第一條 明治七年佐賀及臺灣ノ役明治九年熊本及山口ノ役明治十年鹿兒島ノ役ニ從軍シ戰鬪若ハ公務ノ爲死歿シ又ハ傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ニ原因シテ死歿シタル軍人軍屬ノ現存セル遺父母及祖父母ニハ當時ノ法規ニ依リ從軍者ノ寡婦ノ受ケタル若ハ受クヘキ扶助料ヲ給ス
前項ノ戰役ニ當リ臨時軍隊ニ編入セラレタル者及戰地ニ派遣セラレタル軍人軍屬ニシテ死歿ノ原因從軍者ト同シキトキハ其ノ遺父母及祖父母ハ前項ニ依ラシム
前二項ニ揭クル父母祖父母ハ軍人軍屬及臨時軍隊ニ編入セラレタル者戰死ノ時又ハ死歿ノ原因トナリタル傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リタル時ノ陸海軍兵籍簿中若ハ戶籍簿中ニ在ル者ニ限ル
第二條 第一條ニ當ル父母祖父母アルモ同一戶籍內ニ於テ現ニ扶助料ヲ受クル者アルトキハ其ノ間扶助料ヲ給セス
第四條 扶助料ヲ受クル者ノ權利消滅停止及停止中扶助料ノ支給竝ニ扶助料ノ轉給及支給ノ順序ハ現行軍人恩給法ノ定ムル所ニ依ル
第五條 遺父母及祖父母ニシテ廢家其ノ他ノ事故ニ因リ他家ニ入籍シタル者遲クモ本法施行後三箇年內ニ廢家再興又ハ復籍スルトキハ其ノ再興又ハ復籍ノ日ヨリ本法ニ依リ扶助料ヲ受クルコトヲ得
第六條 扶助料ハ轉給ノ場合ヲ除クノ外本法施行ノ日ヨリ三箇年內ニ請求セサルトキハ其ノ權利ヲ抛棄シタルモノトス