第十四條 會計檢査院長ハ會計檢査院部長及檢査官ニシテ懲戒ニ該ルヘキ所爲アリト認ムルトキハ懲戒裁判所檢察官ニ通吿スヘシ
檢察官ハ事件ノ通吿ヲ受ケタルトキ又ハ職權ヲ以テ懲戒裁判開始ノ申立ヲ爲スヘシ
第十五條 懲戒裁判所ハ檢察官ノ申立ニ因リ又ハ其ノ職權ヲ以テ懲戒裁判ヲ開始スヘキヤ否ヲ決定ス但シ職權ヲ以テスル場合ニ於テハ檢察官ノ意見ヲ徵スヘシ
第十六條 懲戒裁判開始シタルトキハ被吿ハ其ノ裁判終結ニ至ル迄職務ニ就クコトヲ得ス
第十七條 開始決定ニハ懲戒スヘキ所爲及證據ヲ開示スヘシ
第十九條 懲戒裁判所ハ直ニ口頭辯論ノ期日ヲ定メ又ハ下調ニ付スルノ決定ヲ爲スヘシ
第二十條 懲戒裁判所下調ニ付スルノ決定ヲ爲シタルトキハ裁判長ハ裁判官ニ其ノ下調ヲ命スヘシ
受命裁判官ハ證人訊問其ノ他證據集取ヲ區裁判所ノ判事ニ囑託スルコトヲ得
受命裁判官又ハ受託判事ハ證據集取ニ付刑事訴訟ニ於ケル豫審判事ト同一ノ權ヲ有ス但シ受命裁判官ハ罰金ヲ言渡シ又ハ勾引狀ヲ發スルコトヲ得ス
第二十一條 被吿下調ニ關シ呼出ヲ受ケタルトキハ代理人ヲシテ代理セシムルコトヲ得但シ受命裁判官又ハ受託判事ニ於テ本人ノ出頭ヲ必要トスルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十二條 受命裁判官下調ヲ終リタルトキハ調書其ノ他一切ノ證據ヲ懲戒裁判所ニ差出スヘシ
受託判事ハ囑託ヲ受ケタル職務ヲ終リタルトキハ調書其ノ他一切ノ書類ヲ受命裁判官ニ送致スヘシ
第二十三條 懲戒裁判所下調ヲ充分ナリト認ムルトキハ檢察官ノ意見ヲ徵シ口頭辯論ノ期日ヲ定メ又ハ免訴ノ決定ヲ爲スヘシ
懲戒裁判所口頭辯論ノ期日ヲ定メタルトキハ之ヲ檢察官ニ通知シ被吿ヲ呼出スヘシ
裁判長ハ先ツ被吿ヲ審問シ次テ證據調ヲ爲シ檢察官及被吿ヲシテ辯論ヲ爲サシメ被吿ニ最終ノ發言ヲ許スヘシ
第二十六條 懲戒裁判所ハ被吿ノ申立ニ因リ書面審理ヲ爲スコトヲ得
懲戒裁判所ハ書面審理ヲ許シタル場合ト雖被吿ヲシテ口頭辯論ヲ爲サシムルコトヲ得
第二十七條 懲戒裁判所ハ被吿若ハ檢察官ノ申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ更ニ證據ヲ提出セシムルコトヲ適當ナリトスルトキハ之カ爲證人ノ召喚其ノ他必要ナル命令ヲ發シ且口頭辯論ヲ延期スルコトヲ得但シ第二十條第四項但書ハ本條ニ亦之ヲ準用ス
第二十八條 懲戒裁判所ニ於テ書面審理ニ基キ判決ヲ爲ス場合ニ在リテハ其ノ判決前事件ニ關スル書類ヲ檢察官ニ送致シ其ノ意見ヲ徵スヘシ
第二十九條 懲戒裁判所ハ事件ノ辯論旣ニ充分ナリトスルトキハ之ヲ終結シ直ニ判決シテ之ヲ言渡スヘシ
被吿辯論期日ニ出頭セスト雖直ニ判決ヲ爲シ之ヲ言渡スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ判決ヲ被吿ニ送達スヘシ
前二項ニ依リ直ニ判決スルコト能ハサルトキハ七日以內ニ判決ヲ爲シ之ヲ檢察官及被吿ニ送達スヘシ
書面審理ニ基キ判決ヲ爲シタルトキハ之ヲ檢察官及被吿ニ送達スヘシ
第三十條 裁判長裁判官ノ忌避、囘避、證據集取ノ手續、調書ノ調製及書類ノ送達ニ關シテハ刑事訴訟法ノ規定ヲ準用ス
書類ノ送達ハ書留郵便又ハ懲戒裁判所ノ使丁ヲ以テ之ヲ爲ス此ノ場合ニ於テ郵便配達人及使丁ハ送達吏ト看做ス
第三十一條 證人鑑定人及通事ハ旅費日當ヲ要ムルコトヲ得其ノ金額ニ關シテハ刑法附則ヲ準用ス
第三十二條 懲戒裁判所判決ヲ爲シタルトキハ長官ヨリ直ニ其ノ旨ヲ內閣總理大臣及會計檢査院長ニ報吿スヘシ