(所得税法中改正法律)
法令番号: 法律第三十四號
公布年月日: 明治38年3月1日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル所得稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十八年二月二十八日
內閣總理大臣 伯爵 桂太郞
大藏大臣 男爵 曾禰荒助
法律第三十四號
所得稅法中左ノ通改正ス
第二條中「營業又ハ職業」ヲ「又ハ營業」ニ改ム
第十一條 各稅務署所轄內ニ所得調査委員會ヲ置ク但シ稅務署所轄內ニ在ル市又ハ北海道ノ區ニ付テハ命令ヲ以テ特ニ調査委員會ヲ置クコトヲ得
調査委員ノ定數ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム但シ定數ノ增減ハ改選期ニ於テスルノ外之ヲ爲スコトヲ得ス
第十三條 調査委員ノ選擧區域ハ調査委員會ヲ置クヘキ區域ニ依リ調査委員選擧人ノ選擧區域ハ市町村及北海道ノ區ノ區域ニ依ル但シ東京市、京都市及大阪市ニ在リテハ區ノ區域ニ依ル
第十四條及第十五條中「第八條ノ申吿ヲ爲シタル者」ヲ「前年所得稅ヲ納メタル者ニシテ第八條ノ申吿ヲ爲シタル者」ニ改ム
第十八條ニ左ノ二項ヲ加フ
選擧人ハ自ラ投票所ニ到リ投票スヘシ但シ郵便ヲ以テ投票ヲ送付スルコトヲ得
郵便ヲ以テ投票ヲ送付スル場合ニ於テ投票時間ノ終了スルマテニ到達セサリシ投票ハ無效トス
第二十四條ニ左ノ二項ヲ加フ
調査委員ノ定數ヲ增加シタル場合ニ於テ新ニ選擧セラルヘキ調査委員ノ任期ヲ定ムル必要アルトキハ稅務署長之ヲ定メ選擧期日ト共ニ之ヲ公示ス
調査委員ノ定數ヲ減少シタル場合ニ於テ退任者ヲ定ムル必要アルトキ又ハ前項ニ依リ調査委員ヲ增加シタル場合ニ於テ各調査委員ノ任期ヲ定ムル必要アルトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
第二十五條 調査委員會ノ開會日數ハ三十日以內トシ地方ノ情況ニ依リ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十條 八月三十日マテニ調査委員會成立セサルトキハ政府其ノ所得金額ヲ決定ス
調査委員會開會ノ日ヨリ第二十五條ノ期間以內ニ又ハ八月三十日マテニ調査結了セサルトキハ所得金額調査未濟ノモノニ限リ政府其ノ所得金額ヲ決定ス
第三十一條中「十五日」ヲ「七日」ニ改ム
第三十四條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第三十四條ノ二 稅務署長又ハ其ノ代理官ハ調査上必要アルトキハ納稅義務者又ハ納稅義務アリト認ムル者ニ金錢又ハ物品ヲ支拂フノ義務ヲ有スト認ムル者ニ對シ其ノ金額、數量、價額又ハ支拂期日ニ付質問スルコトヲ得
第四十二條第三項ヲ左ノ如ク改ム
第三種ノ所得ニ付テハ所得稅ノ年額ヲ四分シ左ノ四期ニ於テ之ヲ徵收ス但シ納稅者納稅管理人ヲ定メスシテ帝國外ニ住所若ハ居所ヲ移ストキハ其ノ際直ニ其ノ所得稅ヲ徵收スルコトヲ得
第一期 其ノ年九月一日ヨリ三十日限
第二期 其ノ年十一月一日ヨリ三十日限
第三期 翌年一月一日ヨリ三十一日限
第四期 翌年三月一日ヨリ三十一日限
第四十四條第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ住所地以外ニ在ル納稅者ハ申吿シテ居所地ニ於テ所得稅ヲ納ムルコトヲ得
附 則
本法ハ明治三十八年分所得稅ヨリ之ヲ適用ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル所得税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十八年二月二十八日
内閣総理大臣 伯爵 桂太郎
大蔵大臣 男爵 曽祢荒助
法律第三十四号
所得税法中左ノ通改正ス
第二条中「営業又ハ職業」ヲ「又ハ営業」ニ改ム
第十一条 各税務署所轄内ニ所得調査委員会ヲ置ク但シ税務署所轄内ニ在ル市又ハ北海道ノ区ニ付テハ命令ヲ以テ特ニ調査委員会ヲ置クコトヲ得
調査委員ノ定数ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム但シ定数ノ増減ハ改選期ニ於テスルノ外之ヲ為スコトヲ得ス
第十三条 調査委員ノ選挙区域ハ調査委員会ヲ置クヘキ区域ニ依リ調査委員選挙人ノ選挙区域ハ市町村及北海道ノ区ノ区域ニ依ル但シ東京市、京都市及大阪市ニ在リテハ区ノ区域ニ依ル
第十四条及第十五条中「第八条ノ申告ヲ為シタル者」ヲ「前年所得税ヲ納メタル者ニシテ第八条ノ申告ヲ為シタル者」ニ改ム
第十八条ニ左ノ二項ヲ加フ
選挙人ハ自ラ投票所ニ到リ投票スヘシ但シ郵便ヲ以テ投票ヲ送付スルコトヲ得
郵便ヲ以テ投票ヲ送付スル場合ニ於テ投票時間ノ終了スルマテニ到達セサリシ投票ハ無効トス
第二十四条ニ左ノ二項ヲ加フ
調査委員ノ定数ヲ増加シタル場合ニ於テ新ニ選挙セラルヘキ調査委員ノ任期ヲ定ムル必要アルトキハ税務署長之ヲ定メ選挙期日ト共ニ之ヲ公示ス
調査委員ノ定数ヲ減少シタル場合ニ於テ退任者ヲ定ムル必要アルトキ又ハ前項ニ依リ調査委員ヲ増加シタル場合ニ於テ各調査委員ノ任期ヲ定ムル必要アルトキハ抽籤ヲ以テ之ヲ定ム
第二十五条 調査委員会ノ開会日数ハ三十日以内トシ地方ノ情況ニ依リ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第三十条 八月三十日マテニ調査委員会成立セサルトキハ政府其ノ所得金額ヲ決定ス
調査委員会開会ノ日ヨリ第二十五条ノ期間以内ニ又ハ八月三十日マテニ調査結了セサルトキハ所得金額調査未済ノモノニ限リ政府其ノ所得金額ヲ決定ス
第三十一条中「十五日」ヲ「七日」ニ改ム
第三十四条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第三十四条ノ二 税務署長又ハ其ノ代理官ハ調査上必要アルトキハ納税義務者又ハ納税義務アリト認ムル者ニ金銭又ハ物品ヲ支払フノ義務ヲ有スト認ムル者ニ対シ其ノ金額、数量、価額又ハ支払期日ニ付質問スルコトヲ得
第四十二条第三項ヲ左ノ如ク改ム
第三種ノ所得ニ付テハ所得税ノ年額ヲ四分シ左ノ四期ニ於テ之ヲ徴収ス但シ納税者納税管理人ヲ定メスシテ帝国外ニ住所若ハ居所ヲ移ストキハ其ノ際直ニ其ノ所得税ヲ徴収スルコトヲ得
第一期 其ノ年九月一日ヨリ三十日限
第二期 其ノ年十一月一日ヨリ三十日限
第三期 翌年一月一日ヨリ三十一日限
第四期 翌年三月一日ヨリ三十一日限
第四十四条第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ住所地以外ニ在ル納税者ハ申告シテ居所地ニ於テ所得税ヲ納ムルコトヲ得
附 則
本法ハ明治三十八年分所得税ヨリ之ヲ適用ス