養豚農業振興法
法令番号: 法律第101号
公布年月日: 平成26年6月27日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

養豚農業は国民のたんぱく資源供給源として食生活の安定に寄与し、食肉生産・加工を通じて地域経済に貢献している。また、エコフィードや飼料用米の利用、排せつ物の利活用により循環型社会の形成に寄与する重要産業である。一戸当たりの平均飼養頭数は増加し、欧米諸国と遜色ない規模となっているが、輸入穀物を主原料とする配合飼料価格の高どまりや、混住化による環境問題が課題となっている。これらの課題に対応し、水田フル活用による飼料用米の生産拡大と自給率向上を図るため、養豚経営の安定、エコフィード等の利用拡大、衛生管理の高度化、国産豚肉の消費拡大等に取り組む必要がある。

参照した発言:
第186回国会 衆議院 農林水産委員会 第18号

審議経過

第186回国会

衆議院
(平成26年6月4日)
(平成26年6月5日)
参議院
(平成26年6月19日)
(平成26年6月20日)
養豚農業振興法をここに公布する。
御名御璽
平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第百一号
養豚農業振興法
(目的)
第一条 この法律は、養豚農業が、国民の食生活の安定に寄与し、及び地域経済に貢献する重要な産業であること並びに食品残さを原材料とする飼料の利用等を通じて循環型社会の形成に寄与する産業であることに鑑み、養豚農業の振興を図るため、農林水産大臣による養豚農業の振興に関する基本方針の策定について定めるとともに、養豚農家の経営の安定、飼料自給率の向上等を図るための国内由来飼料の利用の増進、安全で安心して消費することができる豚肉の生産の促進及び消費の拡大等の措置を講じ、もって養豚農業の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「養豚農家」とは、養豚農業を経営する者をいう。
2 この法律において「国内由来飼料」とは、食品残さ又は国内において生産された飼料用の米穀等を原材料とする養豚に係る飼料をいう。
(基本方針)
第三条 農林水産大臣は、養豚農業の振興に関する基本方針(以下単に「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 養豚農業の振興の意義及び基本的な方向に関する事項
二 養豚農家の経営の安定に関する事項
三 国内由来飼料の利用の増進に関する事項
四 豚の飼養に係る衛生管理(以下「飼養衛生管理」という。)の高度化に関する事項
五 安全で安心して消費することができる豚肉の生産の促進及び消費の拡大に関する事項
六 その他養豚農業の振興に関し必要な事項
3 農林水産大臣は、豚肉の需給事情、農業事情その他の事情の変動により必要があるときは、基本方針を変更するものとする。
4 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
5 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(養豚農家の経営の安定)
第四条 国及び地方公共団体は、養豚農家の経営の安定を図るため、養豚農業に係る生産基盤の整備、災害の予防の推進その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
(国内由来飼料の利用の増進)
第五条 国及び地方公共団体は、養豚農家による国内由来飼料の利用を増進し、飼料自給率の向上を図るとともに、循環型社会の形成に資するため、養豚農家が国内由来飼料又はその原材料を提供する者に関する情報を容易に得ることができるようにするための施策、飼料の製造(配合及び加工を含む。以下同じ。)を業とする者による国内由来飼料の生産の促進その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
(豚の飼養衛生管理の高度化)
第六条 国及び地方公共団体は、豚の飼養衛生管理の高度化を促進するため、高度な飼養衛生管理の手法の導入に対する支援、豚の排せつ物の処理の高度化の取組に対する支援、豚の疾病に対する検査体制の整備その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
(安全で安心して消費することができる豚肉の生産の促進及び消費の拡大)
第七条 国及び地方公共団体は、安全で安心して消費することができる豚肉の生産の促進及び消費の拡大を図るため、豚肉の品質の向上に関する研究開発の推進及びその成果の普及、特別な銘柄の豚肉等の生産に係る情報の提供の促進その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
(豚肉の流通の合理化)
第八条 国及び地方公共団体は、豚肉の流通の合理化に資するため、豚肉の産地処理の推進、豚肉の取引規格及び品質表示の普及その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
(援助)
第九条 国及び地方公共団体は、養豚農家が基本方針に即した経営を行うことができるよう、必要な情報の提供、助言、指導、財政上の措置その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(検討)
2 政府は、この法律の施行後速やかに、安全性を確保しつつ、食品残さを原材料とする養豚に係る飼料の製造及びその利用の促進を図る観点から、これらに係る規制について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとする。
農林水産大臣臨時代理 国務大臣 石原伸晃
内閣総理大臣 安倍晋三