第二項ノ規定ハ前二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
主務官庁ハ監査役又ハ資本ノ十分ノ一以上ニ当タル株主若クハ十分ノ一以上ノ社員ノ請求ニ因リ清算人ヲ解任スルコトヲ得但此請求ヲ為ス社員ニ付キ定款ヲ以テ他ノ標準ヲ定ムルコトヲ得
重要ナル事由アルトキハ主務官庁ハ前項ノ請求ナクシテ清算人ヲ解任スルコトヲ得
商法第二百二十八条第二項ノ規定ハ保険会社ノ清算人ニハ之ヲ適用セス
第十三条ノ三 前条ノ規定ニ依リ清算人ヲ選任シタル場合ニ於テハ会社ヲシテ之ニ報酬ヲ与ヘシムルコトヲ得其額ハ主務官庁之ヲ定ム
第二十条ノ二 会社ハ契約ヲ以テ責任準備金算出ノ基礎ヲ同クスル保険契約ノ全部ヲ包括シテ他ノ会社ニ移転スルコトヲ得
会社ハ前項ノ契約ヲ以テ会社財産ヲ移転スヘキコトヲ定ムルコトヲ得但主務官庁カ其会社ノ債権者ノ利益ヲ保護スルニ必要ト認ムル財産ヲ留保スルコトヲ要ス
第一項ノ契約ハ各会社ニ於テ株主総会ノ決議ヲ経ルコトヲ要ス
前項ノ決議ハ保険契約ヲ移転セントスル会社ニ在リテハ商法第二百九条ノ規定ニ従ヒ之ヲ為スコトヲ要ス
第二十条ノ三 保険契約ヲ移転セントスル会社ハ移転契約ノ要旨及ヒ各会社ノ貸借対照表ヲ公告スルコトヲ要ス
前項ノ公告ニハ保険契約者ニシテ異議アラハ一定ノ期間内ニ之ヲ述フヘキ旨ヲ附記スルコトヲ要ス但其期間ハ二个月ヲ下ルコトヲ得ス
前項ノ期間内ニ異議ヲ述ヘタル保険契約者カ保険契約者総数ノ十分ノ一ヲ超エ又ハ其保険金額カ保険金総額ノ十分ノ一ヲ超ユルトキハ保険契約ノ移転ヲ為スコトヲ得ス
第二十条ノ四 保険契約ノ移転ハ主務官庁ノ認可ヲ受クルニ非サレハ其効力ヲ生セス
前項ノ認可申請書ニハ移転契約書、各会社ノ株主総会ノ決議録、財産目録、貸借対照表及ヒ前条ノ公告並ニ異議ニ関スル書類ヲ添附スルコトヲ要ス
主務官庁ハ前項ノ書類ノ外必要ト認ムル書類ノ提出ヲ命スルコトヲ得
第二十条ノ五 保険契約ヲ移転セントスル会社ハ株主総会ノ決議アリタル時ヨリ保険契約ノ移転ヲ為シ又ハ為ササルニ至ル時迄其移転セントスル保険契約ト同種ノ保険契約ヲ為スコトヲ得ス
第二十条ノ六 生命保険ヲ目的トスル会社カ其保険契約ノ全部ヲ移転スル場合ニ於テハ移転契約ヲ以テ保険金額ヲ削減シ及ヒ将来ノ保険料ヲ減額スヘキコトヲ定ムルコトヲ得
第二十条ノ七 前条ノ規定ニ依リ保険金額ノ削減ヲ定ムル場合ニ於テハ保険契約ヲ移転セントスル会社ハ第二十条ノ二第三項ノ決議アリタル時ヨリ保険契約ノ移転ヲ為シ又ハ為ササルニ至ル時迄其財産ノ処分ヲ為シ又ハ債務ヲ負担スヘキ行為ヲ為スコトヲ得ス但会社ノ維持ニ必要ナル費用ニ付テハ此限ニ在ラス
保険契約ノ移転アリタルトキハ保険契約ニ因リテ生シタル債権ニシテ前項ノ規定ニ依リ支払ヲ停止セラレタルモノニ付テハ移転契約ニ定メタル保険金額削減ノ割合ニ依リ其金額ヲ削減シテ支払ヲ為スコトヲ要ス
第二十条ノ八 保険契約移転ノ認可アリタルトキハ会社ハ遅滞ナク其旨ヲ公告スルコトヲ要ス移転ヲ為ササルニ至リタルトキ亦同シ
