(海上衝突予防法中改正法律)
法令番号: 法律第四十三號
公布年月日: 明治30年4月1日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル海上衝突豫防法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年三月三十日
內閣總理大臣 伯爵 松方正義
海軍大臣 侯爵 西鄕從道
遞信大臣 子爵 野村靖
法律第四十三號
明治二十五年法律第五號海上衝突豫防法中左ノ通改正ス
第七條中「總積量四十噸未滿ノ汽船」ノ下「及㯭櫂若ハ帆ヲ以テ運轉スル二十噸未滿ノ船」ヲ「總積量二十噸未滿ノ帆船及㯭櫂ヲ以テ運轉スル船」ニ改メ同條第三項中「㯭櫂若ハ帆ヲ以テ運轉スル二十噸未滿ノ船ハ」ヲ「二十噸未滿ノ帆船ハ帆ヲ用ウルト㯭櫂ヲ用ウルトニ拘ハラス」ニ改メ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
四 㯭櫂ヲ以テ運轉スル船ハ㯭櫂ヲ用ウルト帆ヲ用ウルトニ拘ハラス白色ノ燈籠一箇ヲ手近カニ備置キ衝突ヲ防クニ充分ナル時間ヲ見定メテ臨時之ヲ表示スヘシ
第九條 削除
第十五條第五項ヲ左ノ通改メ同條第六項第七項第八項及第九項ヲ削除ス
五 他船ヲ引キテ運航スル船舶、海底電信線ノ布設若ハ引揚ニ從事スル船舶及航行中運轉自由ヲ得スシテ近寄リ來ル他船ノ航路ヲ避ケ能ハサルカ又ハ本法ニ遵テ運轉シ能ハサル船舶ハ本條第一項及第三項ニ規定シタル信號ノ代リニ二分時ヨリ多カラサル間隙ヲ以テ三聲ヲ連發シ卽チ長聲ヲ一發シタル後直ニ短聲ヲ二發スヘシ又他船ニ引カレテ運航スル船舶モ此ノ信號ヲ爲スハ妨ナシト雖他ノ信號ヲ爲スヘカラス
第二十一條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ他船ニ於テ天氣密濛又ハ其ノ他ノ事故ニ因リ航路ヲ避クル船ノ處置ノミニテハ衝突ヲ避ケ能ハサル程兩船接近シタルコトヲ認ムルトキハ自ラ亦臨機衝突ヲ避クルニ至當ノ處置ヲ爲スヘシ
第三十一條晝間信號第一項中及夜間信號第一項中「一砲發ヲ爲ス」ヲ「砲又ハ其ノ他ノ爆裂發火信號ヲ一發ス」ニ改メ晝間信號第四項ヲ削除シ同第五項ヲ第四項ニ繰上ケ夜間信號第三項中「空中ニ高響及」ノ六字ヲ削除ス
附 則
此ノ法律ハ明治三十年七月一日ヨリ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル海上衝突予防法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年三月三十日
内閣総理大臣 伯爵 松方正義
海軍大臣 侯爵 西郷従道
逓信大臣 子爵 野村靖
法律第四十三号
明治二十五年法律第五号海上衝突予防法中左ノ通改正ス
第七条中「総積量四十噸未満ノ汽船」ノ下「及㯭櫂若ハ帆ヲ以テ運転スル二十噸未満ノ船」ヲ「総積量二十噸未満ノ帆船及㯭櫂ヲ以テ運転スル船」ニ改メ同条第三項中「㯭櫂若ハ帆ヲ以テ運転スル二十噸未満ノ船ハ」ヲ「二十噸未満ノ帆船ハ帆ヲ用ウルト㯭櫂ヲ用ウルトニ拘ハラス」ニ改メ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
四 㯭櫂ヲ以テ運転スル船ハ㯭櫂ヲ用ウルト帆ヲ用ウルトニ拘ハラス白色ノ灯籠一箇ヲ手近カニ備置キ衝突ヲ防クニ充分ナル時間ヲ見定メテ臨時之ヲ表示スヘシ
第九条 削除
第十五条第五項ヲ左ノ通改メ同条第六項第七項第八項及第九項ヲ削除ス
五 他船ヲ引キテ運航スル船舶、海底電信線ノ布設若ハ引揚ニ従事スル船舶及航行中運転自由ヲ得スシテ近寄リ来ル他船ノ航路ヲ避ケ能ハサルカ又ハ本法ニ遵テ運転シ能ハサル船舶ハ本条第一項及第三項ニ規定シタル信号ノ代リニ二分時ヨリ多カラサル間隙ヲ以テ三声ヲ連発シ即チ長声ヲ一発シタル後直ニ短声ヲ二発スヘシ又他船ニ引カレテ運航スル船舶モ此ノ信号ヲ為スハ妨ナシト雖他ノ信号ヲ為スヘカラス
第二十一条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ他船ニ於テ天気密濛又ハ其ノ他ノ事故ニ因リ航路ヲ避クル船ノ処置ノミニテハ衝突ヲ避ケ能ハサル程両船接近シタルコトヲ認ムルトキハ自ラ亦臨機衝突ヲ避クルニ至当ノ処置ヲ為スヘシ
第三十一条昼間信号第一項中及夜間信号第一項中「一砲発ヲ為ス」ヲ「砲又ハ其ノ他ノ爆裂発火信号ヲ一発ス」ニ改メ昼間信号第四項ヲ削除シ同第五項ヲ第四項ニ繰上ケ夜間信号第三項中「空中ニ高響及」ノ六字ヲ削除ス
附 則
此ノ法律ハ明治三十年七月一日ヨリ施行ス