会計検査官懲戒法
法令番号: 法律第二十一號
公布年月日: 明治33年3月1日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル會計檢査官懲戒法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年二月二十八日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
法律第二十一號
會計檢査官懲戒法
第一章 總則
第一條 會計檢査官ノ懲戒ヲ受クヘキ場合左ノ如シ
一 職務上ノ義務ニ違背シ又ハ職務ヲ怠リタルトキ
二 職務ノ內外ヲ問ハス官職上ノ威嚴又ハ信用ヲ失フヘキ所爲アリタルトキ
第二條 懲戒ハ懲戒裁判所ノ裁判ニ依リ之ヲ行フ
第三條 懲戒ハ左ノ如シ
一 譴責
二 減俸
三 免官
第四條 減俸ハ一月以上一年以下年俸月割額ノ三分ノ一以內ヲ減ス
第五條 免官ノ處分ヲ受ケタル者ハ其ノ判決ノ日ヨリ二年間官職ニ就クコトヲ得ス
第六條 刑事裁判手續中ハ同一事件ニ付被吿ニ對シ懲戒裁判手續ヲ開始スルコトヲ得ス懲戒裁判ノ言渡前同一事件ニ付被吿ニ對シ刑事訴追ノ始リタルトキハ其ノ事件ノ判決確定ニ至ルマテ懲戒裁判手續ヲ停止スヘシ
第二章 懲戒裁判所
第七條 懲戒裁判所ニ長官一人裁判官六人豫備裁判官六人ヲ置ク
長官ハ樞密顧問官ノ中ヨリ裁判官ノ中三人ハ大審院判事三人ハ會計檢査院長ヲ加ヘ會計檢査官ノ中ヨリ內閣總理大臣ノ奏請ニ依リ之ニ補ス
豫備裁判官ハ前項ノ例ニ準シ之ニ補ス
第八條 長官裁判官及豫備裁判官ノ任期ハ三年トス但シ補闕ノ爲補職セラレタル者ノ任期ハ前任者ノ殘任期間トス
第九條 懲戒裁判所ハ長官及裁判官ヲ併セ七人ノ列席合議ヲ以テ裁判ス
第十條 懲戒裁判所ニ於テハ長官ヲ以テ裁判長トシ長官事故アルトキハ上席裁判官ヲ以テ裁判長トス
裁判官事故アルトキハ其ノ同一官廳ヨリ出テタル豫備裁判官ノ中ヨリ長官其ノ代理ヲ命ス
第十一條 懲戒裁判所ノ裁判ノ評議ニ關シテハ裁判所構成法ノ規定ヲ準用ス
第十二條 懲戒裁判所ニ檢察官一人及豫備檢察官一人ヲ置ク
檢察官及豫備檢察官ハ大審院勅任檢事ノ中ヨリ內閣總理大臣ノ奏請ニ依リ之ニ補ス
第十三條 懲戒裁判所ニ書記三人ヲ置ク
書記ハ判任官ノ中ヨリ長官之ヲ命ス
第三章 裁判手續
第十四條 會計檢査院長ハ會計檢査院部長及檢査官ニシテ懲戒ニ該ルヘキ所爲アリト認ムルトキハ懲戒裁判所檢察官ニ通吿スヘシ
檢察官ハ事件ノ通吿ヲ受ケタルトキ又ハ職權ヲ以テ懲戒裁判開始ノ申立ヲ爲スヘシ
第十五條 懲戒裁判所ハ檢察官ノ申立ニ因リ又ハ其ノ職權ヲ以テ懲戒裁判ヲ開始スヘキヤ否ヲ決定ス但シ職權ヲ以テスル場合ニ於テハ檢察官ノ意見ヲ徵スヘシ
第十六條 懲戒裁判開始シタルトキハ被吿ハ其ノ裁判終結ニ至ル迄職務ニ就クコトヲ得ス
第十七條 開始決定ニハ懲戒スヘキ所爲及證據ヲ開示スヘシ
第十八條 開始決定ハ檢察官及被吿ニ送達スヘシ
第十九條 懲戒裁判所ハ直ニ口頭辯論ノ期日ヲ定メ又ハ下調ニ付スルノ決定ヲ爲スヘシ
下調ニ付スルノ決定ハ檢察官及被吿ニ送達スヘシ
第二十條 懲戒裁判所下調ニ付スルノ決定ヲ爲シタルトキハ裁判長ハ裁判官ニ其ノ下調ヲ命スヘシ
受命裁判官ハ必要ナル證據ヲ集取スヘシ
受命裁判官ハ證人訊問其ノ他證據集取ヲ區裁判所ノ判事ニ囑託スルコトヲ得
受命裁判官又ハ受託判事ハ證據集取ニ付刑事訴訟ニ於ケル豫審判事ト同一ノ權ヲ有ス但シ受命裁判官ハ罰金ヲ言渡シ又ハ勾引狀ヲ發スルコトヲ得ス
第二十一條 被吿下調ニ關シ呼出ヲ受ケタルトキハ代理人ヲシテ代理セシムルコトヲ得但シ受命裁判官又ハ受託判事ニ於テ本人ノ出頭ヲ必要トスルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十二條 受命裁判官下調ヲ終リタルトキハ調書其ノ他一切ノ證據ヲ懲戒裁判所ニ差出スヘシ
受託判事ハ囑託ヲ受ケタル職務ヲ終リタルトキハ調書其ノ他一切ノ書類ヲ受命裁判官ニ送致スヘシ
懲戒裁判所ハ下調ノ補充ヲ決定スルコトヲ得
第二十三條 懲戒裁判所下調ヲ充分ナリト認ムルトキハ檢察官ノ意見ヲ徵シ口頭辯論ノ期日ヲ定メ又ハ免訴ノ決定ヲ爲スヘシ
免訴ノ決定ハ檢察官及被吿ニ送達スヘシ
懲戒裁判所口頭辯論ノ期日ヲ定メタルトキハ之ヲ檢察官ニ通知シ被吿ヲ呼出スヘシ
第二十四條 辯論及判決ノ言渡ハ之ヲ公開セス
第二十五條 口頭辯論ノ開始ハ裁判長之ヲ宣吿ス
裁判長ハ先ツ被吿ヲ審問シ次テ證據調ヲ爲シ檢察官及被吿ヲシテ辯論ヲ爲サシメ被吿ニ最終ノ發言ヲ許スヘシ
第二十六條 懲戒裁判所ハ被吿ノ申立ニ因リ書面審理ヲ爲スコトヲ得
懲戒裁判所ハ書面審理ヲ許シタル場合ト雖被吿ヲシテ口頭辯論ヲ爲サシムルコトヲ得
第二十七條 懲戒裁判所ハ被吿若ハ檢察官ノ申立ニ因リ又ハ職權ヲ以テ更ニ證據ヲ提出セシムルコトヲ適當ナリトスルトキハ之カ爲證人ノ召喚其ノ他必要ナル命令ヲ發シ且口頭辯論ヲ延期スルコトヲ得但シ第二十條第四項但書ハ本條ニ亦之ヲ準用ス
第二十八條 懲戒裁判所ニ於テ書面審理ニ基キ判決ヲ爲ス場合ニ在リテハ其ノ判決前事件ニ關スル書類ヲ檢察官ニ送致シ其ノ意見ヲ徵スヘシ
第二十九條 懲戒裁判所ハ事件ノ辯論旣ニ充分ナリトスルトキハ之ヲ終結シ直ニ判決シテ之ヲ言渡スヘシ
被吿辯論期日ニ出頭セスト雖直ニ判決ヲ爲シ之ヲ言渡スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ判決ヲ被吿ニ送達スヘシ
前二項ニ依リ直ニ判決スルコト能ハサルトキハ七日以內ニ判決ヲ爲シ之ヲ檢察官及被吿ニ送達スヘシ
