(船舶検査法中改正法律)
法令番号: 法律第五十三號
公布年月日: 明治33年3月13日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル船舶檢査法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月十二日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
遞信大臣 子爵 芳川顯正
法律第五十三號
船舶檢査法中左ノ通改正ス
第一條 日本船舶ハ左ニ記載スルモノヲ除クノ外此ノ法律ノ規程ニ依リ檢査ヲ受クヘシ
一 總噸數二十噸未滿又ハ積石數二百石未滿ノ帆船
二 端舟其ノ他櫓櫂ノミヲ以テ運轉シ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運轉スル舟
三 倉庫船、繫留船
四 平水航路ノミヲ航行スル帆船
第二條 削除
第三條ニ左ノ一項ヲ加フ
日本ノ國籍ヲ取得スル目的ヲ以テ日本ニ於テ製造スル船舶ノ所有者ハ其ノ製造中ト雖一部ノ檢査ヲ申請スルコトヲ得
第五條 船舶ノ檢査ハ其ノ所在地ヲ管轄スル管海官廳之ヲ行フ
遞信大臣ハ必要ト認ムル場合ニ限リ前項ノ規定ニ依ラス特ニ檢査官吏ヲ指定シテ船舶ノ檢査ヲ行ハシムルコトヲ得
第十條 遞信大臣ノ特ニ定ムル場合ヲ除クノ外船舶檢査證書若ハ假證書ヲ受有セスシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シ又ハ船舶檢査證書若ハ假證書ニ記載スル船舶ノ航路定限、航行期間若ハ汽壓制限ヲ超エテ航行シ又ハ檢査官吏ノ臨視ヲ拒ミ若ハ航行停止ノ命ニ違背シ又ハ屬具ノ整備ヲ爲サスシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シタルトキハ船長ヲ三十圓以上三百圓以下ノ罰金ニ處ス
詐僞ノ所爲ヲ以テ船舶檢査證書若ハ假證書ヲ受ケタル者ノ罰亦前項ニ同シ
船舶檢査證書若ハ假證書ニ旅客定員ノ記載ナキ船舶ニ旅客ヲ搭載シ又ハ該證書ニ記載シタル旅客定員ヲ超エテ旅客ヲ搭載シタルトキハ船長ヲ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十一條第二項中「前條」ノ下ニ「第二項」ヲ加ヘ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前條第一項及第三項ノ罰則ハ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ニモ之ヲ適用ス
第十六條中「百五十石以上」ヲ「二百石以上」ニ改ム
第十七條 左ニ揭クル船舶ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ檢査ヲ執行ス
一 日本臣民ニ於テ借入レ日本各港ノ間又ハ日本ト外國トノ間ニ使用スル外國船舶
二 日本ノ沿岸又ハ湖川港內ノミヲ航行スル外國船舶
三 日本各港ニ於テ旅客又ハ移住民ヲ搭載スル外國船舶
第十七條ノ次ニ左ノ一條ヲ加フ
第十八條 地方長官ハ第一條各號ニ揭ケタル船舶ノ檢査ニ關シ遞信大臣ノ認可ヲ受ケ必要ナル規程ヲ設クルコトヲ得
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル船舶検査法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月十二日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
逓信大臣 子爵 芳川顕正
法律第五十三号
船舶検査法中左ノ通改正ス
第一条 日本船舶ハ左ニ記載スルモノヲ除クノ外此ノ法律ノ規程ニ依リ検査ヲ受クヘシ
一 総噸数二十噸未満又ハ積石数二百石未満ノ帆船
二 端舟其ノ他櫓櫂ノミヲ以テ運転シ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運転スル舟
三 倉庫船、繋留船
四 平水航路ノミヲ航行スル帆船
第二条 削除
第三条ニ左ノ一項ヲ加フ
日本ノ国籍ヲ取得スル目的ヲ以テ日本ニ於テ製造スル船舶ノ所有者ハ其ノ製造中ト雖一部ノ検査ヲ申請スルコトヲ得
第五条 船舶ノ検査ハ其ノ所在地ヲ管轄スル管海官庁之ヲ行フ
逓信大臣ハ必要ト認ムル場合ニ限リ前項ノ規定ニ依ラス特ニ検査官吏ヲ指定シテ船舶ノ検査ヲ行ハシムルコトヲ得
第十条 逓信大臣ノ特ニ定ムル場合ヲ除クノ外船舶検査証書若ハ仮証書ヲ受有セスシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シ又ハ船舶検査証書若ハ仮証書ニ記載スル船舶ノ航路定限、航行期間若ハ汽圧制限ヲ超エテ航行シ又ハ検査官吏ノ臨視ヲ拒ミ若ハ航行停止ノ命ニ違背シ又ハ属具ノ整備ヲ為サスシテ船舶ヲ航行ノ用ニ供シタルトキハ船長ヲ三十円以上三百円以下ノ罰金ニ処ス
詐偽ノ所為ヲ以テ船舶検査証書若ハ仮証書ヲ受ケタル者ノ罰亦前項ニ同シ
船舶検査証書若ハ仮証書ニ旅客定員ノ記載ナキ船舶ニ旅客ヲ搭載シ又ハ該証書ニ記載シタル旅客定員ヲ超エテ旅客ヲ搭載シタルトキハ船長ヲ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第十一条第二項中「前条」ノ下ニ「第二項」ヲ加ヘ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前条第一項及第三項ノ罰則ハ船長ニ代リテ其ノ職務ヲ行フ者ニモ之ヲ適用ス
第十六条中「百五十石以上」ヲ「二百石以上」ニ改ム
第十七条 左ニ掲クル船舶ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ検査ヲ執行ス
一 日本臣民ニ於テ借入レ日本各港ノ間又ハ日本ト外国トノ間ニ使用スル外国船舶
二 日本ノ沿岸又ハ湖川港内ノミヲ航行スル外国船舶
三 日本各港ニ於テ旅客又ハ移住民ヲ搭載スル外国船舶
第十七条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ
第十八条 地方長官ハ第一条各号ニ掲ケタル船舶ノ検査ニ関シ逓信大臣ノ認可ヲ受ケ必要ナル規程ヲ設クルコトヲ得
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム