(農会令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第三百五十二號
公布年月日: 明治43年9月28日
法令の形式: 勅令
朕農會令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年九月二十七日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
農商務大臣 男爵 大浦兼武
勅令第三百五十二號
農會令中左ノ通改正ス
第一條第一項ヲ左ノ如ク改ム
農會ニハ帝國農會、北海道農會、府縣農會、郡農會又ハ市町村農會ノ名稱ヲ附スヘシ但シ島司ヲ置キタル島嶼ニ在リテハ島農會、北海道又ハ沖繩縣ノ區ニ在リテハ區農會、町村組合ニ在リテハ町村組合農會ト稱スルコトヲ得
第三條中「依ル」ヲ「依リ帝國農會ノ區域ハ全國ヲ以テ其ノ區域トス」ニ改ム
第四條中「組織ス」ヲ「組織シ帝國農會ハ北海道農會及府縣農會ヲ以テ之ヲ組織ス」ニ改ム
第六條ニ左ノ一項ヲ加フ
帝國農會ヲ設立スルニハ之ヲ組織スル農會ノ數道府縣總數ノ三分ノ二以上タルコトヲ要ス
第八條中「農會ノ設立者ハ」ヲ「帝國農會以外ノ農會ノ設立者ハ」ニ改ム
第八條ノ二 帝國農會ノ設立ヲ發起スル農會ハ會則案ヲ定メ第四條ニ依リ之ヲ組織スヘキ他ノ農會ニ對シ同意ヲ求ムヘシ
第八條ノ三 帝國農會ノ設立ヲ發起シ及其ノ設立ニ同意シタル農會ハ各一名ノ創立委員ヲ選擧スヘシ其ノ選擧ニ付テハ第十一條第二項ノ規定ヲ準用ス
第八條ノ四 帝國農會ノ設立ヲ發起シ及其ノ設立ニ同意シタル農會ノ數第六條第四項ニ定メタル條件ヲ具備スルニ至リタルトキハ發起者ハ創立委員會ヲ招集シ委員長一名ヲ互選セシムヘシ
創立委員長就任シタルトキハ發起者ハ其ノ事務ヲ之ニ引繼クヘシ
第八條ノ五 創立委員會ニ於テハ會則ヲ議定スヘシ
會則ノ議定ハ道府縣總數ノ三分ノ二以上ニ相當スル創立委員ノ同意ヲ以テ之ヲ爲スヘシ
第八條ノ六 創立委員會ヲ終リタルトキハ創立委員長ハ會則ヲ農商務大臣ニ差出シ農會設立ノ許可ヲ受クヘシ
第九條第一項第一號中「竝北海道農會、府縣農會及郡農會」ヲ「及市町村農會以外ノ農會」ニ改メ同項ニ左ノ一號ヲ加フ
十一 第三條第一項ノ區域ニ依ラサル農會ニ在リテハ其ノ區域
第十條第一項中「北海道農會、府縣農會及郡農會」ヲ「其ノ他ノ農會」ニ、「代表者」ヲ「選擧シタル議員及特別議員」ニ改ム
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
農會ハ議員及議員事故アルトキ之ヲ代理スヘキ豫備議員各一名ヲ選擧スヘシ
同條第三項ヲ削ル
第十一條第一項ヲ左ノ如ク改ム
郡農會ノ議員及豫備議員ハ町村農會ノ總會ニ於テ役員タル會員中ヨリ、北海道農會及府縣農會ノ議員及豫備議員ハ郡市農會ノ總會ニ於テ役員タル會員又ハ議員中ヨリ之ヲ選擧ス但シ役員タル會員又ハ議員中ヨリ選擧スルコト能ハサル場合ニ於テハ市町村農會ニ在リテハ其ノ會員中、郡農會ニ在リテハ其ノ議員中ヨリ之ヲ選擧スヘシ
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
帝國農會ノ議員及豫備議員ハ北海道農會及府縣農會ノ總會ニ於テ其ノ區域內ニ於ケル市町村農會ノ會員及北海道農會、府縣農會ノ名譽會員中ヨリ之ヲ選擧スヘシ
帝國農會ノ創立委員ハ第一囘ノ議員トシテ選擧セラレタルモノト看做ス
同條第三項中「代表者及副代表者」ヲ「議員及豫備議員」ニ改メ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
