陸軍工兵監護補充条例
法令番号: 勅令第三號
公布年月日: 明治22年1月17日
法令の形式: 勅令
朕陸軍工兵監護補充條例ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年一月十六日
內閣總理大臣 伯爵 黑田淸隆
陸軍大臣 伯爵 大山巖
勅令第三號
陸軍工兵監護補充條例
第一條 工兵監護ノ補充ハ現役工兵曹長工兵一等軍曹一等軍曹ハ實役停年一箇年以上ノ者中志願者ニシテ其入隊ノ日教導團卒業者ヨリ下士ニ任セラレタル者ハ任官ノ日以下之ニ傚フヨリ起算シ七箇年以上現役ニ服シ所定ノ檢査ニ合格シタル者ヲ以テス
第二條 陸軍省工兵局長ハ前條合格者各級中ニ於テ優劣ヲ比較シ其列序ヲ定メ工兵監護候補名簿ヲ製シ陸軍大臣ニ呈ス可シ
陸軍大臣ハ候補名簿決定ノ後之ヲ工兵局長ニ下ス工兵局長ハ缺員アル每ニ候補名簿ノ列序ニ從ヒ之ヲ監護ニ任ス
第三條 工兵監護ノ服役年限ハ監護ニ任シタル日ヨリ更ニ四箇年間現役ニ服セシム其役終ルトキハ入隊ノ日ヨリ起算シ十二箇年ニ滿タサル者ハ其未滿ノ年月間後備役ニ服セシム
第四條 現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ現役ニ堪ヘ難キ者ハ其役ヲ免ス但入隊ノ日ヨリ起算シ十二箇年ニ滿タサルトキハ後備役ニ編入ス
第五條 現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ永久服役ニ堪ヘ難キ者ハ兵役ヲ免ス
第六條 第四條第五條ニ當ルモノアルトキハ所屬ノ長官ヨリ工兵局長ニ移牒シ工兵局長ハ陸軍大臣ノ認可ヲ請ケ現役若クハ兵役ヲ免ス
第七條 現役中禁錮ノ刑ニ處セラレ又ハ逃亡シタル者ハ其刑期中及逃亡中ノ日數ハ服役年期ニ算入セス
第八條 服役期限既ニ滿ツルト雖モ戰時或ハ事變ニ際スルトキハ其期限ヲ延スコトアル可シ
朕陸軍工兵監護補充条例ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年一月十六日
内閣総理大臣 伯爵 黒田清隆
陸軍大臣 伯爵 大山巌
勅令第三号
陸軍工兵監護補充条例
第一条 工兵監護ノ補充ハ現役工兵曹長工兵一等軍曹一等軍曹ハ実役停年一箇年以上ノ者中志願者ニシテ其入隊ノ日教導団卒業者ヨリ下士ニ任セラレタル者ハ任官ノ日以下之ニ倣フヨリ起算シ七箇年以上現役ニ服シ所定ノ検査ニ合格シタル者ヲ以テス
第二条 陸軍省工兵局長ハ前条合格者各級中ニ於テ優劣ヲ比較シ其列序ヲ定メ工兵監護候補名簿ヲ製シ陸軍大臣ニ呈ス可シ
陸軍大臣ハ候補名簿決定ノ後之ヲ工兵局長ニ下ス工兵局長ハ欠員アル毎ニ候補名簿ノ列序ニ従ヒ之ヲ監護ニ任ス
第三条 工兵監護ノ服役年限ハ監護ニ任シタル日ヨリ更ニ四箇年間現役ニ服セシム其役終ルトキハ入隊ノ日ヨリ起算シ十二箇年ニ満タサル者ハ其未満ノ年月間後備役ニ服セシム
第四条 現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ現役ニ堪ヘ難キ者ハ其役ヲ免ス但入隊ノ日ヨリ起算シ十二箇年ニ満タサルトキハ後備役ニ編入ス
第五条 現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ永久服役ニ堪ヘ難キ者ハ兵役ヲ免ス
第六条 第四条第五条ニ当ルモノアルトキハ所属ノ長官ヨリ工兵局長ニ移牒シ工兵局長ハ陸軍大臣ノ認可ヲ請ケ現役若クハ兵役ヲ免ス
第七条 現役中禁錮ノ刑ニ処セラレ又ハ逃亡シタル者ハ其刑期中及逃亡中ノ日数ハ服役年期ニ算入セス
第八条 服役期限既ニ満ツルト雖モ戦時或ハ事変ニ際スルトキハ其期限ヲ延スコトアル可シ