書面審理ニ基キ判決ヲ爲シタルトキハ之ヲ檢察官及被吿ニ送達スヘシ
第三十條 裁判長裁判官ノ忌避、囘避、證據集取ノ手續、調書ノ調製及書類ノ送達ニ關シテハ刑事訴訟法ノ規定ヲ準用ス
書類ノ送達ハ書留郵便又ハ懲戒裁判所ノ使丁ヲ以テ之ヲ爲ス此ノ場合ニ於テ郵便配達人及使丁ハ送達吏ト看做ス
第三十一條 證人鑑定人及通事ハ旅費日當ヲ要ムルコトヲ得其ノ金額ニ關シテハ刑法附則ヲ準用ス
第三十二條 懲戒裁判所判決ヲ爲シタルトキハ長官ヨリ直ニ其ノ旨ヲ內閣總理大臣及會計檢査院長ニ報吿スヘシ
第四章 罰則
第三十三條 懲戒裁判所又ハ受命裁判官ヨリ證人トシテ呼出サレタル者及鑑定又ハ通事ノ爲呼出サレタル者正當ノ理由ナクシテ呼出ニ應セス又ハ其ノ義務ヲ盡ササルトキハ四圓以上四十圓以下ノ罰金ニ處ス
第三十四條 證人トシテ懲戒裁判所又ハ受命裁判官若ハ受託判事ヨリ呼出サレタル者僞證ヲ爲シタルトキ及鑑定又ハ通事ノ爲懲戒裁判所又ハ受命裁判官若ハ受託判事ヨリ呼出サレタル者詐僞ノ陳述ヲ爲シタルトキハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ處シ五圓以上五十圓以下ノ罰金ヲ附加ス賄賂其ノ他ノ方法ヲ以テ人ニ囑託シテ僞證又ハ詐僞ノ鑑定通事ヲ爲サシメタル者亦同シ
前項ノ罪ヲ犯シタル者其ノ事件ノ判決ニ至ラサル前ニ自首シタルトキハ本刑ヲ免ス
附 則
懲戒スヘキ所爲ハ本法施行前ニ關スルモノト雖本法ニ從ヒ之ヲ訴追ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル会計検査官懲戒法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年二月二十八日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
法律第二十一号
会計検査官懲戒法
第一章 総則
第一条 会計検査官ノ懲戒ヲ受クヘキ場合左ノ如シ
一 職務上ノ義務ニ違背シ又ハ職務ヲ怠リタルトキ
二 職務ノ内外ヲ問ハス官職上ノ威厳又ハ信用ヲ失フヘキ所為アリタルトキ
第二条 懲戒ハ懲戒裁判所ノ裁判ニ依リ之ヲ行フ
第三条 懲戒ハ左ノ如シ
一 譴責
二 減俸
三 免官
第四条 減俸ハ一月以上一年以下年俸月割額ノ三分ノ一以内ヲ減ス
第五条 免官ノ処分ヲ受ケタル者ハ其ノ判決ノ日ヨリ二年間官職ニ就クコトヲ得ス
第六条 刑事裁判手続中ハ同一事件ニ付被告ニ対シ懲戒裁判手続ヲ開始スルコトヲ得ス懲戒裁判ノ言渡前同一事件ニ付被告ニ対シ刑事訴追ノ始リタルトキハ其ノ事件ノ判決確定ニ至ルマテ懲戒裁判手続ヲ停止スヘシ
第二章 懲戒裁判所
第七条 懲戒裁判所ニ長官一人裁判官六人予備裁判官六人ヲ置ク
