(陸軍服役条例中改正ノ件)
法令番号: 勅令第百十四號
公布年月日: 明治42年4月27日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ陸軍服役條例中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十二年四月二十六日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
陸軍大臣 子爵 寺內正毅
勅令第百十四號
陸軍服役條例中左ノ通改正ス
第九條第三項中「欲スル者ハ」ノ下ニ「目的及國名ヲ記シ且」ヲ加フ
第十四條中「樂長」ヲ「一二等樂長」ニ改ム
第三十條第二項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
外國ニ旅行又ハ在留セムト欲スル者ハ目的及國名ヲ記シ且其ノ期限ヲ豫定シ陸軍大臣ニ願出ツヘシ
前項ニ依リ許可ヲ受ケタル者出發セムトスルトキ及歸朝シタルトキハ第一項ニ準シ屆出ツヘシ
第四十一條中「樂長補」ノ下ニ「上等計手上等看護長」ヲ加フ
第四十六條中「砲工兵上等工長」ノ下ニ「上等計手上等看護長」ヲ加フ
第四十八條第二項ヲ左ノ如ク改ム
豫備役後備役ノ下士ヨリ憲兵特務曹長砲工兵上等工長上等計手上等看護長及樂長補ニ進級シタル者ノ服役年期ハ豫備役ニ在リテハ現役定限年齡ニ滿ツル年ノ三月三十一日迄トシ後備役ニ在リテハ現役定限年齡ニ滿ツル年ヨリ第六年目ノ三月三十一日迄トス
第五十三條ニ左ノ一項ヲ加フ
隊附ニ非サル現役下士ト雖必要ニ應シ營內ニ居住セシムルコトヲ得
第五十四條第一項第二號中「及衞生部下士」ヲ「縫工長靴工長及衞生部下士」ニ、第四號中「經理部下士」ヲ「計手」ニ、第六號中「及豫備役上等兵又ハ看護手」ヲ「竝歸休中又ハ豫備役ニ在ル上等兵及之ト同等階級ノ兵卒」ニ改ム
第五十七條 前條ニ依リ再服役ノ許可ヲ受ケタル者ニシテ軍紀ヲ紊リ又ハ其ノ他ノ事故ニ依リ現役ニ服セシムヘカラスト認ムルトキハ聯隊長又ハ之ト同等以上ノ權アル長官其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第六十六條及第七十五條ノ三中「步騎砲工輜重兵科ニ在テハ當該兵科ノ一等卒ト爲シ憲兵科及各部ニ在テハ」ヲ「步騎砲工輜重兵科及經理部衞生部下士計手ヲ除クニ在リテハ當該兵科部ノ一等卒又ハ之ト同等階級ノ兵卒ト爲シ憲兵科軍樂部下士及計手ニ在リテハ」ニ改ム
第七十條ノ二中「一箇年」ヲ「二箇年」ニ改ム
第九十四條及第九十九條中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第九十六條第一項ヲ左ノ如ク改ム
輜重輸卒ノ現役期限ハ二年四箇月トシ三箇月在營ノ後歸休セシム
第百條 騎砲工輜重兵科ノ兵卒輸卒ヲ除ク及縫工卒、靴工卒ニシテ下士タルノ技能ヲ有スル者ハ一箇年再服役ヲ志願スルコトヲ得但シ下士任官前砲兵工科學校又ハ獸醫學校ニ分遣ヲ要スル者ニ在リテハ二箇年トス
步兵科兵卒及看護卒ニシテ下士タルノ技能ヲ有スル者ハ現役トシテ二箇年在營ノ延期ヲ志願スルコトヲ得
第一項第二項ノ許可ヲ得タル者ニシテ補充上ノ關係ニ依リ下士ニ任スヘキ見込ナキトキハ願ニ依リ許可ヲ取消スコトアルヘシ
憲兵上等兵及樂手補ハ現役定限年齡ニ滿ツル迄數次再服役ヲ爲スコトヲ得其ノ再服役年期ハ一箇年以上トス
前諸項ノ取扱ニ關シテハ第五十八條及第五十九條ノ規定ヲ準用ス
