現行の郡制は一部地域でのみ施行され、多くの不完全な点がある。特に選挙制度において、郡会議員を町村会議員が選び、県会議員を郡会が選ぶ復選制は、少数での脅迫や賄賂が行われやすい。また町村の人口比に応じた議員配分が不公平で、小規模村が有利になる場合がある。さらに、町村自治を損なう政党間の争いを引き起こしている。郡長の選任についても、現在の官選制では上司の意向ばかりを気にして人民の意思と乖離する傾向がある。そこで、選挙制度を普通選挙に改め、郡長も市長同様に郡会による公選制とすることで、地域の実情に即した行政運営が可能になり、経費削減にもつながる。
参照した発言:
第8回帝国議会 衆議院 本会議 第3号