外国船舶検査規則
法令番号: 勅令第四百十四號
公布年月日: 明治33年12月28日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ外國船舶檢査規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年十二月二十七日
遞信大臣 原敬
勅令第四百十四號
外國船舶檢査規則
第一條 船舶檢査法第十七條第三號ニ揭ケタル外國船舶ノ檢査ハ日本ノ港ニ於テ移住民若ハ三等旅客百人以上又ハ移住民及三等旅客百人以上ヲ搭載シテ近海航路外ノ港ニ運送セムトスルモノニ限リ之ヲ行フ
移住民トハ移民保護法第一條ニ該當スル者ヲ謂ヒ三等旅客トハ一室ニ八人以上雜居スル者ヲ謂フ
第二條 船舶檢査法第十七條第一號及第二號ニ揭ケタル外國船舶ノ檢査ハ船舶ヲ航行ノ用ニ供セムトスルトキ、船舶ノ航行期間滿了ノトキ又ハ航行期間內特ニ必要アルトキ之ヲ行フ
第三條 第一條ニ揭ケタル外國船舶ノ檢査ハ船舶カ日本ノ最後ノ港ヲ發航セムトスルトキ之ヲ行フ
第四條 船舶檢査法第一條、第四條乃至第九條、第十二條及第十八條ノ規定ハ船舶檢査法第十七條第一號及第二號ニ揭ケタル外國船舶ノ檢査ニ之ヲ準用ス
第五條 船舶檢査法第五條、第六條、第八條、第九條及第十二條ノ規定ハ船舶檢査法第十七條第三號ニ揭ケタル外國船舶ノ檢査ニ之ヲ準用ス
第六條 外國船舶ノ積量ハ其ノ所屬國政府ノ交付シタル船舶國籍證書又ハ船舶檢査證書ニ記載シタル積量ニ依ル若船舶國籍證書又ハ船舶檢査證書ヲ受有セサルトキハ船舶積量測度規則ニ依リ之ヲ測度ス
第七條 遞信大臣ノ特ニ定ムル場合ヲ除クノ外船舶檢査證書若ハ假證書ヲ受有セスシテ外國船舶ヲ航行ノ用ニ供シ、船舶檢査證書若ハ假證書ニ記載スル船舶ノ航路定限、航行期間若ハ汽壓制限ヲ超エテ航行シ又ハ檢査官吏ノ臨視ヲ拒ミ又ハ航行停止ノ命ニ違背シ又ハ屬具ノ整備ヲ爲サス又ハ移住民若ハ三等旅客ニ對スル設備ヲ爲サスシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シタルトキハ船長ヲ二十圓以上二百圓以下ノ罰金ニ處ス
詐僞ノ所爲ヲ以テ船舶檢査證書若ハ假證書ヲ受ケタル者ノ罰亦前項ニ同シ
船舶檢査證書若ハ假證書ニ旅客定員ノ記載ナキ船舶ニ旅客ヲ搭載シ又ハ該證書ニ記載シタル旅客定員ヲ超エテ旅客ヲ搭載シタルトキハ船長ヲ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第八條 前條ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法數罪俱發ノ例ヲ用井ス
前條第二項ノ罰則ハ商事會社ニ在テハ其ノ所爲ヲ爲シタル業務擔當ノ任アル社員、取締役若ハ使用人ニ之ヲ適用ス
前條第一項及第三項ノ罰則ハ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ニモ之ヲ適用ス
附 則
第九條 本令ハ明治三十四年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十條 本令施行ノ際日本臣民ニ於テ借入中ノ外國船舶ニシテ明治三十年五月遞信省令第六號船舶檢査法施行細則ノ規定ニ依リテ受有スル船舶檢査證書、假證書、囘航認可證書及別種旅客室檢査證書ハ本令ノ爲其ノ效力ヲ妨ケラルルコトナシ
第十一條 本令施行前ヨリ日本ノ湖川港內ノミヲ航行スル外國船舶ハ本令施行ノ日ヨリ三箇月以內ニ漸次檢査ヲ受クル迄ハ船舶檢査證書ヲ受有セスシテ之ヲ航行ノ用ニ供スルコトヲ得