長官ハ枢密顧問官ノ中ヨリ裁判官ノ中三人ハ大審院判事三人ハ会計検査院長ヲ加ヘ会計検査官ノ中ヨリ内閣総理大臣ノ奏請ニ依リ之ニ補ス
予備裁判官ハ前項ノ例ニ準シ之ニ補ス
第八条 長官裁判官及予備裁判官ノ任期ハ三年トス但シ補闕ノ為補職セラレタル者ノ任期ハ前任者ノ残任期間トス
第九条 懲戒裁判所ハ長官及裁判官ヲ併セ七人ノ列席合議ヲ以テ裁判ス
第十条 懲戒裁判所ニ於テハ長官ヲ以テ裁判長トシ長官事故アルトキハ上席裁判官ヲ以テ裁判長トス
裁判官事故アルトキハ其ノ同一官庁ヨリ出テタル予備裁判官ノ中ヨリ長官其ノ代理ヲ命ス
第十一条 懲戒裁判所ノ裁判ノ評議ニ関シテハ裁判所構成法ノ規定ヲ準用ス
第十二条 懲戒裁判所ニ検察官一人及予備検察官一人ヲ置ク
検察官及予備検察官ハ大審院勅任検事ノ中ヨリ内閣総理大臣ノ奏請ニ依リ之ニ補ス
第十三条 懲戒裁判所ニ書記三人ヲ置ク
書記ハ判任官ノ中ヨリ長官之ヲ命ス
第三章 裁判手続
第十四条 会計検査院長ハ会計検査院部長及検査官ニシテ懲戒ニ該ルヘキ所為アリト認ムルトキハ懲戒裁判所検察官ニ通告スヘシ
検察官ハ事件ノ通告ヲ受ケタルトキ又ハ職権ヲ以テ懲戒裁判開始ノ申立ヲ為スヘシ
第十五条 懲戒裁判所ハ検察官ノ申立ニ因リ又ハ其ノ職権ヲ以テ懲戒裁判ヲ開始スヘキヤ否ヲ決定ス但シ職権ヲ以テスル場合ニ於テハ検察官ノ意見ヲ徴スヘシ
第十六条 懲戒裁判開始シタルトキハ被告ハ其ノ裁判終結ニ至ル迄職務ニ就クコトヲ得ス
第十七条 開始決定ニハ懲戒スヘキ所為及証拠ヲ開示スヘシ
第十八条 開始決定ハ検察官及被告ニ送達スヘシ
第十九条 懲戒裁判所ハ直ニ口頭弁論ノ期日ヲ定メ又ハ下調ニ付スルノ決定ヲ為スヘシ
下調ニ付スルノ決定ハ検察官及被告ニ送達スヘシ
第二十条 懲戒裁判所下調ニ付スルノ決定ヲ為シタルトキハ裁判長ハ裁判官ニ其ノ下調ヲ命スヘシ
受命裁判官ハ必要ナル証拠ヲ集取スヘシ
受命裁判官ハ証人訊問其ノ他証拠集取ヲ区裁判所ノ判事ニ嘱託スルコトヲ得
受命裁判官又ハ受託判事ハ証拠集取ニ付刑事訴訟ニ於ケル予審判事ト同一ノ権ヲ有ス但シ受命裁判官ハ罰金ヲ言渡シ又ハ勾引状ヲ発スルコトヲ得ス
第二十一条 被告下調ニ関シ呼出ヲ受ケタルトキハ代理人ヲシテ代理セシムルコトヲ得但シ受命裁判官又ハ受託判事ニ於テ本人ノ出頭ヲ必要トスルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十二条 受命裁判官下調ヲ終リタルトキハ調書其ノ他一切ノ証拠ヲ懲戒裁判所ニ差出スヘシ
受託判事ハ嘱託ヲ受ケタル職務ヲ終リタルトキハ調書其ノ他一切ノ書類ヲ受命裁判官ニ送致スヘシ
懲戒裁判所ハ下調ノ補充ヲ決定スルコトヲ得
第二十三条 懲戒裁判所下調ヲ充分ナリト認ムルトキハ検察官ノ意見ヲ徴シ口頭弁論ノ期日ヲ定メ又ハ免訴ノ決定ヲ為スヘシ
免訴ノ決定ハ検察官及被告ニ送達スヘシ
