(海軍糧食条例中改正追加ノ件)
法令番号: 勅令第百八十二號
公布年月日: 明治34年9月27日
法令の形式: 勅令
朕海軍糧食條例中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年九月二十六日
海軍大臣 山本權兵衞
勅令第百八十二號
海軍糧食條例中左ノ通改正ス
第一條 艦船ニ在ル准士官以上候補生及文官ニハ別表ニ依リ食卓金ヲ給ス但シ糧食ヲ給與スルトキハ其ノ間食卓金ヲ給セス
營舍學校練習所及監獄ニ在ル准士官以上及候補生、學校練習所及病院ニ宿直スル准士官以上及候補生竝艦船營舍學校練習所病院及監獄ニ在ル生徒下士卒及軍屬ニハ糧食ヲ給與ス
左ニ揭クル場合ニ於テハ糧食ヲ給與スルコトヲ得
一 第一項ニ依リ食卓金ノ支給ヲ受クヘキ者ニ糧食ヲ給與スル必要アルトキ
二 公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リタル准士官以上候補生軍屬及職工人夫ヲ入院セシムルトキ
三 海軍官衙ニ於テ軍人軍屬ヲ拘禁若ハ護送スルトキ
四 犯罪ノ常人ヲ拘禁若ハ護送スルトキ
五 演習ノ際職工人夫其ノ他ノ者ニ特ニ糧食給與ノ必要アリト海軍大臣ニ於テ認メタルトキ
六 軍港內難破船救助ノ場合ニ於テ糧食給與ノ必要アルトキ
七 難破船乘組ノ者若ハ漂流人ヲ救助スルトキ
八 局外中立ノ際交戰國ノ軍務ニ從事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
九 外國ニ於ケル戰亂又ハ事變ニ際シ帝國臣民若ハ外國人ヲ艦船ニ於テ保護スルトキ
第五條中「ヲ現金ニ換ヘ給與」ヲ「ニ應シ食料ヲ給」ニ改ム
第六條中「現金ヲ給與」ヲ「食料ヲ給」ニ、同條第一號中「艦船營內」ヲ「營舍練習所」ニ改メ「文官」ヲ削ル
第七條中「許可シタル者」ノ下ニ「事業ノ爲艦船ニ乘組マシメ軍港外ニ出張ヲ命シタル者」ヲ加フ
第八條中「金額」ヲ「食料」ニ改メ左ノ但書ヲ加フ
但シ第五條及第六條第四號ニ依リ驅逐艦水雷艇乘員ニ給スヘキ食料ニ限リ平均價格ノ三割增以內ニ於テ別ニ之ヲ定ムルコトヲ得
第八條ノ二 食卓金及食料ハ航海ニ際シテハ其ノ豫定日數以內其ノ他ノ場合ニ於テハ一箇月以內ニ於テ前金渡スルコトヲ得
附 則
本令ハ明治三十四年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
(別表)
食卓金日額表
內國額
外國額
將官室
艦隊職員
六十錢
八十錢
艦長室
艦長
五十錢
七十錢
士官室
大中少佐大尉及同相當官高等文官三等乃至六等
四十錢
六十錢
士官次室
中少尉同相當官及候補生高等文官七等以下試補
三十錢
五十錢
准士官室
兵曹長同相當官及准士官判任文官
二十五錢
四十五錢
一 淸國韓國亞細亞洲露領沿岸ハ內國額ヲ給ス
二 上官職務心得ヲ命セラレ其ノ上官ノ室ニ在ルトキハ其ノ上官室ノ額ヲ給ス
三 演習ノ場合ニ於テ特ニ乘組ヲ命セラレタル指揮官及幕僚ハ指揮官將官ナルトキハ將官室其ノ他ニハ艦長室ノ額ヲ給ス
四 將官室ナキ軍艦旗艦タル間ハ艦長室ヲ將官室ト看做ス但シ此ノ場合ニ於テ旗艦艦長ニハ將官室ノ額ヲ給ス
五 艦長室士官次室ノ設ナキ艦船ニ在リテハ士官室ノ額ヲ給ス
六 官用船舶乘組ノ上長官士官候補生及高等文官竝試補ニハ士官室、兵曹長同相當官准士官及判任文官ニハ准士官室ノ額ヲ給ス