第二十条ノ九 会社カ保険契約ノ移転ヲ為シタルトキハ移転ヲ為シタル会社ノ其保険契約ニ付キ有スル権利義務ハ移転ヲ受ケタル会社ニ於テ之ヲ承継ス移転契約ヲ以テ移転スヘキコトヲ定メタル財産ニ付キ亦同シ
第二十条ノ二第三項ノ決議ノ後ニ於テ移転スヘキ保険契約ニ付キ為シタル収支其他移転スヘキ保険契約又ハ財産ニ付キ生シタル変更ハ移転ヲ受ケタル会社ニ帰ス
第二十条ノ十 会社カ其保険契約全部ノ移転ヲ為シタルトキハ之ニ因リテ解散ス
第二十条ノ十一 会社ハ解散ノ後ト雖三个月内ニ限リ第二十条ノ二第三項ノ決議ヲ為スコトヲ得
第七十八条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ適用セス但保険契約ノ移転ヲ為ササルニ至リタルトキハ此限ニ在ラス
第二十条ノ十二 第二十条ノ十ノ解散ノ登記ノ申請書ニハ移転契約書、各会社ノ株主総会ノ決議録並ニ第二十条ノ三ノ公告ヲ為シタルコト、若シ異議ヲ述ヘタル保険契約者アルトキハ其者カ保険契約者総数ノ十分ノ一以下ニシテ其保険金額カ保険金総額ノ十分ノ一以下ナルコトヲ証スル書面及ヒ保険契約移転ノ認可ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第二十二条 会社カ合併ノ決議ヲ為シタルトキハ決議ノ認可ノ日ヨリ二週間内ニ合併契約ノ要旨及ヒ各会社ノ貸借対照表ヲ公告スルコトヲ要ス
第二十条ノ三第二項及ヒ第三項ノ規定ハ合併ノ場合ニ之ヲ準用ス
前二項ノ規定ニ依リ合併ヲ為シタルトキハ其合併ハ之ヲ以テ保険契約者其他保険契約ニ因リテ生シタル権利ヲ有スル者ニモ対抗スルコトヲ得
第二十三条中「第七十七条」ヲ「第八十七条」ニ改ム
第二十五条 合併ニ因ル解散ノ登記ノ申請書ニハ第二十二条ノ公告ヲ為シタルコト、若シ異議ヲ述ヘタル保険契約者アルトキハ其者カ保険契約者総数ノ十分ノ一以下ニシテ其保険金額カ保険金総額ノ十分ノ一以下ナルコトヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第三十条第二項ニ左ノ一号ヲ加フ
七 一定ノ時期迄ニ会社カ成立セサルトキハ入社ノ申込ヲ取消スコトヲ得ヘキコト
第三十一条中「第百六十三条」ノ下ニ「乃至第百六十三条ノ四」ヲ加フ
第三十二条 第四十九条ノ二ノ規定ハ入社申込人ニ対スル通知及ヒ催告ニ之ヲ準用ス
第三十四条第一項ニ左ノ二号ヲ加フ
四 会社ヲ代表スヘキ取締役ヲ定メタルトキハ其氏名
五 数人ノ取締役カ共同シ又ハ取締役カ支配人ト共同シテ会社ヲ代表スヘキコトヲ定メタルトキハ其代表ニ関スル規定
第三十五条 商法第九条、第十一条乃至第十五条、第十九条乃至第三十八条、第四十条、第四十一条、第四十四条、第四十四条ノ二、第四十四条ノ三第一項、第二項、第四十五条、第四十八条ノ二、第百十九条、第百三十三条、第百三十八条、第百四十二条ノ二及ヒ第百四十二条ノ三ノ規定ハ相互会社ニ之ヲ準用ス
