(日本興業銀行法中改正法律)
法令番号: 法律第二號
公布年月日: 明治39年2月13日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル日本興業銀行法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年二月十二日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
大藏大臣 法學博士 阪谷芳郞
法律第二號
日本興業銀行法中左ノ通改正ス
第二條中「一千萬圓」ヲ「一千七百五十萬圓」ニ改ム
第三條中「百圓」ヲ「五十圓」ニ改ム
第五條中「總裁」ヲ「總裁副總裁各」ニ改ム
第六條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
總裁ハ日本興業銀行ヲ代表シ其ノ事務ヲ總理ス
副總裁ハ總裁事故アルトキ其ノ職務ヲ代理シ總裁闕員ノトキ其ノ職務ヲ行フ
副總裁及理事ハ總裁ヲ補助シ定款ノ定ムル所ニ從ヒ日本興業銀行ノ業務ヲ分掌ス
第七條中「總裁」ヲ「總裁及副總裁」、「百株」ヲ「二百株」、「五十株」ヲ「百株」、「三十株」ヲ「六十株」ニ改ム
第八條、第二十七條及第二十八條中「總裁」ヲ「總裁、副總裁」ニ改ム
附 則
本法ハ發布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
日本興業銀行ハ本法施行ノ日ヨリ三箇月以內ニ左ノ手續ヲ爲スヘシ
一 本法施行ノ際ニ於ケル株式十萬箇ヲ二十萬箇トシ其ノ半數ハ拂込濟ノモノ、他ノ半數ハ拂込未濟ノモノトシ本法施行ノ際ニ於ケル株主ノ持株ニ比例シテ分配スヘシ
二 前號ノ拂込未濟ノ株式ニ對シテハ遲滯ナク株金額四分ノ一ヲ下ラサル拂込ヲ爲サシムヘシ此ノ場合ニ於テハ商法中株式會社ニ於ケル資本增加ノ場合ニ關スル規定ヲ準用ス
三 株式十五萬箇ヲ增加シ遲滯ナク株金全額ノ拂込ヲ爲サシムヘシ此ノ場合ニ於テハ商法第二百十七條第二項及第二百十八條第一項ノ規定ニ依ラサルコトヲ得
四 前各號ニ關シ必要ナル登記ハ第二號及第三號ニ付商法第二百十三條ノ規定ニ依リテ招集シタル株主總會終結ノ日ヨリ二週間內ニ之ヲ申請スヘシ此ノ場合ニ於テハ株式ノ引受アリタルコトヲ證スル書面ヲ以テ非訟事件手續法第百八十九條第一號及第二號ノ書類ニ代フルコトヲ得
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル日本興業銀行法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年二月十二日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
大蔵大臣 法学博士 阪谷芳郎
法律第二号
日本興業銀行法中左ノ通改正ス
第二条中「一千万円」ヲ「一千七百五十万円」ニ改ム
第三条中「百円」ヲ「五十円」ニ改ム
第五条中「総裁」ヲ「総裁副総裁各」ニ改ム
第六条第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
総裁ハ日本興業銀行ヲ代表シ其ノ事務ヲ総理ス
副総裁ハ総裁事故アルトキ其ノ職務ヲ代理シ総裁闕員ノトキ其ノ職務ヲ行フ
副総裁及理事ハ総裁ヲ補助シ定款ノ定ムル所ニ従ヒ日本興業銀行ノ業務ヲ分掌ス
第七条中「総裁」ヲ「総裁及副総裁」、「百株」ヲ「二百株」、「五十株」ヲ「百株」、「三十株」ヲ「六十株」ニ改ム
第八条、第二十七条及第二十八条中「総裁」ヲ「総裁、副総裁」ニ改ム
附 則
本法ハ発布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
日本興業銀行ハ本法施行ノ日ヨリ三箇月以内ニ左ノ手続ヲ為スヘシ
一 本法施行ノ際ニ於ケル株式十万箇ヲ二十万箇トシ其ノ半数ハ払込済ノモノ、他ノ半数ハ払込未済ノモノトシ本法施行ノ際ニ於ケル株主ノ持株ニ比例シテ分配スヘシ
二 前号ノ払込未済ノ株式ニ対シテハ遅滞ナク株金額四分ノ一ヲ下ラサル払込ヲ為サシムヘシ此ノ場合ニ於テハ商法中株式会社ニ於ケル資本増加ノ場合ニ関スル規定ヲ準用ス
三 株式十五万箇ヲ増加シ遅滞ナク株金全額ノ払込ヲ為サシムヘシ此ノ場合ニ於テハ商法第二百十七条第二項及第二百十八条第一項ノ規定ニ依ラサルコトヲ得
四 前各号ニ関シ必要ナル登記ハ第二号及第三号ニ付商法第二百十三条ノ規定ニ依リテ招集シタル株主総会終結ノ日ヨリ二週間内ニ之ヲ申請スヘシ此ノ場合ニ於テハ株式ノ引受アリタルコトヲ証スル書面ヲ以テ非訟事件手続法第百八十九条第一号及第二号ノ書類ニ代フルコトヲ得