議員又ハ豫備議員ノ改選期ヲ同一ナラシムル爲必要アル場合ニ於テハ農會ハ會則ヲ以テ其ノ任期ヲ伸縮スルコトヲ得
第十二條中「代表者及副代表者」ヲ「議員及豫備議員」ニ改ム
第十二條ノ二 農商務大臣ハ帝國農會ノ特別議員、地方長官ハ北海道農會又ハ府縣農會ノ特別議員ヲ命スルコトヲ得但シ其ノ員數ハ其ノ農會ヲ組織スル農會ノ數ノ三分ノ一ヲ超ユルコトヲ得ス
特別議員ノ任期ハ事業年度ニ從ヒ三箇年トス但シ農商務大臣又ハ地方長官ハ任命ノ際特ニ之ヲ短縮スルコトヲ得
第十五條中「會員又ハ代表者」ヲ「其ノ總會ヲ組織スル者」ニ改ム
第十七條中「五名、」ノ下ニ「帝國農會ニ在リテハ十五名、」ヲ加フ
第十八條第一項中「代表者」ヲ「其ノ總會ヲ組織スル者ノ」ニ改ム
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
帝國農會ノ評議員ハ議員中ヨリ其ノ三分ノ二、特別議員中ヨリ其ノ三分ノ一ヲ選擧スヘシ
幹事ハ會長之ヲ命ス
第二十七條中「認ムルトキハ」ノ下ニ「帝國農會」ヲ加フ
第三十條中「代表者」ヲ「議員」ニ改ム
第三十七條中「地方長官、」ノ下ニ「帝國農會」ヲ加フ
第三十七條ノ二 本令中郡農會ニ關スル規定ハ島農會ニ、市農會ニ關スル規定ハ北海道又ハ沖繩縣ノ區農會ニ、町村農會ニ關スル規定ハ町村組合又ハ町村ニ準スヘキ地ノ農會ニ之ヲ準用ス
本令ニ依リ郡長ノ行フヘキ職務ハ伊豆七島中島司ヲ置カサル島嶼ニ在リテハ東京府知事、北海道ニ在リテハ支廳長、島司ヲ置キタル島嶼ニ在リテハ島司之ヲ行フ
附 則
本令ハ明治四十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
旣設農會ニシテ其ノ會則本令ニ適合セサルモノハ本令施行後一年內ニ會則ノ變更ヲ爲スヘシ
現ニ市町村農會及郡農會ノ代表者又ハ副代表者タル者ハ其ノ代表スル農會ヨリ選擧セラレタル議員又ハ豫備議員ト看做ス但シ其ノ任期ハ代表者又ハ副代表者トシテノ殘任期間トス
朕農会令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年九月二十七日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
農商務大臣 男爵 大浦兼武
勅令第三百五十二号
農会令中左ノ通改正ス
第一条第一項ヲ左ノ如ク改ム
農会ニハ帝国農会、北海道農会、府県農会、郡農会又ハ市町村農会ノ名称ヲ附スヘシ但シ島司ヲ置キタル島嶼ニ在リテハ島農会、北海道又ハ沖縄県ノ区ニ在リテハ区農会、町村組合ニ在リテハ町村組合農会ト称スルコトヲ得
第三条中「依ル」ヲ「依リ帝国農会ノ区域ハ全国ヲ以テ其ノ区域トス」ニ改ム
第四条中「組織ス」ヲ「組織シ帝国農会ハ北海道農会及府県農会ヲ以テ之ヲ組織ス」ニ改ム
第六条ニ左ノ一項ヲ加フ
帝国農会ヲ設立スルニハ之ヲ組織スル農会ノ数道府県総数ノ三分ノ二以上タルコトヲ要ス
第八条中「農会ノ設立者ハ」ヲ「帝国農会以外ノ農会ノ設立者ハ」ニ改ム
第八条ノ二 帝国農会ノ設立ヲ発起スル農会ハ会則案ヲ定メ第四条ニ依リ之ヲ組織スヘキ他ノ農会ニ対シ同意ヲ求ムヘシ
第八条ノ三 帝国農会ノ設立ヲ発起シ及其ノ設立ニ同意シタル農会ハ各一名ノ創立委員ヲ選挙スヘシ其ノ選挙ニ付テハ第十一条第二項ノ規定ヲ準用ス
第八条ノ四 帝国農会ノ設立ヲ発起シ及其ノ設立ニ同意シタル農会ノ数第六条第四項ニ定メタル条件ヲ具備スルニ至リタルトキハ発起者ハ創立委員会ヲ招集シ委員長一名ヲ互選セシムヘシ
創立委員長就任シタルトキハ発起者ハ其ノ事務ヲ之ニ引継クヘシ
第八条ノ五 創立委員会ニ於テハ会則ヲ議定スヘシ
会則ノ議定ハ道府県総数ノ三分ノ二以上ニ相当スル創立委員ノ同意ヲ以テ之ヲ為スヘシ