第七十三条第一項ノ規定ハ商法第四十四条ノ三第二項ノ規定ニ依ル選任ノ場合ニ之ヲ準用ス
第三十八条ノ二 社員ノ責任カ第三十七条第二号又ハ第三号ニ該当スル相互会社ニ在リテハ定款ヲ以テ保険金額ノ削減ニ関スル事項ヲ定ムルコトヲ要ス
第四十一条ノ二 第二十条ノ二第一項乃至第三項及ヒ第二十条ノ四乃至第二十条ノ十二ノ規定ハ相互会社ニ之ヲ準用ス
第四十四条中「総会ノ目的」ヲ「会議ノ目的タル事項」ニ改ム
第四十五条中「第百五十八条第一項、」ヲ削リ「第百六十三条」ノ下ニ「乃至第百六十三条ノ四」ヲ加フ
第四十九条ノ二 商法第百七十二条ノ二ノ規定ハ会社ノ社員ニ対スル通知及ヒ催告ニ之ヲ準用ス但保険関係ニ属スル事項ニ付テハ此限ニ在ラス
第五十三条 商法第百六十四条第二項、第百六十五条乃至第百六十七条ノ二、第百六十九条、第百七十条、第百七十四条第二項、第百七十六条、第百七十七条及ヒ第百七十九条ノ規定ハ相互会社ノ取締役ニ之ヲ準用ス
第五十五条 商法第百六十四条第二項、第百六十六条但書、第百六十七条、第百六十七条ノ二、第百七十七条、第百七十九条乃至第百八十四条、第百八十五条第一項及ヒ第百八十六条ノ規定ハ相互会社ノ監査役ニ之ヲ準用ス
第七十三条第一項中「及ヒ合併ノ決議」ヲ「合併及ヒ保険契約移転ノ決議」ニ改ム
第七十七条 削除
第七十八条中「一个月」ヲ「三个月」ニ改ム
第八十一条 削除
第八十二条 第四十四条、第五十条乃至第五十二条、第五十四条、商法第八十四条、第九十条乃至第九十三条、第九十三条ノ二第二項、第九十七条、第九十九条、第百五十七条、第百五十九条、第百六十三条乃至第百六十三条ノ四、第百六十四条第二項、第百六十七条ノ二、第百七十条、第百七十六条、第百七十七条、第百七十九条、第百八十一条、第百八十三条、第百八十四条、第百八十五条第一項、第百八十六条、第百九十一条乃至第百九十三条、第二百二十六条乃至第二百二十七条ノ二、第二百二十八条第一項、第二百三十条、第二百三十二条、第二百三十三条及ヒ民法第七十九条、第八十条、第八十三条ノ規定ハ相互会社ノ清算ノ場合ニ之ヲ準用ス
第八十五条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ハ社員ノ全員カ保険料ヲ限度トシテ責任ヲ負フ会社ノ社員名簿ニハ之ヲ適用セス
第八十六条 相互会社ノ支配人ノ選任ノ登記ハ会社ヲ代表スヘキ取締役ノ申請ニ因リテ之ヲ為ス支配人ノ代理権ノ消滅及ヒ非訟事件手続法第百七十三条第一項第四号ニ掲ケタル事項並ニ其変更、消滅ノ登記ニ付キ亦同シ
第八十八条ノ二 相互会社カ合併ニ因ル変更ノ登記ヲ申請スルニハ申請書ニ其事由ヲ記載シ非訟事件手続法第百八十二条第二項ニ掲ケタル書類ヲ添附スルコトヲ要ス
相互会社カ合併ニ因ル設立ノ登記ヲ申請スルニハ申請書ニ其事由ヲ記載シ第八十四条第二項並ニ非訟事件手続法第百八十二条第二項ニ掲ケタル書類及ヒ商法第四十四条ノ三第二項ノ規定ニ依リテ選任セラレタル者ノ資格ヲ証スル書面ヲ添附スルコトヲ要ス
