第十八條 天皇旗皇后旗皇太子旗及皇族旗ニ對シ行フ禮砲ヲ皇禮砲ト謂フ
第十九條 天皇帝國軍艦ノ在泊セル港灣又ハ海岸砲臺所在地ニ著御發御若クハ其ノ近傍通御ノトキハ在泊ノ各軍艦及該砲臺ヨリ皇禮砲ヲ行フヘシ
第二十條 天皇軍艦ニ臨御ノトキハ皇禮砲ヲ行フ所在各軍艦ニ於テモ亦臨御ノ軍艦ト齊シク皇禮砲ヲ行フヘシ但時宜ニ依リ乘御ノ舟艇本艦ニ近接セサル前ニ於テ禮砲ヲ畢ルコトヲ得
第二十一條 天皇軍艦ヨリ還御ノトキハ皇禮砲ヲ行フ所在各軍艦ニ於テモ亦該艦ト齊シク皇禮砲ヲ行フヘシ
第二十二條 軍艦海上ニ於テ天皇旗ヲ揭クル艦船ニ遇フトキ又ハ天皇旗ヲ揭ケアル場所ニ來著シ若クハ之ニ近接シテ航行スルトキハ必ス皇禮砲ヲ行フヘシ
第二十三條 天皇一境域內ニ滯御ノトキハ最初著御ノトキト最後發御ノトキノミ第十九條ノ禮砲ヲ行フモノトス但第二十條第二十一條ノ禮砲ハ此ノ限ニアラス若シ同日數隻ノ軍艦ニ臨御ノトキハ所在海軍先任官ハ適宜禮砲施行ノ場合ヲ定ムルコトヲ得
第二十四條 皇后旗皇太子旗及皇族旗ニ對シテハ天皇旗ニ對スルト同一ノ例ニ依リ皇禮砲ヲ行フヘシ但皇族旗ヲ揭クル皇族軍艦ニ來乘ノ時ハ其ノ來艦退艦ノ時該艦ノミ皇禮砲ヲ行フヘシ
第二十五條 天皇旗皇后旗皇太子旗及皇族旗ヲ揭揚セル間該地ニテハ帝國國旗ニ對スル禮砲ノ答砲ノ外總テ禮砲ヲ行フコトナシ
第二十六條 皇族ニ對シテハ公式ノ場合ニアラサレハ皇禮砲ヲ行ハス皇族ノ資格ニアラサル場合ニハ其ノ官職相當ノ禮遇ニ止マリ皇禮砲ヲ行フコトナシ
第二十七條 天皇旗皇后旗皇太子旗及皇族旗ハ唯皇禮砲ヲ受クルノミニシテ答砲ヲ行フコトナシ
第二十八條 外國ノ皇帝太皇太后皇太后皇后皇太子及皇太子妃又ハ大統領ニ對シテハ天皇旗ヲ揭クル場合ニ該國ノ軍艦旗(軍艦旗ノ制ナキ國ニ對シテハ國旗)ヲ揭クル外天皇旗ニ對スルト同一ノ例ニ依リ皇禮砲ヲ行フヘシ
第二十九條 前條ノ外ノ外國ノ皇族ニ對シテハ皇族旗ヲ揭クル場合ニ該國ノ軍艦旗(軍艦旗ノ制ナキ國ニ對シテハ國旗)ヲ揭クル外皇族旗ニ對スルト同一ノ例ニ依リ皇禮砲ヲ行フヘシ
第三十條 左ノ祝日ニハ各軍艦及砲臺ヨリ正午ニ皇禮砲ヲ行フヘシ
右ノ祝日ニ當リ帝國軍艦外國ノ軍艦ト同所ニ在泊スルトキハ所在我海軍先任官ハ其ノ前日ニ士官ヲ各外國軍艦ノ海軍先任官ニ遣シ之ニ我祝日ノ吿知ヲナスヘシ
外國港灣ニ在リテハ所在地方廳ヲ經テ所在砲臺ニモ前項ノ吿知ヲナスヘシ
此ノ場合ニ於テハ該地ニ駐箚ノ我外務官吏アルトキハ豫メ之ト協議スルヲ要ス
前二項ノ吿知ヲ受ケ敬意ヲ表シタル各外國軍艦ノ海軍先任官及外國砲臺ノ長ニハ翌日士官ヲ遣シ謝意ヲ通スヘシ
內國港灣ニ外國軍艦ノミ在泊シ帝國軍艦在泊セサルトキハ該地ノ地方長官ハ部下ノ官吏ヲ遣シ本條ノ第二項及第四項ノ事ヲ行フヘシ
第三十一條 我軍艦內國ノ諸港灣ニ在テ同所在泊外國軍艦ノ其ノ本國ニ於ケル祝日等ニ會スルトキ又ハ外國ノ諸港灣ニ在テ該國ノ祝日或ハ同所ニ在泊スル他ノ外國軍艦ノ其ノ本國ニ於ケル祝日等ニ會スルトキ彼ヨリ我海軍先任官ニ公然吿知ヲナストキハ我軍艦ニ於テ禮砲ヲ行フヘシ但其ノ砲數ハ二十一發ヲ超ユヘカラス