(陸軍戦時給与規則中改正加除ノ件)
法令番号: 勅令第十四號
公布年月日: 明治37年2月1日
法令の形式: 勅令
朕陸軍戰時給與規則中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十七年一月二十九日
陸軍大臣 寺內正毅
勅令第十四號
陸軍戰時給與規則中左ノ通改正ス
第四條 削除
第五條中「短期下士ノ給料ハ長期下士ノ給料ニ」ヲ削ル
第六條 戰地ニ出發ノ者ハ其ノ出發ノ日ヨリ歸著ノ日又ハ給與停止ノ前日マテ准仕官以上軍屬及前條士官ノ勤務ニ服スル者ニハ俸給五分ノ二、下士以下ニハ給料四分ノ二ヲ增給ス
戰地ニ在ル者ハ戰地トナリタル日ヨリ給與停止ノ前日マテ前項ニ依ル
出戰又ハ戰備ノ姿勢ヲ完成シタルモノハ其ノ完成ノ日ヨリ戰地ニ出發ノ前日、戰地トナリタル日ノ前日又ハ給與停止ノ前日マテ第一項ノ區分ニ依リ俸給ハ五分ノ一、給料ハ四分ノ一ヲ增給ス
臨戰合圍地境ニ出發ノ者ハ其ノ出發ノ日ヨリ歸著ノ日又ハ給與停止ノ前日マテ、臨戰合圍地境ニ在ル者ハ戒嚴布吿若ハ宣吿ノ日ヨリ戰地トナリタル日ノ前日又ハ戒嚴解止ノ日マテ前項ニ依ル
敵ノ俘虜トナリ又ハ生死不明トナリタル者ハ其ノ間本條ノ增給ヲ停止ス
第七條 准士官以上營外居住ノ下士以下及軍屬ニシテ前條第一項、第二項及第四項ノ增給ヲ受クル者ニハ手當トシテ一囘限リ別表ノ金額ヲ給ス但第七條ノ二ニ依リ手當金ヲ受ケタル者ニ在テハ其ノ金額ヲ控除ス
第七條ノ二 豫備後備ノ軍籍ニ在ル准士官以上ニシテ召集ニ應シ就職スル者ニハ一囘限リ手當トシテ別表手當金ノ半額ヲ給ス
第八條第一項中「第一項及第二項」ヲ「第一項、第二項及第四項」ニ改メ第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
軍人軍屬ニシテ第一項ノ外糧食給與ノ必要アルトキハ現品又ハ代金ヲ適宜給與スルコトヲ得
第九條 營內居住下士以下ニハ動員ノ日ヨリ復員ノ日マテ營外居住下士以下及傭人ニハ第六條第一項、第二項及第四項ノ增給ヲ受クル期間所要ノ被服ヲ給與又ハ貸與ス此ノ場合ニ於テハ平時交付スヘキ被服ノ現品及金額ノ定額ハ其ノ支給ヲ停止ス其ノ方法ハ陸軍大臣之ヲ定ム
軍人軍屬ニハ必要ニ應シ特種ノ被服ヲ給與シ若クハ貸與スルコトヲ得軍人軍屬外ニシテ戰役ニ從事スル者ニ在テモ亦同シ
第十五條 戰時若ハ事變ニ際シ特別ノ任務ヲ受ケ外國ニ出張スル者ニハ戰地ニ出發スル者ニ準シ給與ヲナスコトヲ得
(別表)
手當金
名稱
金額
名稱
金額
大將
親任官
五百圓
大尉、同相當官
高等文官六等
七十圓
中將、同相當官
高等文官一等
三百三十圓
中、少尉、同相當官、准士官
高等文官七等以下
五十圓
少將、同相當官
高等文官二等
二百六十圓
曹長、同相當官
二十五圓
大佐、同相當官
高等文官三等
百九十圓
軍曹、同相當官
二十圓
中佐、同相當官
高等文官四等
百四十圓
伍長、同相當官
憲兵上等兵
樂手補
十五圓
少佐、同相當官
高等文官五等
百圓
判任文官 一級乃至三級
五十圓
同 四級及五級
四十圓
同四十圓以下三十五圓ヲ超ユル者
三十五圓
同 六級
三十五圓
同三十五圓以下三十圓ヲ超ユル者
三十圓
同 七級
三十圓
同三十圓以下
二十五圓
同 八級以下
二十五圓
傭人
十圓
雇員月額四十圓ヲ超ユル者