第八十九条 非訟事件手続法第百二十六条第一項、第三項、第百三十五条ノ四、第百三十八条ノ三乃至第百三十九条、第百四十一条乃至第百六十四条、第百七十三条、第百七十四条第二項、第百七十五条乃至第百七十八条、第百八十八条、第百九十三条第一項、第二項及ヒ第百九十五条ノ二ノ規定ハ相互会社ニ之ヲ準用ス
第九十七条 主務官庁ノ免許ヲ受ケスシテ保険事業ヲ営ム者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第九十八条 保険会社ノ取締役、監査役又ハ清算人ハ左ノ場合ニ於テハ十円以上千円以下ノ過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス
一 保険事業ニ非サル事業ヲ為シタルトキ
二 生命保険ト損害保険トヲ併セテ営ミタルトキ
三 主務官庁ノ命令ニ違反シタルトキ
四 主務官庁ノ検査ヲ妨ケタルトキ
五 正当ノ理由ナクシテ第九十三条ノ規定ニ依リ閲覧ヲ許スヘキ書類ヲ閲覧セシメス又ハ其謄本若クハ抄本ヲ交付セサリシトキ
六 会社カ免許ノ取消ニ因リテ解散シタル場合ニ於テ清算人ニ事務ノ引渡ヲ為ササルトキ
七 第二十条ノ二、第二十条ノ三又ハ第二十条ノ五ノ規定ニ違反シテ保険契約ノ移転ヲ為シ又ハ保険契約ヲ為シタルトキ
八 第二十条ノ七ノ規定ニ違反シテ財産ノ処分ヲ為シ若クハ債務ヲ負担スヘキ行為ヲ為シ又ハ支払ヲ為シタルトキ
九 第二十二条ノ規定ニ違反シテ合併ヲ為シタルトキ
十 第九十五条ノ規定ニ違反シタルトキ
第九十八条ノ二 株式会社ノ取締役、監査役又ハ清算人カ本法ニ定メタル公告ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ公告ヲ為シタルトキハ五円以上五百円以下ノ過料ニ処ス
第九十八条ノ三 相互会社ノ発起人、取締役、監査役又ハ支配人ハ左ノ場合ニ於テハ一年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
一 会社ノ設立又ハ其登記ヲ為シ若クハ之ヲ為サシムル目的ヲ以テ社員ノ数又ハ基金醵出ノ引受ニ付キ裁判所又ハ総会ヲ欺罔シタルトキ
二 法令又ハ定款ノ規定ニ違反シテ基金ヲ償却シ其利息ヲ支払ヒ又ハ剰余金ヲ分配シタルトキ
三 会社ノ事業ノ範囲外ニ於テ投機取引ノ為メニ会社財産ヲ処分シタルトキ
前項ノ規定ハ刑法ニ正条アル場合ニハ之ヲ適用セス
第九十九条中「過料ニ処セラル」ヲ「過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス」ニ改メ同条第四号ノ次ニ左ノ一号ヲ加ヘ第五号ヲ第六号トス
五 正当ノ理由ナクシテ第五十条第二項ノ規定ニ依リ閲覧ヲ許スヘキ書類ヲ閲覧セシメサルトキ
第百条中「過料ニ処セラル」ヲ「過料ニ処ス但其行為ニ付キ刑ヲ科スヘキトキハ此限ニ在ラス」ニ改メ第二号ヲ削リ第三号ヲ第二号ニ改メ以下順次繰上ケ同条ニ左ノ二号ヲ加フ
