俘虜の逃走に関する国際法の原則では、本国への忠誠から逃走を企てることは罪として問うべきではないとされている。しかし、ブリュッセル宣言や1899年のハーグ条約では、俘虜の不柔順な行動に対して厳重な懲罰を科すことが認められており、場合によっては射殺も可能とされている。このため、6月以上5年以下の軽禁錮という刑罰規定を設けることは国際法に反しないと考える。また、俘虜が普通刑法に違反した場合の処罰規定が必要であり、各国の例も参考に、陸海軍刑法以外の法令違反についても規定を設けることとした。その他の部分は政府の緊急勅令案および他の提案とほぼ同じ内容である。
参照した発言:
第21回帝国議会 衆議院 本会議 第10号