四十圓
備考
奏任官待遇ノ者ハ高等官七等以下ノ給額ニ同シ
朕陸軍戦時給与規則中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十七年一月二十九日
陸軍大臣 寺内正毅
勅令第十四号
陸軍戦時給与規則中左ノ通改正ス
第四条 削除
第五条中「短期下士ノ給料ハ長期下士ノ給料ニ」ヲ削ル
第六条 戦地ニ出発ノ者ハ其ノ出発ノ日ヨリ帰著ノ日又ハ給与停止ノ前日マテ准仕官以上軍属及前条士官ノ勤務ニ服スル者ニハ俸給五分ノ二、下士以下ニハ給料四分ノ二ヲ増給ス
戦地ニ在ル者ハ戦地トナリタル日ヨリ給与停止ノ前日マテ前項ニ依ル
出戦又ハ戦備ノ姿勢ヲ完成シタルモノハ其ノ完成ノ日ヨリ戦地ニ出発ノ前日、戦地トナリタル日ノ前日又ハ給与停止ノ前日マテ第一項ノ区分ニ依リ俸給ハ五分ノ一、給料ハ四分ノ一ヲ増給ス
臨戦合囲地境ニ出発ノ者ハ其ノ出発ノ日ヨリ帰著ノ日又ハ給与停止ノ前日マテ、臨戦合囲地境ニ在ル者ハ戒厳布告若ハ宣告ノ日ヨリ戦地トナリタル日ノ前日又ハ戒厳解止ノ日マテ前項ニ依ル
敵ノ俘虜トナリ又ハ生死不明トナリタル者ハ其ノ間本条ノ増給ヲ停止ス
第七条 准士官以上営外居住ノ下士以下及軍属ニシテ前条第一項、第二項及第四項ノ増給ヲ受クル者ニハ手当トシテ一回限リ別表ノ金額ヲ給ス但第七条ノ二ニ依リ手当金ヲ受ケタル者ニ在テハ其ノ金額ヲ控除ス
第七条ノ二 予備後備ノ軍籍ニ在ル准士官以上ニシテ召集ニ応シ就職スル者ニハ一回限リ手当トシテ別表手当金ノ半額ヲ給ス
第八条第一項中「第一項及第二項」ヲ「第一項、第二項及第四項」ニ改メ第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
軍人軍属ニシテ第一項ノ外糧食給与ノ必要アルトキハ現品又ハ代金ヲ適宜給与スルコトヲ得
第九条 営内居住下士以下ニハ動員ノ日ヨリ復員ノ日マテ営外居住下士以下及傭人ニハ第六条第一項、第二項及第四項ノ増給ヲ受クル期間所要ノ被服ヲ給与又ハ貸与ス此ノ場合ニ於テハ平時交付スヘキ被服ノ現品及金額ノ定額ハ其ノ支給ヲ停止ス其ノ方法ハ陸軍大臣之ヲ定ム
軍人軍属ニハ必要ニ応シ特種ノ被服ヲ給与シ若クハ貸与スルコトヲ得軍人軍属外ニシテ戦役ニ従事スル者ニ在テモ亦同シ
第十五条 戦時若ハ事変ニ際シ特別ノ任務ヲ受ケ外国ニ出張スル者ニハ戦地ニ出発スル者ニ準シ給与ヲナスコトヲ得
(別表)
手当金
名称
金額
名称
金額
大将
親任官
五百円
大尉、同相当官
高等文官六等
七十円
中将、同相当官
高等文官一等
三百三十円
中、少尉、同相当官、准士官
高等文官七等以下
五十円
少将、同相当官
高等文官二等
二百六十円
曹長、同相当官
二十五円
大佐、同相当官
高等文官三等
百九十円
軍曹、同相当官
二十円
中佐、同相当官
高等文官四等
百四十円
伍長、同相当官
憲兵上等兵
楽手補
十五円
少佐、同相当官
高等文官五等
百円
判任文官 一級乃至三級
五十円
同 四級及五級
四十円
同四十円以下三十五円ヲ超ユル者
三十五円
同 六級
三十五円
同三十五円以下三十円ヲ超ユル者
三十円
同 七級
三十円
同三十円以下
二十五円
同 八級以下
二十五円
傭人
十円
雇員月額四十円ヲ超ユル者
四十円
備考
奏任官待遇ノ者ハ高等官七等以下ノ給額ニ同シ