(徴兵事務条例中改正加除ノ件)
法令番号: 勅令第百十三號
公布年月日: 明治32年4月1日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ徵兵事務條例中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年四月一日
內務大臣 侯爵 西鄕從道
陸軍大臣 子爵 桂太郞
海軍大臣 山本權兵衞
勅令第百十三號
徵兵事務條例中左ノ通改正ス
第四條第一項中「一聯隊區」ノ下ニ「第一師管ニ在テハ二聯隊區」ノ分註ヲ加ヘ同項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
近衞ノ步兵隊及騎兵隊ノ兵員ハ各師管ヨリ其ノ他ノ兵員ハ第一師管ヨリ徵集ス
鐵道隊ノ兵員ハ第一第二第三第四第八及第九師管ヨリ徵集ス
第九條中「市參事會員タル府ノ書記官」ヲ「市長」ニ改ム
第十三條 每年徵募事務執行中ハ師管徵兵醫官及聯隊區徵兵醫官聯隊區徵兵副醫官又ハ警備隊區徵兵醫官警備隊區徵兵副醫官ヲ置ク但シ警備隊區徵兵副醫官ハ時宜ニ依リ之ヲ置カサルコトヲ得
師管徵兵醫官ハ師團長ニ屬シ師管內徵兵身體檢査ニ係ル事ヲ管掌シ聯隊區徵兵醫官ハ聯隊區司令官ニ警備隊區徵兵醫官ハ警備隊司令官ニ屬シ其ノ區內徵兵身體檢査ニ係ル事ヲ管掌シ聯隊區徵兵副醫官ハ聯隊區徵兵醫官ヲ警備隊區徵兵副醫官ハ警備隊區徵兵醫官ヲ補佐ス
第十四條 師管徵兵醫官ハ師團軍醫部長ヲ以テ之ニ充テ聯隊區徵兵醫官及警備隊區徵兵醫官ハ陸軍一等軍醫一名聯隊區徵兵副醫官及警備隊區徵兵副醫官ハ陸軍二三等軍醫ノ內一名ヲ以テ之ニ充ツ
第十六條 第二項中「府屬」ヲ「市書記」ニ改ム
第十七條 徵募事務執行ニ際シ聯隊區徵兵參事員又ハ警備隊區徵兵參事員ノ全部ヲ缺クトキハ府縣知事ハ徵募區內ノ公民ニシテ市町村會議員ノ選擧權ヲ有スル者ニ就キ臨時聯隊區徵兵參事員又ハ臨時警備隊區徵兵參事員ヲ命スルコトヲ得
島廳ヲ置キタル島嶼ノ臨時徵兵參事員ハ島司ニ於テ便宜之ヲ命スルコトヲ得
第二十條 現役兵及補充兵ノ配賦ハ壯丁ノ總數ヲ基準トシテ之ヲ定ム
第二十一條第二項分註「以下同シ」ヲ削ル
第二十二條中「廣濶」ノ下ニ「若ハ交通不便若ハ」ヲ加フ
第二十三條第二項削除
第二十六條中「市長」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ區長」ノ分註ヲ加フ
第二十八條第二項第三項ヲ左ノ如ク改ム
抽籤ハ徵兵官及徵兵參事員列席ノ上抽籤總代人之ヲ爲スモノトス但シ東京市、京都市、大阪市ノ徵兵參事員ハ各檢査區ヨリ一名宛出席スヘシ
抽籤總代人ハ其ノ年ノ壯丁ニ就キ聯隊區徵兵參事員又ハ警備隊區徵兵參事員之ヲ選定ス其ノ人員ハ適宜トス
第三十條中「東京市、京都市、大阪市及北海道ノ區ニ在テハ區役所以下同シ」ヲ削リ「市長ノ領スヘキ抽籤名簿ハ府ノ書記官之ヲ領シ府廳」ヲ「抽籤名簿ヲ除クノ外ハ區長之ヲ領シ區役所」ニ改ム
第三十二條第一項但書削除
第三十九條ニ左ノ一項ヲ加フ