七 候補生初期練習中ハ准士官室ノ額ヲ給ス
朕海軍糧食条例中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十四年九月二十六日
海軍大臣 山本権兵衛
勅令第百八十二号
海軍糧食条例中左ノ通改正ス
第一条 艦船ニ在ル准士官以上候補生及文官ニハ別表ニ依リ食卓金ヲ給ス但シ糧食ヲ給与スルトキハ其ノ間食卓金ヲ給セス
営舎学校練習所及監獄ニ在ル准士官以上及候補生、学校練習所及病院ニ宿直スル准士官以上及候補生並艦船営舎学校練習所病院及監獄ニ在ル生徒下士卒及軍属ニハ糧食ヲ給与ス
左ニ掲クル場合ニ於テハ糧食ヲ給与スルコトヲ得
一 第一項ニ依リ食卓金ノ支給ヲ受クヘキ者ニ糧食ヲ給与スル必要アルトキ
二 公務ニ原因シ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リタル准士官以上候補生軍属及職工人夫ヲ入院セシムルトキ
三 海軍官衙ニ於テ軍人軍属ヲ拘禁若ハ護送スルトキ
四 犯罪ノ常人ヲ拘禁若ハ護送スルトキ
五 演習ノ際職工人夫其ノ他ノ者ニ特ニ糧食給与ノ必要アリト海軍大臣ニ於テ認メタルトキ
六 軍港内難破船救助ノ場合ニ於テ糧食給与ノ必要アルトキ
七 難破船乗組ノ者若ハ漂流人ヲ救助スルトキ
八 局外中立ノ際交戦国ノ軍務ニ従事スル者ニシテ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リタル者其ノ他避難者ヲ艦船ニ於テ救護スルトキ
九 外国ニ於ケル戦乱又ハ事変ニ際シ帝国臣民若ハ外国人ヲ艦船ニ於テ保護スルトキ
第五条中「ヲ現金ニ換ヘ給与」ヲ「ニ応シ食料ヲ給」ニ改ム
第六条中「現金ヲ給与」ヲ「食料ヲ給」ニ、同条第一号中「艦船営内」ヲ「営舎練習所」ニ改メ「文官」ヲ削ル
第七条中「許可シタル者」ノ下ニ「事業ノ為艦船ニ乗組マシメ軍港外ニ出張ヲ命シタル者」ヲ加フ
第八条中「金額」ヲ「食料」ニ改メ左ノ但書ヲ加フ
但シ第五条及第六条第四号ニ依リ駆逐艦水雷艇乗員ニ給スヘキ食料ニ限リ平均価格ノ三割増以内ニ於テ別ニ之ヲ定ムルコトヲ得
第八条ノ二 食卓金及食料ハ航海ニ際シテハ其ノ予定日数以内其ノ他ノ場合ニ於テハ一箇月以内ニ於テ前金渡スルコトヲ得
附 則
本令ハ明治三十四年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
(別表)
食卓金日額表
内国額
外国額
将官室
艦隊職員
六十銭
八十銭
艦長室
艦長
五十銭
七十銭
士官室
大中少佐大尉及同相当官高等文官三等乃至六等
四十銭
六十銭
士官次室
中少尉同相当官及候補生高等文官七等以下試補
三十銭
五十銭
准士官室
兵曹長同相当官及准士官判任文官
二十五銭
四十五銭
一 清国韓国亜細亜洲露領沿岸ハ内国額ヲ給ス
二 上官職務心得ヲ命セラレ其ノ上官ノ室ニ在ルトキハ其ノ上官室ノ額ヲ給ス
三 演習ノ場合ニ於テ特ニ乗組ヲ命セラレタル指揮官及幕僚ハ指揮官将官ナルトキハ将官室其ノ他ニハ艦長室ノ額ヲ給ス
四 将官室ナキ軍艦旗艦タル間ハ艦長室ヲ将官室ト看做ス但シ此ノ場合ニ於テ旗艦艦長ニハ将官室ノ額ヲ給ス
五 艦長室士官次室ノ設ナキ艦船ニ在リテハ士官室ノ額ヲ給ス
六 官用船舶乗組ノ上長官士官候補生及高等文官並試補ニハ士官室、兵曹長同相当官准士官及判任文官ニハ准士官室ノ額ヲ給ス
七 候補生初期練習中ハ准士官室ノ額ヲ給ス