合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律
法令番号: 法律第48号
公布年月日: 平成28年5月20日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

我が国または外国における違法な森林の伐採及び違法伐採に係る木材の流通が、地球温暖化の防止、自然環境の保全、林産物の供給等の森林の有する多面的機能に影響を及ぼすおそれがあり、また木材市場における公正な取引を害するおそれがあることに鑑み、自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的かつ健全な発展を図り、地域及び地球の環境の保全に資することを目的とする。

参照した発言:
第190回国会 衆議院 農林水産委員会 第5号

審議経過

第190回国会

衆議院
(平成28年4月26日)
(平成28年4月28日)
参議院
(平成28年5月12日)
(平成28年5月13日)
合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十八年五月二十日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第四十八号
合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
基本方針等(第三条―第五条)
第三章
木材関連事業者の判断の基準となるべき事項等(第六条・第七条)
第四章
木材関連事業者の登録(第八条―第十五条)
第五章
登録実施機関(第十六条―第三十条)
第六章
雑則(第三十一条―第三十五条)
第七章
罰則(第三十六条―第四十条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、我が国又は外国における違法な森林の伐採(以下「違法伐採」という。)及び違法伐採に係る木材の流通が地球温暖化の防止、自然環境の保全、林産物の供給等の森林の有する多面にわたる機能に影響を及ぼすおそれがあり、また、木材市場における公正な取引を害するおそれがあるものであることに鑑み、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関し基本的な事項を定めるとともに、木材関連事業者による合法伐採木材等の利用の確保のための措置等を講ずることにより、自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的かつ健全な発展を図り、もって地域及び地球の環境の保全に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「木材等」とは、木材(一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたもの及びこれらを材料とするものを除く。以下この条において同じ。)及び木材を加工し、又は主たる原料として製造した家具、紙等の物品であって主務省令で定めるもの(一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたものを除く。)をいう。
2 この法律において「合法伐採木材等」とは、我が国又は原産国の法令(我が国の法令にあっては、条例を含む。第六条第一項第一号において同じ。)に適合して伐採された樹木を材料とする木材及び当該木材を加工し、又は主たる原料として製造した家具、紙等の物品であって主務省令で定めるもの(一度使用され、又は使用されずに収集され、若しくは廃棄されたものを除く。)をいう。
3 この法律において「木材関連事業者」とは、木材等の製造、加工、輸入、輸出又は販売(消費者に対する販売を除く。)をする事業、木材を使用して建築物その他の工作物の建築又は建設をする事業その他木材等を利用する事業であって主務省令で定めるものを行う者をいう。
第二章 基本方針等
(基本方針)
第三条 主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を総合的かつ計画的に推進するため、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する基本方針(以下この条及び第六条第二項において単に「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 合法伐採木材等の流通及び利用の促進の基本的方向
二 合法伐採木材等の流通及び利用の促進のための措置に関する事項
三 合法伐採木材等の流通及び利用の促進の意義に関する知識の普及に係る事項
四 その他合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する重要事項
3 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを改定しようとするときは、環境大臣その他の関係行政機関の長に協議しなければならない。
4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを改定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(国の責務)
第四条 国は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
2 国は、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に資するため、国内外の木材等の生産及び流通の状況並びに我が国及び外国の森林の持続可能な利用に関する法令、貿易等に関する法令その他木材等の適正な流通の確保に関する法令に関する情報の収集及び提供その他の必要な措置を講ずるとともに、第八条の木材関連事業者の登録が促進されるよう、当該登録に係る制度の周知、第十三条第一項に規定する登録木材関連事業者による取組のうちその状況が優良なものの公表その他の必要な措置を講ずるものとする。
3 国は、教育活動、広報活動等を通じて、合法伐採木材等の流通及び利用を促進する意義に関する事業者及び国民の理解を深めるよう必要な措置を講ずるものとする。
(事業者の責務)
第五条 事業者は、木材等を利用するに当たっては、合法伐採木材等を利用するよう努めなければならない。
第三章 木材関連事業者の判断の基準となるべき事項等
(木材関連事業者の判断の基準となるべき事項)
第六条 主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するため、主務省令で、木材関連事業者が合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置に関し、木材関連事業者の判断の基準となるべき次に掲げる事項を定めるものとする。
一 木材関連事業者が取り扱う木材等が我が国又は原産国の法令に適合して伐採されていることの確認に関する事項
二 前号の確認ができない場合において合法伐採木材等の利用を確保するために木材関連事業者が追加的に実施することが必要な措置に関する事項
三 木材関連事業者が木材等を譲り渡すときに必要な措置に関する事項
四 第一号の確認及び第二号の措置に係る記録の管理に関する事項その他主務省令で定める事項
2 前項の木材関連事業者の判断の基準となるべき事項は、基本方針に即し、かつ、国内外の木材等の生産及び流通の状況、我が国及び外国の森林の持続可能な利用に関する法令、貿易等に関する法令その他木材等の適正な流通の確保に関する法令の執行の状況、木材関連事業者の営む事業の種類その他の事情を勘案して定めるものとし、これらの事情の変動に応じて必要な改定をするものとする。
(指導及び助言)
第七条 主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するため必要があると認めるときは、木材関連事業者に対し、前条第一項の木材関連事業者の判断の基準となるべき事項を勘案して、合法伐採木材等の利用を確保するための措置について必要な指導及び助言をすることができる。
第四章 木材関連事業者の登録
(木材関連事業者の登録)
第八条 木材関連事業者であってその取り扱う木材等について合法伐採木材等の利用を確保するための措置を講ずるものは、主務省令で定めるところにより、第十六条から第十八条までの規定により主務大臣の登録を受けた者(以下「登録実施機関」という。)が行う登録を受けることができる。
