市町村立小学校教員年功加俸国庫補助法
法令番号: 法律第十四號
公布年月日: 明治29年3月24日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル市町村立小學校敎員年功加俸國庫補助法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月二十三日
內閣總理大臣臨時代理 樞密院議長 伯爵 黑田淸隆
大藏大臣 子爵 渡邊國武
文部大臣 侯爵 西園寺公望
法律第十四號
市町村立小學校敎員年功加俸國庫補助法
第一條 市町村立尋常小學校及高等小學校ノ正敎員及准敎員ニシテ五箇年以上同一學校ニ勤續スル者ニハ國庫ヨリ年功加俸ヲ給ス
第二條 年功加俸ハ五箇年勤續シタル者ニ本俸ノ百分ノ十五ヲ給シ後五箇年ヲ加フル每ニ更ニ百分ノ十ヲ加ヘ百分ノ三十五ニ至リテ止ム
第三條 此ノ法律施行前ヨリ勤續スル者ニ對シテハ明治二十三年勅令第二百十五號小學校令發布後ニ於ケル勤務ノ月ヨリ其ノ勤續年數ヲ起算ス
第四條 明治二十三年勅令第二百十五號小學校令施行前又ハ同令ヲ施行セサル地方ニ於ケル訓導及訓導ノ資格アル學校長ハ此ノ法律ニ於ケル正敎員トシ其ノ授業生及授業生ノ資格アル學校長ハ此ノ法律ニ於ケル准敎員トス
第五條 學校ノ廢止若ハ學校編制ノ變更ニ因リ他ノ學校ニ轉任シ又ハ同一ノ事由ニ因リ退職シタル後六十日以內ニ他ノ學校ニ就職シタル者ハ仍勤續ノ例ニ依ル
第六條 兵役ニ服スル爲其ノ職ヲ去リタル者兵役ヲ終リタル後九十日以內ニ更ニ就職シタルトキハ前後ノ在職年數ヲ勤續年數ニ通算ス
第七條 年功加俸ハ明治二十三年法律第九十號市町村立小學校敎員退隱料及遺族扶助料法ニ規定シタル諸給與及納金ノ關係ニ於テ本俸ニ加算ス
第八條 市町村、町村學校組合及區ハ寄附又ハ其ノ他ノ名義ヲ用井實際ノ支給額ヲ本俸額ヨリ低減スルコトヲ得ス但シ勅令又ハ省令ノ規定ニ依ルモノハ此ノ限ニ在ラス
第九條 此ノ法律施行ノ爲ニ必要ナル規則ハ文部大臣之ヲ定ム
附 則
第十條 此ノ法律ハ明治二十九年十月一日ヨリ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル市町村立小学校教員年功加俸国庫補助法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月二十三日
内閣総理大臣臨時代理 枢密院議長 伯爵 黒田清隆
大蔵大臣 子爵 渡辺国武
文部大臣 侯爵 西園寺公望
法律第十四号
市町村立小学校教員年功加俸国庫補助法
第一条 市町村立尋常小学校及高等小学校ノ正教員及准教員ニシテ五箇年以上同一学校ニ勤続スル者ニハ国庫ヨリ年功加俸ヲ給ス
第二条 年功加俸ハ五箇年勤続シタル者ニ本俸ノ百分ノ十五ヲ給シ後五箇年ヲ加フル毎ニ更ニ百分ノ十ヲ加ヘ百分ノ三十五ニ至リテ止ム
第三条 此ノ法律施行前ヨリ勤続スル者ニ対シテハ明治二十三年勅令第二百十五号小学校令発布後ニ於ケル勤務ノ月ヨリ其ノ勤続年数ヲ起算ス
第四条 明治二十三年勅令第二百十五号小学校令施行前又ハ同令ヲ施行セサル地方ニ於ケル訓導及訓導ノ資格アル学校長ハ此ノ法律ニ於ケル正教員トシ其ノ授業生及授業生ノ資格アル学校長ハ此ノ法律ニ於ケル准教員トス
第五条 学校ノ廃止若ハ学校編制ノ変更ニ因リ他ノ学校ニ転任シ又ハ同一ノ事由ニ因リ退職シタル後六十日以内ニ他ノ学校ニ就職シタル者ハ仍勤続ノ例ニ依ル
第六条 兵役ニ服スル為其ノ職ヲ去リタル者兵役ヲ終リタル後九十日以内ニ更ニ就職シタルトキハ前後ノ在職年数ヲ勤続年数ニ通算ス
第七条 年功加俸ハ明治二十三年法律第九十号市町村立小学校教員退隠料及遺族扶助料法ニ規定シタル諸給与及納金ノ関係ニ於テ本俸ニ加算ス
第八条 市町村、町村学校組合及区ハ寄附又ハ其ノ他ノ名義ヲ用井実際ノ支給額ヲ本俸額ヨリ低減スルコトヲ得ス但シ勅令又ハ省令ノ規定ニ依ルモノハ此ノ限ニ在ラス
第九条 此ノ法律施行ノ為ニ必要ナル規則ハ文部大臣之ヲ定ム
附 則
第十条 此ノ法律ハ明治二十九年十月一日ヨリ施行ス