弁護士法第12条は、弁護士登録後3年未満の者の大審院での職務を禁止しているが、これは人民と弁護士双方の権利を侵害する不当な規定である。第一審・第二審で事情に精通した弁護士に上告審でも依頼したいという依頼人の希望を阻害し、弁護士の独立した資格を定めた同法第2条・第3条の精神にも反している。大審院は法理の争いの場であり、むしろ新しい法理論を持つ若手弁護士の方が有用な場合もある。また控訴院では制限がないにもかかわらず大審院のみ制限するのは一貫性を欠く。よって、社会の進歩と国民の権利を阻害する第12条は廃止すべきである。
参照した発言:
第14回帝国議会 衆議院 本会議 第11号