(登録の申請)
第九条 前条の木材関連事業者の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を登録実施機関に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 合法伐採木材等の利用を確保するための措置を講ずる事業の範囲に係る事項として主務省令で定める事項
2 前項の申請書には、講じようとする合法伐採木材等の利用を確保するための措置の内容について主務省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
(登録の実施)
第十条 登録実施機関は、前条の規定による登録の申請があったときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次に掲げる事項を木材関連事業者登録簿に登録しなければならない。
一 前条第一項各号に掲げる事項
二 登録年月日及び登録番号
2 登録実施機関は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録の申請者に通知するとともに、主務省令で定める事項を公示しなければならない。
(登録の拒否)
第十一条 登録実施機関は、第九条の規定による登録の申請が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を拒否しなければならない。
一 申請者が、第六条第一項の木材関連事業者の判断の基準となるべき事項を踏まえ、その取り扱う木材等について合法伐採木材等の利用を確保するための措置を適切かつ確実に講ずる者と認められないとき。
二 申請者がこの法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から一年を経過しない者であるとき。
三 申請者が第十四条第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から一年を経過しない者であるとき。
四 申請者が法人である場合において、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるとき。
2 登録実施機関は、前項の規定により登録の拒否をしたときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録の申請者に通知しなければならない。
(登録の更新)
第十二条 第八条の木材関連事業者の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前三条の規定は、前項の更新について準用する。
(名称の使用等)
第十三条 第八条の木材関連事業者の登録を受けた者(以下「登録木材関連事業者」という。)は、主務省令で定めるところにより、当該登録に係る合法伐採木材等の利用を確保するための措置を講ずる事業の範囲において、登録木材関連事業者という名称を用いることができる。
2 登録木材関連事業者は、前項に定める場合を除き、登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
3 登録木材関連事業者以外の者は、登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
(登録の取消し)
第十四条 登録実施機関は、登録木材関連事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該登録木材関連事業者について登録を取り消すことができる。
一 第十一条第一項各号のいずれかに該当するに至ったとき。
二 前条第二項の規定に違反して登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いたとき。
三 不正の手段により第八条の木材関連事業者の登録又はその更新を受けたとき。
2 第十一条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
(登録の抹消)
第十五条 登録実施機関は、前条第一項の規定による登録の取消しをしたとき又は登録の抹消の申請があったときは、当該登録木材関連事業者の登録を抹消するとともに、その旨を公示しなければならない。
第五章 登録実施機関
(登録実施機関の登録)
第十六条 第八条の主務大臣の登録(以下「登録実施機関の登録」という。)は、同条の木材関連事業者の登録の実施に関する事務(以下「登録実施事務」という。)を行おうとする者の申請により行う。
(欠格条項)
第十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、登録実施機関の登録を受けることができない。
一 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第二十七条の規定により登録実施機関の登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
(登録実施機関の登録の要件等)
第十八条 主務大臣は、第十六条の規定により登録実施機関の登録を申請した者(前条各号のいずれかに該当する者を除く。以下この項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録実施機関の登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、主務省令で定める。
一 国際標準化機構及び国際電気標準会議が定めた製品、手続及びサービスの認証を行う機関に関する基準に適合する者その他の登録実施事務を適正に実施することができると認められる者であること。
二 登録申請者が、木材関連事業者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、木材関連事業者がその親法人(会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。
ロ 登録申請者の役員に占める木材関連事業者の役員又は職員(過去二年間に当該木材関連事業者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。
ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、木材関連事業者の役員又は職員(過去二年間に当該木材関連事業者の役員又は職員であった者を含む。)であること。
2 登録実施機関の登録は、登録実施機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録実施機関の登録の年月日及び登録番号
二 登録実施機関の登録を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
三 登録実施機関の登録を受けた者が登録実施事務を行う事務所の所在地
(登録実施機関の登録の更新)
第十九条 登録実施機関の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前三条の規定は、登録実施機関の登録の更新について準用する。
(登録実施の義務)
第二十条 登録実施機関は、登録実施事務を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、登録実施事務を行わなければならない。
2 登録実施機関は、公正に、かつ、主務省令で定める基準に適合する方法により登録実施事務を行わなければならない。
(事務所の変更の届出)
第二十一条 登録実施機関は、登録実施事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(登録実施事務規程)
第二十二条 登録実施機関は、登録実施事務に関する規程(次項において「登録実施事務規程」という。)を定め、登録実施事務の開始前に、主務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録実施事務規程には、登録実施事務の実施方法、登録実施事務に関する料金その他の主務省令で定める事項を定めておかなければならない。
(登録実施事務の休廃止)