第百四條ノ二 第百條第一項又ハ第二項ニ依リ再服役又ハ在營延期ノ許可ヲ受ケタル者ニシテ軍紀ヲ紊リ又ハ其ノ他ノ事故ニ依リ下士タルヲ得ヘカラスト認ムルトキハ聯隊長又ハ之ト同等以上ノ權アル長官其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第百七條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ看護卒ニシテ看護卒第一期ノ敎育ヲ卒ラサル者ハ前兵科ノ兵卒ト爲シ豫備役ニ編入スルモノトス
第百八條中「上等兵、看護手及樂手補」ヲ「上等兵又ハ之ト同等階級ノ兵卒」ニ、「步騎砲工輜重兵科ニ在テハ當該兵科ノ一等卒ト爲シ憲兵上等兵、看護手及樂手補ニ在テハ」ヲ「步騎砲工輜重兵科經理部衞生部ノ者ニ在リテハ當該兵科部ノ一等卒又ハ之ト同等階級ノ兵卒ト爲シ憲兵上等兵及樂手補ニ在リテハ」ニ改ム
第百十條第一項中「乃至第百五條」ヲ「乃至第百四條及第百五條」ニ改メ「若ハ再服役ノ許可ヲ取消シ」ヲ削ル
第百十三條ノ二 歸休中ノ上等兵及之ト同等階級ノ兵卒ニシテ在營中下士勤務ニ服シタル者及下士適任證書ヲ有スル者ハ現役下士ヲ志願スルコトヲ得其ノ出願及取扱ハ第七十條ノ三ニ準ス
前項ニ依リ現役ニ服シタルトキハ十四日以內ニ市町村長ニ屆出ツヘシ
第百十八條第一項中但書ヲ削ル
第百二十八條ノ二 豫備役上等兵及之ト同等階級ノ兵卒ニシテ現役中下士勤務ニ服シタル者及下士適任證書ヲ有スル者ハ現役滿期後二箇年以內歸休ヲ命セラレ豫備役ニ入リタル者ニ在リテハ一箇年以內ニ於テ現役下士ヲ志願スルコトヲ得其ノ出願及取扱ハ第七十條ノ三ニ準ス
前項ニ依リ現役ニ服シタルトキハ十四日以內ニ市町村長ニ屆出ツヘシ
第百三十三條ノ三中「上等兵、看護手及樂手補」ヲ「上等兵又ハ之ト同等階級ノ兵卒」ニ、「步騎砲工輜重兵科ニ在テハ當該兵科ノ一等卒ト爲シ憲兵、看護手及樂手補ニ在テハ」ヲ「步騎砲工輜重兵科經理部衞生部ノ者ニ在リテハ當該兵科部ノ一等卒又ハ之ト同等階級ノ兵卒ト爲シ憲兵上等兵及樂手補ニ在リテハ」ニ改ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ陸軍服役条例中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十二年四月二十六日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
陸軍大臣 子爵 寺内正毅
勅令第百十四号
陸軍服役条例中左ノ通改正ス
第九条第三項中「欲スル者ハ」ノ下ニ「目的及国名ヲ記シ且」ヲ加フ
第十四条中「楽長」ヲ「一二等楽長」ニ改ム
第三十条第二項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
外国ニ旅行又ハ在留セムト欲スル者ハ目的及国名ヲ記シ且其ノ期限ヲ予定シ陸軍大臣ニ願出ツヘシ
前項ニ依リ許可ヲ受ケタル者出発セムトスルトキ及帰朝シタルトキハ第一項ニ準シ届出ツヘシ
第四十一条中「楽長補」ノ下ニ「上等計手上等看護長」ヲ加フ
第四十六条中「砲工兵上等工長」ノ下ニ「上等計手上等看護長」ヲ加フ
第四十八条第二項ヲ左ノ如ク改ム
予備役後備役ノ下士ヨリ憲兵特務曹長砲工兵上等工長上等計手上等看護長及楽長補ニ進級シタル者ノ服役年期ハ予備役ニ在リテハ現役定限年齢ニ満ツル年ノ三月三十一日迄トシ後備役ニ在リテハ現役定限年齢ニ満ツル年ヨリ第六年目ノ三月三十一日迄トス
第五十三条ニ左ノ一項ヲ加フ
隊附ニ非サル現役下士ト雖必要ニ応シ営内ニ居住セシムルコトヲ得
第五十四条第一項第二号中「及衛生部下士」ヲ「縫工長靴工長及衛生部下士」ニ、第四号中「経理部下士」ヲ「計手」ニ、第六号中「及予備役上等兵又ハ看護手」ヲ「並帰休中又ハ予備役ニ在ル上等兵及之ト同等階級ノ兵卒」ニ改ム