第八条ノ六 創立委員会ヲ終リタルトキハ創立委員長ハ会則ヲ農商務大臣ニ差出シ農会設立ノ許可ヲ受クヘシ
第九条第一項第一号中「並北海道農会、府県農会及郡農会」ヲ「及市町村農会以外ノ農会」ニ改メ同項ニ左ノ一号ヲ加フ
十一 第三条第一項ノ区域ニ依ラサル農会ニ在リテハ其ノ区域
第十条第一項中「北海道農会、府県農会及郡農会」ヲ「其ノ他ノ農会」ニ、「代表者」ヲ「選挙シタル議員及特別議員」ニ改ム
同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
農会ハ議員及議員事故アルトキ之ヲ代理スヘキ予備議員各一名ヲ選挙スヘシ
同条第三項ヲ削ル
第十一条第一項ヲ左ノ如ク改ム
郡農会ノ議員及予備議員ハ町村農会ノ総会ニ於テ役員タル会員中ヨリ、北海道農会及府県農会ノ議員及予備議員ハ郡市農会ノ総会ニ於テ役員タル会員又ハ議員中ヨリ之ヲ選挙ス但シ役員タル会員又ハ議員中ヨリ選挙スルコト能ハサル場合ニ於テハ市町村農会ニ在リテハ其ノ会員中、郡農会ニ在リテハ其ノ議員中ヨリ之ヲ選挙スヘシ
同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
帝国農会ノ議員及予備議員ハ北海道農会及府県農会ノ総会ニ於テ其ノ区域内ニ於ケル市町村農会ノ会員及北海道農会、府県農会ノ名誉会員中ヨリ之ヲ選挙スヘシ
帝国農会ノ創立委員ハ第一回ノ議員トシテ選挙セラレタルモノト看做ス
同条第三項中「代表者及副代表者」ヲ「議員及予備議員」ニ改メ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
議員又ハ予備議員ノ改選期ヲ同一ナラシムル為必要アル場合ニ於テハ農会ハ会則ヲ以テ其ノ任期ヲ伸縮スルコトヲ得
第十二条中「代表者及副代表者」ヲ「議員及予備議員」ニ改ム
第十二条ノ二 農商務大臣ハ帝国農会ノ特別議員、地方長官ハ北海道農会又ハ府県農会ノ特別議員ヲ命スルコトヲ得但シ其ノ員数ハ其ノ農会ヲ組織スル農会ノ数ノ三分ノ一ヲ超ユルコトヲ得ス
特別議員ノ任期ハ事業年度ニ従ヒ三箇年トス但シ農商務大臣又ハ地方長官ハ任命ノ際特ニ之ヲ短縮スルコトヲ得
第十五条中「会員又ハ代表者」ヲ「其ノ総会ヲ組織スル者」ニ改ム
第十七条中「五名、」ノ下ニ「帝国農会ニ在リテハ十五名、」ヲ加フ
第十八条第一項中「代表者」ヲ「其ノ総会ヲ組織スル者ノ」ニ改ム
同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
帝国農会ノ評議員ハ議員中ヨリ其ノ三分ノ二、特別議員中ヨリ其ノ三分ノ一ヲ選挙スヘシ
幹事ハ会長之ヲ命ス
第二十七条中「認ムルトキハ」ノ下ニ「帝国農会」ヲ加フ
第三十条中「代表者」ヲ「議員」ニ改ム
第三十七条中「地方長官、」ノ下ニ「帝国農会」ヲ加フ
第三十七条ノ二 本令中郡農会ニ関スル規定ハ島農会ニ、市農会ニ関スル規定ハ北海道又ハ沖縄県ノ区農会ニ、町村農会ニ関スル規定ハ町村組合又ハ町村ニ準スヘキ地ノ農会ニ之ヲ準用ス
本令ニ依リ郡長ノ行フヘキ職務ハ伊豆七島中島司ヲ置カサル島嶼ニ在リテハ東京府知事、北海道ニ在リテハ支庁長、島司ヲ置キタル島嶼ニ在リテハ島司之ヲ行フ
附 則
本令ハ明治四十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
既設農会ニシテ其ノ会則本令ニ適合セサルモノハ本令施行後一年内ニ会則ノ変更ヲ為スヘシ
現ニ市町村農会及郡農会ノ代表者又ハ副代表者タル者ハ其ノ代表スル農会ヨリ選挙セラレタル議員又ハ予備議員ト看做ス但シ其ノ任期ハ代表者又ハ副代表者トシテノ残任期間トス