徵兵官前項ノ訴願書ヲ受領シタルトキハ之ニ前裁決ニ關スル書類ヲ添ヘ上級ノ徵兵官ニ差出スヘシ
第四十條 總理徵兵官又ハ師管徵兵官ニ於テ下級徵兵官ノ裁決不當ナリト認ムルトキ又其ノ裁決詐僞若ハ錯誤ニ起因シタルモノナリト認ムルトキハ之ヲ取消シ更ニ處分ヲ命スヘシ但シ師管徵兵官ハ總理徵兵官ノ認可ヲ受クヘシ
第四十二條第三項中「仙臺、札幌、弘前、金澤ノ各衞戍地」ヲ「第二師管第七師管第八師管及第九師管」ニ改メ「九月一日トス」ノ下ニ「但シ第七師管及第八師管ニ於テ輜重輸卒ノ入營ハ二期ニ分チ其ノ第一期ハ徵募年ノ翌年五月一日第二期ハ同年八月一日トス」ヲ加フ
同條第四項ヲ左ノ如ク改ム
戰時若ハ事變ノ際其ノ他必要ノ場合ニ在テハ前諸項ノ入營期日ヲ變更スルコトヲ得
第四十三條 現役兵ヲ入營セシムルトキハ聯隊區司令部員ヲ入營地若ハ近衞、海軍入營兵集合地ニ派遣シ之ヲ當該隊長又ハ近衞、海軍入營兵受領員ニ交付セシム但シ土地ノ狀況ニ由リ入營兵引率員ヲシテ入營地若ハ近衞、海軍入營兵集合地ニ引率セシムルコトアルヘシ
入營兵ノ人員寡少ナルトキ及入營兵受領員出發後到著シタル者ハ直ニ入營セシム
第四十四條第一項中「十四日」ヲ「二十日」ニ改メ第二項中「市町村長」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ區長以下同シ」ノ分註ヲ加フ
第四十六條中「三十一日迄ニ」ノ下ニ「缺員ヲ生シ若ハ」ヲ加ヘ同條但書中「二十日」ヲ「十日」ニ改ム
第四十八條第二項中「但」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ區長」ヲ加フ
第四十九條第一項中「但」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ區長」ヲ加フ
第五十條第一項中「但」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ區長」ヲ加フ
第五十三條 他ノ徵募區ニ寄留シ其ノ地ニ於テ身體檢査ヲ受ケンコトヲ冀望スル者ハ本籍及寄留地徵募區ノ檢査開始前寄留地ノ島司郡市長東京市、京都市、大阪市ニ在テハ區長以下同シニ願出テ且其ノ由ヲ本籍ノ市町村長ニ屆出ヘシ
島司郡市長其ノ願ヲ許可シタルトキハ直ニ之ヲ本籍地ノ島司郡市長ニ通知スヘシ
第一項ノ屆出ヲ爲ササル者ハ五錢以上一圓九十五錢以下ノ科料ニ處ス
第五十五條第二項中「在ル者」ノ下ニ「及一定ノ地ニ在留セサル旅行ノ者」ヲ加フ
第五十八條中「一年志願兵年齡十九歲以下ノ者ヲ除ク」ヲ「志願兵」ニ改ム
第六十條中「徵兵醫官補助員ノ給料、旅費」ヲ削ル
第六十一條 第四十條ニ依リ更ニ處分ヲ爲ストキハ臨時徵兵署ヲ開設スルコトヲ得
第六十三條ニ左ノ一項ヲ加フ
韓國在留ノ者ニ在テモ前項ノ例ニ依リ便宜ノ徵募區ニ於テ身體檢査ヲ受クルコトヲ得
第六十五條 第七師團ノ兵員ハ當分第一第二第七及第八師管ヨリ徵集ス但シ第七師管外ヨリ徵集スル者ノ入營ニ係ル取扱ハ第四十三條近衞、海軍入營兵ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ發布ノ日ヨリ施行ス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ徴兵事務条例中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年四月一日
内務大臣 侯爵 西郷従道
陸軍大臣 子爵 桂太郎
海軍大臣 山本権兵衛
勅令第百十三号
徴兵事務条例中左ノ通改正ス
第四条第一項中「一連隊区」ノ下ニ「第一師管ニ在テハ二連隊区」ノ分註ヲ加ヘ同項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
近衛ノ歩兵隊及騎兵隊ノ兵員ハ各師管ヨリ其ノ他ノ兵員ハ第一師管ヨリ徴集ス
鉄道隊ノ兵員ハ第一第二第三第四第八及第九師管ヨリ徴集ス
第九条中「市参事会員タル府ノ書記官」ヲ「市長」ニ改ム
第十三条 毎年徴募事務執行中ハ師管徴兵医官及連隊区徴兵医官連隊区徴兵副医官又ハ警備隊区徴兵医官警備隊区徴兵副医官ヲ置ク但シ警備隊区徴兵副医官ハ時宜ニ依リ之ヲ置カサルコトヲ得
師管徴兵医官ハ師団長ニ属シ師管内徴兵身体検査ニ係ル事ヲ管掌シ連隊区徴兵医官ハ連隊区司令官ニ警備隊区徴兵医官ハ警備隊司令官ニ属シ其ノ区内徴兵身体検査ニ係ル事ヲ管掌シ連隊区徴兵副医官ハ連隊区徴兵医官ヲ警備隊区徴兵副医官ハ警備隊区徴兵医官ヲ補佐ス
第十四条 師管徴兵医官ハ師団軍医部長ヲ以テ之ニ充テ連隊区徴兵医官及警備隊区徴兵医官ハ陸軍一等軍医一名連隊区徴兵副医官及警備隊区徴兵副医官ハ陸軍二三等軍医ノ内一名ヲ以テ之ニ充ツ
第十六条 第二項中「府属」ヲ「市書記」ニ改ム
第十七条 徴募事務執行ニ際シ連隊区徴兵参事員又ハ警備隊区徴兵参事員ノ全部ヲ欠クトキハ府県知事ハ徴募区内ノ公民ニシテ市町村会議員ノ選挙権ヲ有スル者ニ就キ臨時連隊区徴兵参事員又ハ臨時警備隊区徴兵参事員ヲ命スルコトヲ得
島庁ヲ置キタル島嶼ノ臨時徴兵参事員ハ島司ニ於テ便宜之ヲ命スルコトヲ得
第二十条 現役兵及補充兵ノ配賦ハ壮丁ノ総数ヲ基準トシテ之ヲ定ム
第二十一条第二項分註「以下同シ」ヲ削ル
第二十二条中「広濶」ノ下ニ「若ハ交通不便若ハ」ヲ加フ
第二十三条第二項削除
第二十六条中「市長」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ区長」ノ分註ヲ加フ
第二十八条第二項第三項ヲ左ノ如ク改ム
抽籤ハ徴兵官及徴兵参事員列席ノ上抽籤総代人之ヲ為スモノトス但シ東京市、京都市、大阪市ノ徴兵参事員ハ各検査区ヨリ一名宛出席スヘシ
抽籤総代人ハ其ノ年ノ壮丁ニ就キ連隊区徴兵参事員又ハ警備隊区徴兵参事員之ヲ選定ス其ノ人員ハ適宜トス
第三十条中「東京市、京都市、大阪市及北海道ノ区ニ在テハ区役所以下同シ」ヲ削リ「市長ノ領スヘキ抽籤名簿ハ府ノ書記官之ヲ領シ府庁」ヲ「抽籤名簿ヲ除クノ外ハ区長之ヲ領シ区役所」ニ改ム
第三十二条第一項但書削除
第三十九条ニ左ノ一項ヲ加フ
徴兵官前項ノ訴願書ヲ受領シタルトキハ之ニ前裁決ニ関スル書類ヲ添ヘ上級ノ徴兵官ニ差出スヘシ
第四十条 総理徴兵官又ハ師管徴兵官ニ於テ下級徴兵官ノ裁決不当ナリト認ムルトキ又其ノ裁決詐偽若ハ錯誤ニ起因シタルモノナリト認ムルトキハ之ヲ取消シ更ニ処分ヲ命スヘシ但シ師管徴兵官ハ総理徴兵官ノ認可ヲ受クヘシ
第四十二条第三項中「仙台、札幌、弘前、金沢ノ各衛戍地」ヲ「第二師管第七師管第八師管及第九師管」ニ改メ「九月一日トス」ノ下ニ「但シ第七師管及第八師管ニ於テ輜重輸卒ノ入営ハ二期ニ分チ其ノ第一期ハ徴募年ノ翌年五月一日第二期ハ同年八月一日トス」ヲ加フ
同条第四項ヲ左ノ如ク改ム
戦時若ハ事変ノ際其ノ他必要ノ場合ニ在テハ前諸項ノ入営期日ヲ変更スルコトヲ得
第四十三条 現役兵ヲ入営セシムルトキハ連隊区司令部員ヲ入営地若ハ近衛、海軍入営兵集合地ニ派遣シ之ヲ当該隊長又ハ近衛、海軍入営兵受領員ニ交付セシム但シ土地ノ状況ニ由リ入営兵引率員ヲシテ入営地若ハ近衛、海軍入営兵集合地ニ引率セシムルコトアルヘシ
入営兵ノ人員寡少ナルトキ及入営兵受領員出発後到著シタル者ハ直ニ入営セシム
第四十四条第一項中「十四日」ヲ「二十日」ニ改メ第二項中「市町村長」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ区長以下同シ」ノ分註ヲ加フ
第四十六条中「三十一日迄ニ」ノ下ニ「欠員ヲ生シ若ハ」ヲ加ヘ同条但書中「二十日」ヲ「十日」ニ改ム
第四十八条第二項中「但」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ区長」ヲ加フ
第四十九条第一項中「但」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ区長」ヲ加フ
第五十条第一項中「但」ノ下ニ「東京市、京都市、大阪市ニ在テハ区長」ヲ加フ
第五十三条 他ノ徴募区ニ寄留シ其ノ地ニ於テ身体検査ヲ受ケンコトヲ冀望スル者ハ本籍及寄留地徴募区ノ検査開始前寄留地ノ島司郡市長東京市、京都市、大阪市ニ在テハ区長以下同シニ願出テ且其ノ由ヲ本籍ノ市町村長ニ届出ヘシ
島司郡市長其ノ願ヲ許可シタルトキハ直ニ之ヲ本籍地ノ島司郡市長ニ通知スヘシ
第一項ノ届出ヲ為ササル者ハ五銭以上一円九十五銭以下ノ科料ニ処ス
第五十五条第二項中「在ル者」ノ下ニ「及一定ノ地ニ在留セサル旅行ノ者」ヲ加フ
第五十八条中「一年志願兵年齢十九歳以下ノ者ヲ除ク」ヲ「志願兵」ニ改ム
第六十条中「徴兵医官補助員ノ給料、旅費」ヲ削ル
第六十一条 第四十条ニ依リ更ニ処分ヲ為ストキハ臨時徴兵署ヲ開設スルコトヲ得
第六十三条ニ左ノ一項ヲ加フ
韓国在留ノ者ニ在テモ前項ノ例ニ依リ便宜ノ徴募区ニ於テ身体検査ヲ受クルコトヲ得
第六十五条 第七師団ノ兵員ハ当分第一第二第七及第八師管ヨリ徴集ス但シ第七師管外ヨリ徴集スル者ノ入営ニ係ル取扱ハ第四十三条近衛、海軍入営兵ノ例ニ依ル
附 則
本令ハ発布ノ日ヨリ施行ス