ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七十三号
公布年月日: 平成25年7月3日
法令の形式: 法律
ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十五年七月三日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第七十三号
ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律
ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「怨恨」を「怨恨」に改め、同項第五号中「かけ若しくは」を「かけ、」に改め、「用いて」の下に「送信し、若しくは電子メールを」を加え、同項第八号中「性的羞恥心」を「性的羞恥心」に改める。
第四条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。
3 警察本部長等は、警告をしたときは、速やかに、当該警告の内容及び日時を第一項の申出をした者に通知しなければならない。
4 警察本部長等は、警告をしなかったときは、速やかに、その旨及びその理由を第一項の申出をした者に書面により通知しなければならない。
第五条第一項中「ときは」の下に「、当該警告に係る前条第一項の申出をした者の申出により、又は職権で」を加え、同条第三項中「前二項」を「前各項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第二項の次に次の三項を加える。
3 一の公安委員会が禁止命令等をした場合には、他の公安委員会は、当該禁止命令等を受けた者に対し、当該禁止命令等に係る第三条の規定に違反する行為について禁止命令等をすることができない。
4 公安委員会は、第一項の申出を受けた場合において、禁止命令等をしたときは、速やかに、当該禁止命令等の内容及び日時を当該申出をした者に通知しなければならない。
5 公安委員会は、第一項の申出を受けた場合において、禁止命令等をしなかったときは、速やかに、その旨及びその理由を当該申出をした者に書面により通知しなければならない。
第八条の見出し中「支援」を「支援等」に改め、同条第一項中「対する」の下に「婦人相談所その他適切な施設による」を加え、同条第三項を同条第四項とし、同条第二項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 国及び地方公共団体は、前項の支援等を図るため、必要な体制の整備、民間の自主的な組織活動の支援に係る施策を実施するために必要な財政上の措置その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第十条第一項中「住所地」を「住所若しくは居所若しくは当該禁止命令等並びに第五条第二項の聴聞及び意見の聴取に係る第三条の規定に違反する行為をした者の住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所)の所在地又は当該行為が行われた地」に改め、同条第二項中「住所地」を「住所若しくは居所若しくは当該申出に係る第三条の規定に違反する行為をした者の住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所)の所在地又は当該行為が行われた地」に改め、同条第三項中「当該警告又は仮の命令に係る第四条第一項の申出をした者がその住所を当該公安委員会の管轄区域内から他の公安委員会の管轄区域内に移転した」を「次に掲げる事由が生じたことを知った」に改め、同項に次の各号を加える。
一 当該警告又は仮の命令に係る第四条第一項の申出をした者がその住所又は居所を他の公安委員会の管轄区域内に移転したこと。
二 当該申出に係る第三条の規定に違反する行為をした者がその住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所)を他の公安委員会の管轄区域内に移転したこと。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。ただし、第二条の改正規定及び附則第三条の規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
(通知に関する経過措置)
第二条 この法律による改正後のストーカー行為等の規制等に関する法律(以下「新法」という。)第四条第三項及び第四項の規定は、この法律の施行後に同条第一項の申出を受けた場合における警告について適用する。
(条例との関係)
第三条 地方公共団体の条例の規定で、新法で規制する行為を処罰する旨を定めているものの当該行為に係る部分については、第二条の改正規定の施行と同時に、その効力を失うものとする。
2 前項の規定により条例の規定がその効力を失う場合において、当該地方公共団体が条例で別段の定めをしないときは、その失効前にした違反行為の処罰については、その失効後も、なお従前の例による。
(政令への委任)
第四条 前二条に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第五条 ストーカー行為等その他の特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で当該特定の者等に不安を覚えさせるような方法による行為の規制等の在り方については、近年、当該行為に係る事案の数が高い水準で推移していること、当該行為が多様化していること等を踏まえ、所要の法改正を含む全般的な検討が加えられ、速やかに必要な措置が講ぜられるものとする。
2 政府は、前項の行為の実情等を把握することができる立場にあることを踏まえ、同項の規制等の在り方について検討するための協議会の設置、当該行為の防止に関する活動等を行っている民間の団体等の意見の聴取その他の措置を講ずることにより、同項の検討に当たって適切な役割を果たすものとする。
内閣総理大臣 安倍晋三