(徴兵事務条例中改正加除ノ件)
法令番号: 勅令第三十四號
公布年月日: 明治35年2月15日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ徵兵事務條例中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十五年二月十四日
海軍大臣 山本權兵衞
陸軍大臣 男爵 兒玉源太郞
內務大臣 男爵 內海忠勝
勅令第三十四號
徵兵事務條例中左ノ通改正ス
第三條第一項中「又ハ」ヲ削リ「北海道ニ在テハ區」ノ下ニ「又ハ一島廳ノ管轄區域」ヲ加ヘ同條第三項ヲ削ル
第十六條第一項中「警備隊書記」ノ下ニ「一名若ハ」第二項中「聯隊區書記」ノ下ニ「一名若ハ」ヲ加ヘ第一項第二項中「若クハ三名」ヲ「乃至四名」ニ改ム
第二十一條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第二十一條ノ二 假決處分ヲ受ケタル者ニシテ引續キ七箇年間所在不明ナルトキハ其ノ所在分明トナルトキ徵集ニ關スル手續ヲ爲スヘシ
第二十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
町村長ハ前項ノ檢査ニ列席シ徵兵官ノ諮詢ニ應スヘシ
第二十八條第二項中「徵兵官及徵兵參事員」ノ下ニ「町村長」ヲ加フ
第三十二條中「海兵團長」ヲ「鎭守府兵事官」ニ改ム
第三十四條中「師團長ニ差出シ」ノ上ニ「十一月十日迄ニ」ヲ「陸軍大臣ニ差出シ」ノ上ニ「十一月三十日迄ニ」ヲ加フ
第四十條中「師管徵兵官ニ於テ下級徵兵官ノ裁決」ヲ「師管徵兵官ハ下級徵兵官ノ處分違法又ハ」ニ改メ「認ムルトキ又其ノ裁決詐僞若ハ錯誤ニ起因シタルモノナリト」ヲ削ル
第四十六條中「翌年一月三十一日前ニ」ヲ削リ「服役ニ堪ヘ難キ者アルトキハ」ノ下ニ「徵募年ノ翌年一月三十一日迄ニ」ヲ加ヘ「入營スヘキ月ノ十日迄ニ」ヲ削リ「事故ヲ生シタル者アルトキハ」ノ下ニ「入營スヘキ月ノ十日迄ニ」ヲ加ヘ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
看護卒ニシテ前項ノ事故ヲ生シタル者アルトキハ入營スヘキ月ノ十日迄ニ其ノ徵募區同兵種ノ第一補充兵ヲ以テ抽籤番號ノ順序ニ從ヒ補充ス
第五十條第一項ヲ左ノ如ク改ム
現役兵入營前及補充兵寄留若クハ十四日以上ノ旅行ヲ爲サントスルトキハ召集ノ命アルトキ之ヲ通報スヘキ者ヲ定メ市町村ニ在リテハ市町村長東京市、京都市、大阪市ニ在リテハ區長ニ屆出ツヘシ其ノ復歸シタルトキ亦屆出ツヘシ
第五十一條中「海兵團」ヲ「鎭守府」ニ改ム
第五十三條 他ノ徵募區ニ寄留シ其ノ地ニ於テ身體檢査ヲ受ケンコトヲ冀望スル者ハ寄留地ノ島司郡市長東京市、京都市、大阪市ニ在リテハ區長以下同シニ願出テ且其ノ由ヲ本籍ノ市町村長ニ屆出ツヘシ更ニ寄留換ヲ爲シ其ノ地ニ於テ身體檢査ヲ受ケントスル者亦同シ此ノ場合ニ於テハ前寄留地ノ島司郡市長ニモ屆出ツヘシ
前項ノ願出期日ハ本籍地及寄留地徵募區ノ檢査開始前三十日迄ニ限ルモノトス
島司郡市長其ノ願ヲ許可シタルトキハ直ニ之ヲ本籍地ノ島司郡市長ニ通知スヘシ
寄留地徵募區ノ身體檢査ニ於テ合格シタル者ハ該徵募區ノ壯丁ト混同シテ抽籤ヲ行フモノトス
第一項ノ屆出ヲ爲ササル者ハ五錢以上一圓九十五錢以下ノ科料ニ處ス
第五十四條分註中ノ「抽籤」ヲ「身體檢査前」ニ改ム
第五十八條 疾病傷痍或ハ犯罪等ノ爲若ハ志願兵出願者ニシテ其ノ檢査ノ爲徵兵檢査ヲ受ケ難キ者ハ書面ヲ以テ檢査當日迄ニ島司郡市長ニ屆出ツヘシ其ノ疾病傷痍ノ者ハ醫師ノ診斷書ヲ添フヘシ
志願兵出願者ニシテ本條ノ屆出ヲ爲シタル者ニ對シテハ第五十三條第四項ノ例ニ依リ便宜ノ徵兵署ニ於テ身體檢査及抽籤ヲ行フヘシ
島司郡長ニ差出ス屆書ニハ町村長ノ奧書證印ヲ受クヘキモノトス
本條ノ屆出ヲ爲ササル者ハ五錢以上一圓九十五錢以下ノ科料ニ處ス
第六十二條ニ左ノ一項ヲ加フ
島嶼ヨリ徵集ノ現役兵入營後闕員ヲ生シ第四十六條ニ依リ徵募年ノ翌年一月三十一日迄ニ同徵募區ノ第一補充兵又ハ海軍補充兵ヲ以テ補充シ難キトキハ該聯隊區內他ノ徵募區ヨリ之ヲ補充スルコトヲ得其ノ配賦ハ各徵募區補充兵ノ總數ヲ率トシ比例ヲ以テ之ヲ定ム
