(朝鮮総督府特別会計ニ関スル件)
法令番号: 勅令第四百六號
公布年月日: 明治43年9月30日
法令の形式: 勅令
朕玆ニ緊急ノ必要アリト認メ樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ帝國憲法第八條及第七十條ニ依リ朝鮮總督府特別會計ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年九月二十九日
內閣總理大臣兼大藏大臣 侯爵 桂太郞
陸軍大臣 子爵 寺內正毅
外務大臣 伯爵 小村壽太郞
海軍大臣 男爵 齋藤實
內務大臣 法學博士 男爵 平田東助
農商務大臣 男爵 大浦兼武
遞信大臣 男爵 後藤新平
文部大臣 小松原英太郞
司法大臣 子爵 岡部長職
勅令第四百六號
第一條 朝鮮總督府ノ會計ハ特別トシ其ノ歲入及一般會計ノ補充金ヲ以テ其ノ歲出ニ充ツ
第二條 前條ノ收入支出ニ關スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三條 政府ハ每年朝鮮總督府特別會計ノ歲入歲出豫算ヲ調製シ歲入歲出ノ總豫算ト共ニ帝國議會ニ提出スヘシ
附 則
第四條 本令ハ明治四十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
第五條 鐵道、森林、平壤鑛業所及公債金ノ特別會計竝通信ノ會計ニ付テハ明治四十三年度分限リ仍從前ノ例ニ依ル
第六條 舊韓國政府ニ屬シタル債權及債務ニシテ本令施行ノ際現存スルモノハ本會計ニ移屬ス
第七條 明治四十三年勅令第三百二十六號ニ依ル豫算ニ關スル會計年度ハ明治四十三年九月三十日ヲ以テ終結ス
前項ノ豫算ニ計上シタル一時借入金ハ本會計ノ負擔ニ於テ之ヲ爲スコトヲ得
第八條 前條ノ歲入歲出竝統監府及其ノ所屬官署ニ係ル歲入歲出ノ出納ニ關スル事務ハ明治四十三年十二月三十一日迄ニ悉皆完結スヘシ
第九條 第七條ノ經費竝統監府及其ノ所屬官署ノ經費ノ支辨ニ屬スル工事又ハ製造ニシテ明治四十三年九月三十日迄ニ經費ノ支出ヲ終ラサルモノハ其ノ支出未濟ノ豫算額ヲ本會計ニ移シ之ヲ使用スルコトヲ得
第十條 前條ノ經費支辨ノ諸費ニシテ旣ニ契約ヲ爲シ又ハ仕拂義務ヲ生シ明治四十三年九月三十日迄ニ支出ヲ終ラサルモノハ其ノ支出未濟ノ豫算額ヲ本會計ニ移シ使用スルモノトス
第十一條 第七條ノ會計ノ過不足ハ之ヲ本會計ニ移シ整理ス
朕茲ニ緊急ノ必要アリト認メ枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ帝国憲法第八条及第七十条ニ依リ朝鮮総督府特別会計ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年九月二十九日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 侯爵 桂太郎
陸軍大臣 子爵 寺内正毅
外務大臣 伯爵 小村寿太郎
海軍大臣 男爵 斎藤実
内務大臣 法学博士 男爵 平田東助
農商務大臣 男爵 大浦兼武
逓信大臣 男爵 後藤新平
文部大臣 小松原英太郎
司法大臣 子爵 岡部長職
勅令第四百六号
第一条 朝鮮総督府ノ会計ハ特別トシ其ノ歳入及一般会計ノ補充金ヲ以テ其ノ歳出ニ充ツ
第二条 前条ノ収入支出ニ関スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第三条 政府ハ毎年朝鮮総督府特別会計ノ歳入歳出予算ヲ調製シ歳入歳出ノ総予算ト共ニ帝国議会ニ提出スヘシ
附 則
第四条 本令ハ明治四十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
第五条 鉄道、森林、平壌鉱業所及公債金ノ特別会計並通信ノ会計ニ付テハ明治四十三年度分限リ仍従前ノ例ニ依ル
第六条 旧韓国政府ニ属シタル債権及債務ニシテ本令施行ノ際現存スルモノハ本会計ニ移属ス
第七条 明治四十三年勅令第三百二十六号ニ依ル予算ニ関スル会計年度ハ明治四十三年九月三十日ヲ以テ終結ス
前項ノ予算ニ計上シタル一時借入金ハ本会計ノ負担ニ於テ之ヲ為スコトヲ得
第八条 前条ノ歳入歳出並統監府及其ノ所属官署ニ係ル歳入歳出ノ出納ニ関スル事務ハ明治四十三年十二月三十一日迄ニ悉皆完結スヘシ
第九条 第七条ノ経費並統監府及其ノ所属官署ノ経費ノ支弁ニ属スル工事又ハ製造ニシテ明治四十三年九月三十日迄ニ経費ノ支出ヲ終ラサルモノハ其ノ支出未済ノ予算額ヲ本会計ニ移シ之ヲ使用スルコトヲ得
第十条 前条ノ経費支弁ノ諸費ニシテ既ニ契約ヲ為シ又ハ仕払義務ヲ生シ明治四十三年九月三十日迄ニ支出ヲ終ラサルモノハ其ノ支出未済ノ予算額ヲ本会計ニ移シ使用スルモノトス
第十一条 第七条ノ会計ノ過不足ハ之ヲ本会計ニ移シ整理ス