五 清算ノ結了ヲ遅延セシムル目的ヲ以テ民法第七十九条ノ期間ヲ不当ニ定メタルトキ
六 民法第七十九条ノ期間内ニ或債権者ニ弁済ヲ為シ又ハ第八十条若クハ定款ノ規定ニ違反シテ残余財産ヲ分配シタルトキ
第百条ノ二 明治三十三年法律第五十二号ハ本法ノ犯罪ニ之ヲ準用ス
第百五条中「裁判所ハ検事ノ請求ニ因リ又ハ職権ヲ以テ会社ノ解散ヲ命スルコトヲ得」ヲ「主務官庁ハ其事業ヲ禁止スルコトヲ得」ニ、第二項ヲ左ノ如ク改ム
保険会社カ違法ニ事業ヲ禁止セラレタリトスルトキハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
第百五条ノ二 保険会社カ其事業ヲ禁止セラレタルトキハ之ニ因リテ解散ス
第十三条ノ二第一項、第三項、第十三条ノ三、第七十八条、第八十七条及ヒ第九十八条第六号ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百八条中「第十三条」ヲ「第十三条ノ三」ニ改ム
第百十一条中「及ヒ第九十三条」ヲ「乃至第九十六条」ニ改ム
第百十二条中「第七十七条」ヲ「第二十五条」ニ改ム
第百十二条ノ二 第二十条ノ二乃至第二十条ノ十二、第二十二条及ヒ第二十五条ノ規定ハ保険ヲ営業トスル合資会社カ其保険契約ヲ合資会社若クハ株式会社ニ移転シ又ハ株式会社ト合併スル場合ニ之ヲ準用ス但保険契約移転ノ決議ハ旧商法第百五十一条第二項ノ規定ニ従ヒ之ヲ為スコトヲ要ス
第百十二条ノ三 第二十二条、第二十五条、第七十三条第二項、商法第七十八条、第七十九条第一項、第二項、第八十三条ノ三及ヒ非訟事件手続法第二百一条第一項、第二項ノ規定ハ保険ヲ営業トスル合資会社カ其組織ヲ変更シテ之ヲ株式会社ト為ス場合ニ準用ス
第百十三条中「第九十八条」ノ下ニ「及ヒ第九十八条ノ二」ヲ加フ
附 則
第一条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 本法ノ規定ハ本法施行ノ日ヨリ其施行前ニ生シタル事項ニモ亦之ヲ適用ス但従前ノ規定ニ依リテ生シタル効力ヲ妨ケス
第三条 本法施行前ニ設立シタル会社ニシテ命令ヲ以テ第五条第二号又ハ第五号ニ掲ケタル書類ニ定ムヘキコトヲ規定スル事項ニ付キ認可ヲ受ケサルモノハ本法施行後六个月内ニ其認可ヲ申請スルコトヲ要ス
前項ノ認可ヲ受ケタル時現ニ利用スル財産ニ付テハ其利用方法ヲ変更セサル限リ認可ヲ受ケタル方法ニ依ラサルコトヲ得
第四条 本法施行前ニ会社カ合併ノ決議ヲ為シタルトキハ其合併ニ付テハ仍従前ノ規定ニ依ルコトヲ得
第五条 第三十八条ノ二ノ規定ハ本法施行前ニ設立シタル会社ニハ之ヲ適用セス
第六条 明治四十四年法律第七十三号附則第四条、第五条、第七条、第九条乃至第十三条、第二十条及ヒ第二十一条ノ規定ハ相互会社ニ之ヲ準用ス
第七条 本法施行前ニ従前ノ罰則ヲ適用スヘキ行為アリタルトキハ本法施行ノ後ト雖其罰則ヲ適用ス
第八条 裁判所カ本法施行前ニ受理シタル清算人ノ選任又ハ解任ニ関スル事件ニ付テハ仍従前ノ規定ニ依ル