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ徴兵事務条例中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十五年二月十四日
海軍大臣 山本権兵衛
陸軍大臣 男爵 児玉源太郎
内務大臣 男爵 内海忠勝
勅令第三十四号
徴兵事務条例中左ノ通改正ス
第三条第一項中「又ハ」ヲ削リ「北海道ニ在テハ区」ノ下ニ「又ハ一島庁ノ管轄区域」ヲ加ヘ同条第三項ヲ削ル
第十六条第一項中「警備隊書記」ノ下ニ「一名若ハ」第二項中「連隊区書記」ノ下ニ「一名若ハ」ヲ加ヘ第一項第二項中「若クハ三名」ヲ「乃至四名」ニ改ム
第二十一条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第二十一条ノ二 仮決処分ヲ受ケタル者ニシテ引続キ七箇年間所在不明ナルトキハ其ノ所在分明トナルトキ徴集ニ関スル手続ヲ為スヘシ
第二十四条ニ左ノ一項ヲ加フ
町村長ハ前項ノ検査ニ列席シ徴兵官ノ諮詢ニ応スヘシ
第二十八条第二項中「徴兵官及徴兵参事員」ノ下ニ「町村長」ヲ加フ
第三十二条中「海兵団長」ヲ「鎮守府兵事官」ニ改ム
第三十四条中「師団長ニ差出シ」ノ上ニ「十一月十日迄ニ」ヲ「陸軍大臣ニ差出シ」ノ上ニ「十一月三十日迄ニ」ヲ加フ
第四十条中「師管徴兵官ニ於テ下級徴兵官ノ裁決」ヲ「師管徴兵官ハ下級徴兵官ノ処分違法又ハ」ニ改メ「認ムルトキ又其ノ裁決詐偽若ハ錯誤ニ起因シタルモノナリト」ヲ削ル
第四十六条中「翌年一月三十一日前ニ」ヲ削リ「服役ニ堪ヘ難キ者アルトキハ」ノ下ニ「徴募年ノ翌年一月三十一日迄ニ」ヲ加ヘ「入営スヘキ月ノ十日迄ニ」ヲ削リ「事故ヲ生シタル者アルトキハ」ノ下ニ「入営スヘキ月ノ十日迄ニ」ヲ加ヘ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
看護卒ニシテ前項ノ事故ヲ生シタル者アルトキハ入営スヘキ月ノ十日迄ニ其ノ徴募区同兵種ノ第一補充兵ヲ以テ抽籤番号ノ順序ニ従ヒ補充ス
第五十条第一項ヲ左ノ如ク改ム
現役兵入営前及補充兵寄留若クハ十四日以上ノ旅行ヲ為サントスルトキハ召集ノ命アルトキ之ヲ通報スヘキ者ヲ定メ市町村ニ在リテハ市町村長東京市、京都市、大阪市ニ在リテハ区長ニ届出ツヘシ其ノ復帰シタルトキ亦届出ツヘシ
第五十一条中「海兵団」ヲ「鎮守府」ニ改ム
第五十三条 他ノ徴募区ニ寄留シ其ノ地ニ於テ身体検査ヲ受ケンコトヲ冀望スル者ハ寄留地ノ島司郡市長東京市、京都市、大阪市ニ在リテハ区長以下同シニ願出テ且其ノ由ヲ本籍ノ市町村長ニ届出ツヘシ更ニ寄留換ヲ為シ其ノ地ニ於テ身体検査ヲ受ケントスル者亦同シ此ノ場合ニ於テハ前寄留地ノ島司郡市長ニモ届出ツヘシ
前項ノ願出期日ハ本籍地及寄留地徴募区ノ検査開始前三十日迄ニ限ルモノトス
島司郡市長其ノ願ヲ許可シタルトキハ直ニ之ヲ本籍地ノ島司郡市長ニ通知スヘシ
寄留地徴募区ノ身体検査ニ於テ合格シタル者ハ該徴募区ノ壮丁ト混同シテ抽籤ヲ行フモノトス
第一項ノ届出ヲ為ササル者ハ五銭以上一円九十五銭以下ノ科料ニ処ス
第五十四条分註中ノ「抽籤」ヲ「身体検査前」ニ改ム
第五十八条 疾病傷痍或ハ犯罪等ノ為若ハ志願兵出願者ニシテ其ノ検査ノ為徴兵検査ヲ受ケ難キ者ハ書面ヲ以テ検査当日迄ニ島司郡市長ニ届出ツヘシ其ノ疾病傷痍ノ者ハ医師ノ診断書ヲ添フヘシ
志願兵出願者ニシテ本条ノ届出ヲ為シタル者ニ対シテハ第五十三条第四項ノ例ニ依リ便宜ノ徴兵署ニ於テ身体検査及抽籤ヲ行フヘシ
島司郡長ニ差出ス届書ニハ町村長ノ奥書証印ヲ受クヘキモノトス
本条ノ届出ヲ為ササル者ハ五銭以上一円九十五銭以下ノ科料ニ処ス
第六十二条ニ左ノ一項ヲ加フ
島嶼ヨリ徴集ノ現役兵入営後闕員ヲ生シ第四十六条ニ依リ徴募年ノ翌年一月三十一日迄ニ同徴募区ノ第一補充兵又ハ海軍補充兵ヲ以テ補充シ難キトキハ該連隊区内他ノ徴募区ヨリ之ヲ補充スルコトヲ得其ノ配賦ハ各徴募区補充兵ノ総数ヲ率トシ比例ヲ以テ之ヲ定ム