第五十七条 前条ニ依リ再服役ノ許可ヲ受ケタル者ニシテ軍紀ヲ紊リ又ハ其ノ他ノ事故ニ依リ現役ニ服セシムヘカラスト認ムルトキハ連隊長又ハ之ト同等以上ノ権アル長官其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第六十六条及第七十五条ノ三中「歩騎砲工輜重兵科ニ在テハ当該兵科ノ一等卒ト為シ憲兵科及各部ニ在テハ」ヲ「歩騎砲工輜重兵科及経理部衛生部下士計手ヲ除クニ在リテハ当該兵科部ノ一等卒又ハ之ト同等階級ノ兵卒ト為シ憲兵科軍楽部下士及計手ニ在リテハ」ニ改ム
第七十条ノ二中「一箇年」ヲ「二箇年」ニ改ム
第九十四条及第九十九条中「看護手」ヲ「上等看護卒」ニ改ム
第九十六条第一項ヲ左ノ如ク改ム
輜重輸卒ノ現役期限ハ二年四箇月トシ三箇月在営ノ後帰休セシム
第百条 騎砲工輜重兵科ノ兵卒輸卒ヲ除ク及縫工卒、靴工卒ニシテ下士タルノ技能ヲ有スル者ハ一箇年再服役ヲ志願スルコトヲ得但シ下士任官前砲兵工科学校又ハ獣医学校ニ分遣ヲ要スル者ニ在リテハ二箇年トス
歩兵科兵卒及看護卒ニシテ下士タルノ技能ヲ有スル者ハ現役トシテ二箇年在営ノ延期ヲ志願スルコトヲ得
第一項第二項ノ許可ヲ得タル者ニシテ補充上ノ関係ニ依リ下士ニ任スヘキ見込ナキトキハ願ニ依リ許可ヲ取消スコトアルヘシ
憲兵上等兵及楽手補ハ現役定限年齢ニ満ツル迄数次再服役ヲ為スコトヲ得其ノ再服役年期ハ一箇年以上トス
前諸項ノ取扱ニ関シテハ第五十八条及第五十九条ノ規定ヲ準用ス
第百四条ノ二 第百条第一項又ハ第二項ニ依リ再服役又ハ在営延期ノ許可ヲ受ケタル者ニシテ軍紀ヲ紊リ又ハ其ノ他ノ事故ニ依リ下士タルヲ得ヘカラスト認ムルトキハ連隊長又ハ之ト同等以上ノ権アル長官其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第百七条第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ看護卒ニシテ看護卒第一期ノ教育ヲ卒ラサル者ハ前兵科ノ兵卒ト為シ予備役ニ編入スルモノトス
第百八条中「上等兵、看護手及楽手補」ヲ「上等兵又ハ之ト同等階級ノ兵卒」ニ、「歩騎砲工輜重兵科ニ在テハ当該兵科ノ一等卒ト為シ憲兵上等兵、看護手及楽手補ニ在テハ」ヲ「歩騎砲工輜重兵科経理部衛生部ノ者ニ在リテハ当該兵科部ノ一等卒又ハ之ト同等階級ノ兵卒ト為シ憲兵上等兵及楽手補ニ在リテハ」ニ改ム
第百十条第一項中「乃至第百五条」ヲ「乃至第百四条及第百五条」ニ改メ「若ハ再服役ノ許可ヲ取消シ」ヲ削ル
第百十三条ノ二 帰休中ノ上等兵及之ト同等階級ノ兵卒ニシテ在営中下士勤務ニ服シタル者及下士適任証書ヲ有スル者ハ現役下士ヲ志願スルコトヲ得其ノ出願及取扱ハ第七十条ノ三ニ準ス
前項ニ依リ現役ニ服シタルトキハ十四日以内ニ市町村長ニ届出ツヘシ
第百十八条第一項中但書ヲ削ル
第百二十八条ノ二 予備役上等兵及之ト同等階級ノ兵卒ニシテ現役中下士勤務ニ服シタル者及下士適任証書ヲ有スル者ハ現役満期後二箇年以内帰休ヲ命セラレ予備役ニ入リタル者ニ在リテハ一箇年以内ニ於テ現役下士ヲ志願スルコトヲ得其ノ出願及取扱ハ第七十条ノ三ニ準ス
前項ニ依リ現役ニ服シタルトキハ十四日以内ニ市町村長ニ届出ツヘシ
第百三十三条ノ三中「上等兵、看護手及楽手補」ヲ「上等兵又ハ之ト同等階級ノ兵卒」ニ、「歩騎砲工輜重兵科ニ在テハ当該兵科ノ一等卒ト為シ憲兵、看護手及楽手補ニ在テハ」ヲ「歩騎砲工輜重兵科経理部衛生部ノ者ニ在リテハ当該兵科部ノ一等卒又ハ之ト同等階級ノ兵卒ト為シ憲兵上等兵及楽手補ニ在リテハ」ニ改ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス