集治監官制
法令番号: 勅令第七十七號
公布年月日: 明治19年12月2日
法令の形式: 勅令
朕集治監官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治十九年十二月一日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
內務大臣 伯爵 山縣有朋
勅令第七十七號
集治監官制
第一條 集治監ニ左ノ職員ヲ置ク
典獄
副典獄
書記
看守長
監獄醫
第二條 典獄一人奏任三等又ハ四等トス內務大臣ノ指揮監督ヲ受ケ監獄ノ事務ヲ管理ス
第三條 典獄ハ所屬ノ官吏ヲ統督シ判任官ノ進退ハ內務大臣ニ具狀シ看守以下ハ之ヲ專行ス
第四條 典獄ハ內務大臣ニ具狀シテ判任官ノ定員ヲ設ケ及ヒ臨時ノ須要ニ由リ判任官定員ノ外ニ俸給豫算定額內ニ於テ雇員ヲ使用スルコトヲ得
第五條 典獄ハ每會計年度末ニ於テ判任官以下使用ノ狀況ヲ具ヘ臨時須要ニ由リ使用シタル雇員ノ日數及ヒ金額ヲ細分統計シ內務大臣ニ報吿スヘシ
第六條 典獄ハ一周年末ニ其監ノ豫算定額內ニ於テ判任官以下特別勤勞アル者ヲ賞與スルコトヲ得其判任官ニ係ルモノハ內務大臣ニ具狀シ看守以下ニ係ルモノハ之ヲ專行ス
第七條 典獄ハ法律命令ノ定ムル所ニ從ヒ所屬官吏ヲ懲戒ス其判任官ニ係ルモノハ內務大臣ニ具狀シ看守以下ハ之ヲ專行ス
第八條 典獄ハ內務大臣ノ認可ヲ經テ處務細則ヲ定ムルコトヲ得
第九條 副典獄一人判任一等トス典獄ノ事務ヲ佐ク典獄事故アルトキハ內務大臣ノ命ニ依リ其事務ヲ代理ス
第十條 書記ハ判任トス二等ヨリ十等ニ至ル典獄ノ命ヲ受ケ書記薄記計算ヲ掌ル
第十一條 看守長ハ判任トス二等ヨリ十等ニ至ル典獄ノ命ヲ受ケ監獄ヲ戒護シ看守ヲ指揮ス
第十二條 監獄醫ハ判任トス二等ヨリ十等ニ至ル典獄ノ命ヲ受ケ監獄ニ係ル醫務ニ從事ス
第十三條 看守ニ係ル規程ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第十四條 集治監ノ事務ヲ分掌スル爲メ庶務課、警守課、工役課、會計課、及ヒ醫務所ヲ置ク
第十五條 各課ニ課長一人醫務所ニ所長一人ヲ置ク
庶務工役會計課長ハ書記、警守課長ハ看守長、醫務所長ハ監獄醫ヲ以テ之ニ充ツ
第十六條 課長所長ハ典獄ノ命ヲ受ケ主務ヲ處理ス
第十七條 庶務課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 諸官廳其他往復文書ノ授受發送ニ關スル事
二 監獄ニ係ル公文圖書類ヲ保存スル事
三 監獄ノ構造方法ニ關スル事
四 囚徒ノ出入ニ關スル事
五 囚徒ノ名籍並ニ刑期ヲ調査スル事
六 囚徒ノ願訴ニ關スル事
七 囚徒ノ貨物領置ニ關スル事
八 給與品及ヒ差入品ニ關スル事
九 敎誨並ニ衞生ニ關スル事
十 特赦及ヒ假出獄免幽閉ニ關スル事
十一 監獄ニ關スル統計表ヲ調製スル事
十二 監獄ニ係ル事務ニシテ他課ノ主管ニ屬セサル事
第十八條 警守課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 囚徒ノ戒護ニ關スル事
二 囚徒ノ書信接見ニ關スル事
三 囚徒ノ疾病死亡逃走ニ關スル事
四 囚徒ノ賞罰ニ關スル事
五 囚徒ノ行狀錄ヲ調製スル事
六 囚徒ノ作業ヲ督勵スル事
七 囚徒ノ願訴ヲ受付スル事
第十九條 工役課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 工業ニ關スル事
二 服役囚徒ノ科程並ニ工錢ヲ定ムル事
三 工業ニ要スル器具材料ヲ調査スル事
四 製作物品ヲ審査スル事
第二十條 會計課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 經費ノ豫算決算ニ關スル事
二 金錢物品ノ出納ニ關スル事
三 囚徒ノ工錢給與ニ關スル事
四 製作品ノ販賣ニ關スル事
五 監獄一切ノ需用品ヲ供給スル事
六 監獄ノ建物其他ノ財產ヲ保管スル事
第二十一條 醫務所ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 囚徒ノ疾病診察治療及ヒ藥劑ニ關スル事
朕集治監官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治十九年十二月一日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
内務大臣 伯爵 山県有朋
勅令第七十七号
集治監官制
第一条 集治監ニ左ノ職員ヲ置ク
典獄
副典獄
書記
看守長
監獄医
第二条 典獄一人奏任三等又ハ四等トス内務大臣ノ指揮監督ヲ受ケ監獄ノ事務ヲ管理ス
第三条 典獄ハ所属ノ官吏ヲ統督シ判任官ノ進退ハ内務大臣ニ具状シ看守以下ハ之ヲ専行ス
第四条 典獄ハ内務大臣ニ具状シテ判任官ノ定員ヲ設ケ及ヒ臨時ノ須要ニ由リ判任官定員ノ外ニ俸給予算定額内ニ於テ雇員ヲ使用スルコトヲ得
第五条 典獄ハ毎会計年度末ニ於テ判任官以下使用ノ状況ヲ具ヘ臨時須要ニ由リ使用シタル雇員ノ日数及ヒ金額ヲ細分統計シ内務大臣ニ報告スヘシ
第六条 典獄ハ一周年末ニ其監ノ予算定額内ニ於テ判任官以下特別勤労アル者ヲ賞与スルコトヲ得其判任官ニ係ルモノハ内務大臣ニ具状シ看守以下ニ係ルモノハ之ヲ専行ス
第七条 典獄ハ法律命令ノ定ムル所ニ従ヒ所属官吏ヲ懲戒ス其判任官ニ係ルモノハ内務大臣ニ具状シ看守以下ハ之ヲ専行ス
第八条 典獄ハ内務大臣ノ認可ヲ経テ処務細則ヲ定ムルコトヲ得
第九条 副典獄一人判任一等トス典獄ノ事務ヲ佐ク典獄事故アルトキハ内務大臣ノ命ニ依リ其事務ヲ代理ス
第十条 書記ハ判任トス二等ヨリ十等ニ至ル典獄ノ命ヲ受ケ書記薄記計算ヲ掌ル
第十一条 看守長ハ判任トス二等ヨリ十等ニ至ル典獄ノ命ヲ受ケ監獄ヲ戒護シ看守ヲ指揮ス
第十二条 監獄医ハ判任トス二等ヨリ十等ニ至ル典獄ノ命ヲ受ケ監獄ニ係ル医務ニ従事ス
第十三条 看守ニ係ル規程ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第十四条 集治監ノ事務ヲ分掌スル為メ庶務課、警守課、工役課、会計課、及ヒ医務所ヲ置ク
第十五条 各課ニ課長一人医務所ニ所長一人ヲ置ク
庶務工役会計課長ハ書記、警守課長ハ看守長、医務所長ハ監獄医ヲ以テ之ニ充ツ
第十六条 課長所長ハ典獄ノ命ヲ受ケ主務ヲ処理ス
第十七条 庶務課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 諸官庁其他往復文書ノ授受発送ニ関スル事
二 監獄ニ係ル公文図書類ヲ保存スル事
三 監獄ノ構造方法ニ関スル事
四 囚徒ノ出入ニ関スル事
五 囚徒ノ名籍並ニ刑期ヲ調査スル事
六 囚徒ノ願訴ニ関スル事
七 囚徒ノ貨物領置ニ関スル事
八 給与品及ヒ差入品ニ関スル事
九 教誨並ニ衛生ニ関スル事
十 特赦及ヒ仮出獄免幽閉ニ関スル事
十一 監獄ニ関スル統計表ヲ調製スル事
十二 監獄ニ係ル事務ニシテ他課ノ主管ニ属セサル事
第十八条 警守課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 囚徒ノ戒護ニ関スル事
二 囚徒ノ書信接見ニ関スル事
三 囚徒ノ疾病死亡逃走ニ関スル事
四 囚徒ノ賞罰ニ関スル事
五 囚徒ノ行状録ヲ調製スル事
六 囚徒ノ作業ヲ督励スル事
七 囚徒ノ願訴ヲ受付スル事
第十九条 工役課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 工業ニ関スル事
二 服役囚徒ノ科程並ニ工銭ヲ定ムル事
三 工業ニ要スル器具材料ヲ調査スル事
四 製作物品ヲ審査スル事
第二十条 会計課ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 経費ノ予算決算ニ関スル事
二 金銭物品ノ出納ニ関スル事
三 囚徒ノ工銭給与ニ関スル事
四 製作品ノ販売ニ関スル事
五 監獄一切ノ需用品ヲ供給スル事
六 監獄ノ建物其他ノ財産ヲ保管スル事
第二十一条 医務所ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 囚徒ノ疾病診察治療及ヒ薬剤ニ関スル事