第十二條 船舶檢査法第十七條第三號ニ揭ケタル外國船舶ニシテ本令施行後三箇月以內ニ日本ノ港ヲ發航スルモノニハ本令ノ規定ヲ適用セス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ外国船舶検査規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年十二月二十七日
逓信大臣 原敬
勅令第四百十四号
外国船舶検査規則
第一条 船舶検査法第十七条第三号ニ掲ケタル外国船舶ノ検査ハ日本ノ港ニ於テ移住民若ハ三等旅客百人以上又ハ移住民及三等旅客百人以上ヲ搭載シテ近海航路外ノ港ニ運送セムトスルモノニ限リ之ヲ行フ
移住民トハ移民保護法第一条ニ該当スル者ヲ謂ヒ三等旅客トハ一室ニ八人以上雑居スル者ヲ謂フ
第二条 船舶検査法第十七条第一号及第二号ニ掲ケタル外国船舶ノ検査ハ船舶ヲ航行ノ用ニ供セムトスルトキ、船舶ノ航行期間満了ノトキ又ハ航行期間内特ニ必要アルトキ之ヲ行フ
第三条 第一条ニ掲ケタル外国船舶ノ検査ハ船舶カ日本ノ最後ノ港ヲ発航セムトスルトキ之ヲ行フ
第四条 船舶検査法第一条、第四条乃至第九条、第十二条及第十八条ノ規定ハ船舶検査法第十七条第一号及第二号ニ掲ケタル外国船舶ノ検査ニ之ヲ準用ス
第五条 船舶検査法第五条、第六条、第八条、第九条及第十二条ノ規定ハ船舶検査法第十七条第三号ニ掲ケタル外国船舶ノ検査ニ之ヲ準用ス
第六条 外国船舶ノ積量ハ其ノ所属国政府ノ交付シタル船舶国籍証書又ハ船舶検査証書ニ記載シタル積量ニ依ル若船舶国籍証書又ハ船舶検査証書ヲ受有セサルトキハ船舶積量測度規則ニ依リ之ヲ測度ス
第七条 逓信大臣ノ特ニ定ムル場合ヲ除クノ外船舶検査証書若ハ仮証書ヲ受有セスシテ外国船舶ヲ航行ノ用ニ供シ、船舶検査証書若ハ仮証書ニ記載スル船舶ノ航路定限、航行期間若ハ汽圧制限ヲ超エテ航行シ又ハ検査官吏ノ臨視ヲ拒ミ又ハ航行停止ノ命ニ違背シ又ハ属具ノ整備ヲ為サス又ハ移住民若ハ三等旅客ニ対スル設備ヲ為サスシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シタルトキハ船長ヲ二十円以上二百円以下ノ罰金ニ処ス
詐偽ノ所為ヲ以テ船舶検査証書若ハ仮証書ヲ受ケタル者ノ罰亦前項ニ同シ
船舶検査証書若ハ仮証書ニ旅客定員ノ記載ナキ船舶ニ旅客ヲ搭載シ又ハ該証書ニ記載シタル旅客定員ヲ超エテ旅客ヲ搭載シタルトキハ船長ヲ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第八条 前条ノ罪ヲ犯シタル者ニハ刑法数罪俱発ノ例ヲ用井ス
前条第二項ノ罰則ハ商事会社ニ在テハ其ノ所為ヲ為シタル業務担当ノ任アル社員、取締役若ハ使用人ニ之ヲ適用ス
前条第一項及第三項ノ罰則ハ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ニモ之ヲ適用ス
附 則
第九条 本令ハ明治三十四年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十条 本令施行ノ際日本臣民ニ於テ借入中ノ外国船舶ニシテ明治三十年五月逓信省令第六号船舶検査法施行細則ノ規定ニ依リテ受有スル船舶検査証書、仮証書、回航認可証書及別種旅客室検査証書ハ本令ノ為其ノ効力ヲ妨ケラルルコトナシ
第十一条 本令施行前ヨリ日本ノ湖川港内ノミヲ航行スル外国船舶ハ本令施行ノ日ヨリ三箇月以内ニ漸次検査ヲ受クル迄ハ船舶検査証書ヲ受有セスシテ之ヲ航行ノ用ニ供スルコトヲ得
第十二条 船舶検査法第十七条第三号ニ掲ケタル外国船舶ニシテ本令施行後三箇月以内ニ日本ノ港ヲ発航スルモノニハ本令ノ規定ヲ適用セス