(酒精造石税徴収猶予及免除ニ関スル法律)
法令番号: 法律第6号
公布年月日: 明治43年3月25日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

現行法では、内地でアルコールを製造する場合は租税の徴収猶予が認められていないのに対し、台湾では律令により徴収猶予が認められている。そのため、台湾産のアルコールは税を納めずに内地で工業用として使用できる一方、内地産は一旦税を納めて後に還付を受ける必要があり、資金面で不利な立場に置かれている。このように同じ日本の事業者間で課税の取扱いに差があることは、競争上の不公平を生じさせているため、内地においても酒精及び酒精飲料に対する徴収猶予の規定を設け、台湾と同様の取扱いとすることで、公平な競争環境を整備することを目的としている。

参照した発言:
第26回帝国議会 衆議院 所得税法中改正法律案外四件委員会 第2号

審議経過

第26回帝国議会

衆議院
(明治43年1月22日)
(明治43年2月12日)
貴族院
(明治43年2月16日)
(明治43年3月4日)
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル酒精造石稅徵收猶豫及免除ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年三月二十四日
內閣總理大臣兼大藏大臣 侯爵 桂太郞
法律第六號
第一條 酒精及酒精含有飮料稅法ニ依リ納付スヘキ酒精ノ造石稅ハ其ノ稅額ニ相當スル擔保ヲ提供シタルトキハ三月以內其ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
前項ニ依リ造石稅ノ徵收ヲ猶豫セラレタル者猶豫期間內ニ稅金ヲ納付セサルトキハ擔保ヲ以テ稅金ニ充ツ但シ金錢以外ノ擔保物ハ之ヲ公賣ニ付シ公賣ノ費用及稅金ニ充テ不足アルトキハ之ヲ追徵シ殘金アルトキハ之ヲ還付ス
擔保ニ關スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 造石稅ノ徵收ヲ猶豫セラレタル酒精ヲ其ノ猶豫期間內ニ工業用酒精酒類其ノ他酒精含有飮料戾稅法ノ規定スル所ニ從ヒ工業用ニ使用又ハ供給シタルトキハ其ノ石數ニ相當スル酒精ニ付テハ造石稅ヲ免除ス
第三條 前條ニ依リ造石稅ノ免除ヲ請求セムトスル者ハ申請書ニ其ノ酒精カ造石稅ノ徵收猶豫ヲ受ケタルモノナルコトヲ證スヘキ書類竝工業用ニ使用又ハ供給シタルコトヲ證スヘキ書類ヲ添附スルコトヲ要ス
第四條 詐僞其ノ他不正ノ所爲ヲ以テ造石稅ノ免除ヲ得又ハ得ムトシタル者ハ其ノ造石稅五倍ニ相當スル罰金ニ處ス但シ三十圓ヲ下ルコトヲ得ス
第五條 間接國稅犯則者處分法及明治三十三年法律第五十二號ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタル者ニ之ヲ準用ス
附 則
本法ハ明治四十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル酒精造石税徴収猶予及免除ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年三月二十四日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 侯爵 桂太郎
法律第六号
第一条 酒精及酒精含有飲料税法ニ依リ納付スヘキ酒精ノ造石税ハ其ノ税額ニ相当スル担保ヲ提供シタルトキハ三月以内其ノ徴収ヲ猶予スルコトヲ得
前項ニ依リ造石税ノ徴収ヲ猶予セラレタル者猶予期間内ニ税金ヲ納付セサルトキハ担保ヲ以テ税金ニ充ツ但シ金銭以外ノ担保物ハ之ヲ公売ニ付シ公売ノ費用及税金ニ充テ不足アルトキハ之ヲ追徴シ残金アルトキハ之ヲ還付ス
担保ニ関スル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 造石税ノ徴収ヲ猶予セラレタル酒精ヲ其ノ猶予期間内ニ工業用酒精酒類其ノ他酒精含有飲料戻税法ノ規定スル所ニ従ヒ工業用ニ使用又ハ供給シタルトキハ其ノ石数ニ相当スル酒精ニ付テハ造石税ヲ免除ス
第三条 前条ニ依リ造石税ノ免除ヲ請求セムトスル者ハ申請書ニ其ノ酒精カ造石税ノ徴収猶予ヲ受ケタルモノナルコトヲ証スヘキ書類並工業用ニ使用又ハ供給シタルコトヲ証スヘキ書類ヲ添附スルコトヲ要ス
第四条 詐偽其ノ他不正ノ所為ヲ以テ造石税ノ免除ヲ得又ハ得ムトシタル者ハ其ノ造石税五倍ニ相当スル罰金ニ処ス但シ三十円ヲ下ルコトヲ得ス
第五条 間接国税犯則者処分法及明治三十三年法律第五十二号ハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シタル者ニ之ヲ準用ス
附 則
本法ハ明治四十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス