陸軍砲兵会議条例
法令番号: 勅令第十二號
公布年月日: 明治32年1月25日
法令の形式: 勅令
朕陸軍砲兵會議條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年一月二十四日
陸軍大臣 子爵 桂太郞
勅令第十二號
陸軍砲兵會議條例
第一條 陸軍砲兵會議ハ砲兵技術及兵器材料工兵會議ニ屬スルモノヲ除クニ關シ陸軍大臣ノ諮詢ニ應シ且其改良進步ヲ圖リ審査立案スル所トス
第二條 陸軍砲兵會議ニ左ノ職員ヲ置ク
議長 少將若クハ砲兵大佐
議員 各兵科佐官
臨時議員 各兵科各部上長官或ハ陸軍技師
審査官 砲兵佐官同大尉
第三條 前條ニ揭クル職員ノ外審査官ノ下ニ准士官、下士竝屬、技手ヲ置ク
第四條 議長ハ陸軍大臣ニ隸シ議事ヲ整理シ會議一切ノ事務ヲ總理ス
第五條 審査官ハ審査試驗ノ事ヲ分擔シ其事項ニ關シテハ議事ニ列シ答辯說明ノ任ニ當リ且會議ノ事務ヲ處理ス
第六條 議員ハ他ニ本職アル者ヲ以テ兼補ス
臨時議員ハ議事ノ必要ニ方リ陸軍大臣他ニ本職アル者ヲ以テ之ヲ命シ議事ヲ了レハ直ニ解任スルモノトス
第七條 議長不在ノトキハ議事ニ關シテハ議員中高級故參ノ者其代理ヲ爲スヘシ但議員ハ事務ニ關シ代理スルコトナシ
第八條 陸軍砲兵會議ノ立案ニ係ル事項ハ陸軍大臣ニ建議スルモノトス但輕易ノ事項ニシテ議事ニ附スルノ必要ナシト認ムルモノニ在テハ議長ハ直ニ之ヲ建議スルコトヲ得
第九條 陸軍砲兵會議ハ議事規則ヲ議定シ陸軍大臣ノ認可ヲ請フヘシ
第十條 步、騎、工、輜重兵科ノ議員ハ其兵科ニ關係アル議事ニノミ列セシムルモノトス
第十一條 議事ニ關係アル議員二分ノ一以上出席スルニアラサレハ議事ヲ開キ議決ヲナスコトヲ得ス但緊急ノ場合ニ在テハ議事ニ關係アル議員三分ノ一以上出席スルトキハ議事ヲ開キ議決ヲナスコトヲ得
第十二條 議長ハ議事表決ノ數ニ與カルコトヲ得ス
第十三條 議事ハ出席議員ノ過半數ニ依リ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ據ル
第十四條 輕易ノ事項ニシテ議事ニ附スルノ必要ナキモノハ陸軍大臣ハ單ニ審査若クハ起案ヲ命スルコトアルヘシ
第十五條 試驗ノ爲メ必要ト認ムルモノハ其種類ニ應シ陸軍戶山學校、陸軍騎兵實施學校、陸軍野戰砲兵射擊學校、陸軍要塞砲兵射擊學校ニ於テ實施セシムルモノトス又特ニ要スル場合ニ在テハ議長ハ師團長ニ禀議シ軍隊ヲシテ之ヲ實施セシメ若クハ必要ノ人馬材料ヲ使用スルコトヲ得
第十六條 砲工兵兩科ノ技術ニ跨カル議案ニシテ砲工兵兩會議ノ議員ヲ合シ討議セシムルノ必要アルトキハ合同會議ヲ開クモノトス此場合ニアツテハ陸軍大臣之ヲ特達ス
第十七條 合同會議ヲ開クトキハ砲工兵兩會議議長中高級故參ノ者議長トナリ下級ノ者ハ議員ニ列シ表決ニ與カルモノトス本條第二項ノ場合ニ於テハ高級故參ノ者モ亦同シ
議事ノ必要ニ依リ陸軍大臣ハ特ニ他ノ將官ヲ以テ議長ニ命スルコトアルヘシ但其議事了レハ直チニ解任スルモノトス
第十八條 合同會議ハ總テ本會議ノ規定ニ據ル
第十九條 合同會議議長ハ砲工兵兩會議ノ審査官ヲシテ第五條ノ事項ヲ處理セシムルモノトス
朕陸軍砲兵会議条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年一月二十四日
陸軍大臣 子爵 桂太郎
勅令第十二号
陸軍砲兵会議条例
第一条 陸軍砲兵会議ハ砲兵技術及兵器材料工兵会議ニ属スルモノヲ除クニ関シ陸軍大臣ノ諮詢ニ応シ且其改良進歩ヲ図リ審査立案スル所トス
第二条 陸軍砲兵会議ニ左ノ職員ヲ置ク
議長 少将若クハ砲兵大佐
議員 各兵科佐官
臨時議員 各兵科各部上長官或ハ陸軍技師
審査官 砲兵佐官同大尉
第三条 前条ニ掲クル職員ノ外審査官ノ下ニ准士官、下士並属、技手ヲ置ク
第四条 議長ハ陸軍大臣ニ隷シ議事ヲ整理シ会議一切ノ事務ヲ総理ス
第五条 審査官ハ審査試験ノ事ヲ分担シ其事項ニ関シテハ議事ニ列シ答弁説明ノ任ニ当リ且会議ノ事務ヲ処理ス
第六条 議員ハ他ニ本職アル者ヲ以テ兼補ス
臨時議員ハ議事ノ必要ニ方リ陸軍大臣他ニ本職アル者ヲ以テ之ヲ命シ議事ヲ了レハ直ニ解任スルモノトス
第七条 議長不在ノトキハ議事ニ関シテハ議員中高級故参ノ者其代理ヲ為スヘシ但議員ハ事務ニ関シ代理スルコトナシ
第八条 陸軍砲兵会議ノ立案ニ係ル事項ハ陸軍大臣ニ建議スルモノトス但軽易ノ事項ニシテ議事ニ附スルノ必要ナシト認ムルモノニ在テハ議長ハ直ニ之ヲ建議スルコトヲ得
第九条 陸軍砲兵会議ハ議事規則ヲ議定シ陸軍大臣ノ認可ヲ請フヘシ
第十条 歩、騎、工、輜重兵科ノ議員ハ其兵科ニ関係アル議事ニノミ列セシムルモノトス
第十一条 議事ニ関係アル議員二分ノ一以上出席スルニアラサレハ議事ヲ開キ議決ヲナスコトヲ得ス但緊急ノ場合ニ在テハ議事ニ関係アル議員三分ノ一以上出席スルトキハ議事ヲ開キ議決ヲナスコトヲ得
第十二条 議長ハ議事表決ノ数ニ与カルコトヲ得ス
第十三条 議事ハ出席議員ノ過半数ニ依リ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ拠ル
第十四条 軽易ノ事項ニシテ議事ニ附スルノ必要ナキモノハ陸軍大臣ハ単ニ審査若クハ起案ヲ命スルコトアルヘシ
第十五条 試験ノ為メ必要ト認ムルモノハ其種類ニ応シ陸軍戸山学校、陸軍騎兵実施学校、陸軍野戦砲兵射撃学校、陸軍要塞砲兵射撃学校ニ於テ実施セシムルモノトス又特ニ要スル場合ニ在テハ議長ハ師団長ニ禀議シ軍隊ヲシテ之ヲ実施セシメ若クハ必要ノ人馬材料ヲ使用スルコトヲ得
第十六条 砲工兵両科ノ技術ニ跨カル議案ニシテ砲工兵両会議ノ議員ヲ合シ討議セシムルノ必要アルトキハ合同会議ヲ開クモノトス此場合ニアツテハ陸軍大臣之ヲ特達ス
第十七条 合同会議ヲ開クトキハ砲工兵両会議議長中高級故参ノ者議長トナリ下級ノ者ハ議員ニ列シ表決ニ与カルモノトス本条第二項ノ場合ニ於テハ高級故参ノ者モ亦同シ
議事ノ必要ニ依リ陸軍大臣ハ特ニ他ノ将官ヲ以テ議長ニ命スルコトアルヘシ但其議事了レハ直チニ解任スルモノトス
第十八条 合同会議ハ総テ本会議ノ規定ニ拠ル
第十九条 合同会議議長ハ砲工兵両会議ノ審査官ヲシテ第五条ノ事項ヲ処理セシムルモノトス