酒造組合規則
法令番号: 勅令第三百四十號
公布年月日: 明治32年7月10日
法令の形式: 勅令
朕酒造組合規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年七月八日
大藏大臣 伯爵 松方正義
勅令第三百四十號
酒造組合規則
第一條 酒類製造者酒造稅法第四十條ニ依リ設クヘキ酒造組合ニ關スル規定ハ本令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 酒造組合ハ組合員協同一致シテ營業上ノ弊害ヲ矯正シ信用ヲ保持スルヲ以テ目的ト爲スヘシ
第三條 酒類製造者酒造組合ヲ設置セムトスルトキハ組合契約書ヲ作成シ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ組合契約書ヲ變更シタルトキ亦同シ
第四條 組合契約書ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 組合ノ名稱
二 組合設置ノ區域
三 組合事務所ノ所在地
四 組合ノ事業
五 組合役員ノ選任方法、任期及其ノ權限
六 組合總會召集ノ方法
七 組合ニ於ケル會議ノ方法
八 組合經費ノ負擔及其ノ取立方法
九 組合契約違反者處分ノ方法
十 契約書ノ變更ニ關スル手續
十一 組合ニ於テ酒類製造者ノ造石稅納付ヲ擔保スル場合ニ於ケル決議方法
十二 酒造稅法施行規則第三十一條第一項ノ通知ヲ受ケタルトキノ處分方法
組合契約書ニハ前各號ニ揭クルモノノ外組合ニ於テ必要トスル事項ヲ記載スルコトヲ得
第五條 酒造組合ハ諸般ノ事務ヲ處理スル爲左ノ役員ヲ置クヘシ
一 組合長 一名
二 組合評議員 若干名
組合員多數ナルトキハ便宜組合副長又ハ組合支部長ヲ置クコトヲ得
役員ハ組合總會ニ於テ組合員中ヨリ之ヲ選任ス
第六條 組合長ハ組合員ヲ代表ス
組合長ノ代理者ハ組合契約書ノ定ムル所ニ依ル
第七條 組合役員ノ選任及解任アリタルトキハ酒造組合ヨリ其ノ氏名ヲ地方長官及稅務管理局長ニ報吿スヘシ
第八條 酒造組合ハ每年少クトモ一囘其ノ經費ノ決算ヲ爲シ各組合員ニ報吿スヘシ
第九條 酒造組合ハ營利ノ事業ヲ爲スコトヲ得ス
第十條 地方長官ハ酒造組合ノ決議又ハ其ノ役員ノ行爲ニシテ法令ニ違背シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ役員ノ改選ヲ命スルコトヲ得
朕酒造組合規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年七月八日
大蔵大臣 伯爵 松方正義
勅令第三百四十号
酒造組合規則
第一条 酒類製造者酒造税法第四十条ニ依リ設クヘキ酒造組合ニ関スル規定ハ本令ヲ以テ之ヲ定ム
第二条 酒造組合ハ組合員協同一致シテ営業上ノ弊害ヲ矯正シ信用ヲ保持スルヲ以テ目的ト為スヘシ
第三条 酒類製造者酒造組合ヲ設置セムトスルトキハ組合契約書ヲ作成シ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ組合契約書ヲ変更シタルトキ亦同シ
第四条 組合契約書ニハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 組合ノ名称
二 組合設置ノ区域
三 組合事務所ノ所在地
四 組合ノ事業
五 組合役員ノ選任方法、任期及其ノ権限
六 組合総会召集ノ方法
七 組合ニ於ケル会議ノ方法
八 組合経費ノ負担及其ノ取立方法
九 組合契約違反者処分ノ方法
十 契約書ノ変更ニ関スル手続
十一 組合ニ於テ酒類製造者ノ造石税納付ヲ担保スル場合ニ於ケル決議方法
十二 酒造税法施行規則第三十一条第一項ノ通知ヲ受ケタルトキノ処分方法
組合契約書ニハ前各号ニ掲クルモノノ外組合ニ於テ必要トスル事項ヲ記載スルコトヲ得
第五条 酒造組合ハ諸般ノ事務ヲ処理スル為左ノ役員ヲ置クヘシ
一 組合長 一名
二 組合評議員 若干名
組合員多数ナルトキハ便宜組合副長又ハ組合支部長ヲ置クコトヲ得
役員ハ組合総会ニ於テ組合員中ヨリ之ヲ選任ス
第六条 組合長ハ組合員ヲ代表ス
組合長ノ代理者ハ組合契約書ノ定ムル所ニ依ル
第七条 組合役員ノ選任及解任アリタルトキハ酒造組合ヨリ其ノ氏名ヲ地方長官及税務管理局長ニ報告スヘシ
第八条 酒造組合ハ毎年少クトモ一回其ノ経費ノ決算ヲ為シ各組合員ニ報告スヘシ
第九条 酒造組合ハ営利ノ事業ヲ為スコトヲ得ス
第十条 地方長官ハ酒造組合ノ決議又ハ其ノ役員ノ行為ニシテ法令ニ違背シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ決議ヲ取消シ又ハ役員ノ改選ヲ命スルコトヲ得