第二十三条 登録実施機関は、登録実施事務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第二十四条 登録実施機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。
2 木材関連事業者その他の利害関係人は、登録実施機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第二号又は第四号の請求をするには、登録実施機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって主務省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(適合命令)
第二十五条 主務大臣は、登録実施機関が第十八条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録実施機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第二十六条 主務大臣は、登録実施機関が第二十条の規定に違反していると認めるときは、その登録実施機関に対し、登録実施事務を行うべきこと又は木材関連事業者の登録の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録実施機関の登録の取消し等)
第二十七条 主務大臣は、登録実施機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録実施機関の登録を取り消し、又は期間を定めて登録実施事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第十七条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
二 第二十一条から第二十三条まで、第二十四条第一項又は次条の規定に違反したとき。
三 正当な理由がないのに第二十四条第二項各号の規定による請求を拒んだとき。
四 前二条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により登録実施機関の登録又はその更新を受けたとき。
(帳簿の記載等)
第二十八条 登録実施機関は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、登録実施事務に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(公示)
第二十九条 主務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録実施機関の登録をしたとき。
二 第二十一条又は第二十三条の規定による届出があったとき。
三 第二十七条の規定により登録実施機関の登録を取り消し、又は登録実施事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
(聴聞の方法の特例)
第三十条 第二十七条の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
第六章 雑則
(適切な連携)
第三十一条 国は、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に当たっては、合法伐採木材等への需要の転換に寄与する活動を行う事業者、民間の団体等との適切な連携を図るものとする。
(国際協力の推進)
第三十二条 国は、木材資源の相当部分を輸入に依存する我が国において合法伐採木材等の流通及び利用を促進するためには、原産国においてその法令に適合した森林の伐採が確保されることが重要であることに鑑み、外国における違法伐採の抑止のための国際的な連携の確保その他の合法伐採木材等の流通及び利用に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずるものとする。
(報告及び立入検査)
第三十三条 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、木材関連事業者に対し、合法伐採木材等の利用の確保の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、木材関連事業者の事務所、工場、事業場若しくは倉庫に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、登録実施機関に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、登録実施機関の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
3 前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(主務大臣等)
第三十四条 この法律における主務大臣は、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣とする。ただし、第七条に規定する指導及び助言に関する事項並びに前条第一項の規定による報告の徴収及び立入検査に関する事項については、農林水産大臣及び当該木材関連事業者の事業を所管する大臣とする。
2 この法律における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。
3 この法律に規定する主務大臣の権限は、主務省令で定めるところにより、その一部を地方支分部局の長に委任することができる。
(省令への委任)
第三十五条 この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、主務省令で定める。
第七章 罰則
第三十六条 第二十七条の規定による登録実施事務の停止の命令に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条第三項の規定に違反した者
二 第二十三条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
三 第二十八条の規定に違反して、同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者
四 第三十三条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第三十八条 第三十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第三十九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第四十条 第二十四条第一項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第二項各号の規定による請求を拒んだ者は、二十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行の際現に登録木材関連事業者という名称又はこれに紛らわしい名称を用いている者については、第十三条第三項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(検討)
3 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(登録免許税法の一部改正)
4 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
別表第一第九十一号の次に次のように加える。
九十一の二 木材関連事業者の登録又は木材関連事業者に係る登録実施機関の登録
 (一) 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(平成二十八年法律第___号)第八条(木材関連事業者の登録)の木材関連事業者の登録(更新の登録を除く。)
登録件数
一件につき一万五千円
 (二) 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律第八条の登録実施機関に係る登録(更新の登録を除く。)
登録件数
一件につき九万円
財務大臣 麻生太郎
農林水産大臣 森山裕
経済産業大臣 林幹雄
国土交通大臣 石井啓一
内閣総理大臣 安倍晋三