懲戒裁判所口頭弁論ノ期日ヲ定メタルトキハ之ヲ検察官ニ通知シ被告ヲ呼出スヘシ
第二十四条 弁論及判決ノ言渡ハ之ヲ公開セス
第二十五条 口頭弁論ノ開始ハ裁判長之ヲ宣告ス
裁判長ハ先ツ被告ヲ審問シ次テ証拠調ヲ為シ検察官及被告ヲシテ弁論ヲ為サシメ被告ニ最終ノ発言ヲ許スヘシ
第二十六条 懲戒裁判所ハ被告ノ申立ニ因リ書面審理ヲ為スコトヲ得
懲戒裁判所ハ書面審理ヲ許シタル場合ト雖被告ヲシテ口頭弁論ヲ為サシムルコトヲ得
第二十七条 懲戒裁判所ハ被告若ハ検察官ノ申立ニ因リ又ハ職権ヲ以テ更ニ証拠ヲ提出セシムルコトヲ適当ナリトスルトキハ之カ為証人ノ召喚其ノ他必要ナル命令ヲ発シ且口頭弁論ヲ延期スルコトヲ得但シ第二十条第四項但書ハ本条ニ亦之ヲ準用ス
第二十八条 懲戒裁判所ニ於テ書面審理ニ基キ判決ヲ為ス場合ニ在リテハ其ノ判決前事件ニ関スル書類ヲ検察官ニ送致シ其ノ意見ヲ徴スヘシ
第二十九条 懲戒裁判所ハ事件ノ弁論既ニ充分ナリトスルトキハ之ヲ終結シ直ニ判決シテ之ヲ言渡スヘシ
被告弁論期日ニ出頭セスト雖直ニ判決ヲ為シ之ヲ言渡スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ判決ヲ被告ニ送達スヘシ
前二項ニ依リ直ニ判決スルコト能ハサルトキハ七日以内ニ判決ヲ為シ之ヲ検察官及被告ニ送達スヘシ
書面審理ニ基キ判決ヲ為シタルトキハ之ヲ検察官及被告ニ送達スヘシ
第三十条 裁判長裁判官ノ忌避、回避、証拠集取ノ手続、調書ノ調製及書類ノ送達ニ関シテハ刑事訴訟法ノ規定ヲ準用ス
書類ノ送達ハ書留郵便又ハ懲戒裁判所ノ使丁ヲ以テ之ヲ為ス此ノ場合ニ於テ郵便配達人及使丁ハ送達吏ト看做ス
第三十一条 証人鑑定人及通事ハ旅費日当ヲ要ムルコトヲ得其ノ金額ニ関シテハ刑法附則ヲ準用ス
第三十二条 懲戒裁判所判決ヲ為シタルトキハ長官ヨリ直ニ其ノ旨ヲ内閣総理大臣及会計検査院長ニ報告スヘシ
第四章 罰則
第三十三条 懲戒裁判所又ハ受命裁判官ヨリ証人トシテ呼出サレタル者及鑑定又ハ通事ノ為呼出サレタル者正当ノ理由ナクシテ呼出ニ応セス又ハ其ノ義務ヲ尽ササルトキハ四円以上四十円以下ノ罰金ニ処ス
第三十四条 証人トシテ懲戒裁判所又ハ受命裁判官若ハ受託判事ヨリ呼出サレタル者偽証ヲ為シタルトキ及鑑定又ハ通事ノ為懲戒裁判所又ハ受命裁判官若ハ受託判事ヨリ呼出サレタル者詐偽ノ陳述ヲ為シタルトキハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ五円以上五十円以下ノ罰金ヲ附加ス賄賂其ノ他ノ方法ヲ以テ人ニ嘱託シテ偽証又ハ詐偽ノ鑑定通事ヲ為サシメタル者亦同シ
前項ノ罪ヲ犯シタル者其ノ事件ノ判決ニ至ラサル前ニ自首シタルトキハ本刑ヲ免ス
附 則
懲戒スヘキ所為ハ本法施行前ニ関スルモノト雖本法ニ従ヒ之ヲ訴追ス