日本勧業銀行法の改正案は、従来20円であった勧業債券の最低発行額を10円に引き下げることを主な内容としている。これは日露戦争中に施行された貯蓄勧業債券法(5円債券の発行が可能)が期限切れとなったことを受けての措置である。同法による5円債券は2000万円の発行高に達し、その半額を公債募集に、残り半額を地方の農工銀行等への融資に充てるなど、十分な効果があった。戦後も産業の発展に伴い、労働者層への資金分散が予想されることから、それらの資金を吸収するため、より少額の債券発行を可能とする必要があると判断したものである。
参照した発言:
第23回帝国議会 貴族院 本会議 第12号