(目的)
第一条 この法律は、文化芸術振興基本法(平成十三年法律第百四十八号)の基本理念にのっとり、劇場、音楽堂等の活性化を図ることにより、我が国の実演芸術の水準の向上等を通じて実演芸術の振興を図るため、劇場、音楽堂等の事業、関係者並びに国及び地方公共団体の役割、基本的施策等を定め、もって心豊かな国民生活及び活力ある地域社会の実現並びに国際社会の調和ある発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「劇場、音楽堂等」とは、文化芸術に関する活動を行うための施設及びその施設の運営に係る人的体制により構成されるもののうち、その有する創意と知見をもって実演芸術の公演を企画し、又は行うこと等により、これを一般公衆に鑑賞させることを目的とするもの(他の施設と一体的に設置されている場合を含み、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第一項に規定する風俗営業又は同条第五項に規定する性風俗関連特殊営業を行うものを除く。)をいう。
2 この法律において「実演芸術」とは、実演により表現される音楽、舞踊、演劇、伝統芸能、演芸その他の芸術及び芸能をいう。
(劇場、音楽堂等の事業)
第三条 劇場、音楽堂等の事業は、おおむね次に掲げるものとする。
二 実演芸術の公演又は発表を行う者の利用に供すること。
四 他の劇場、音楽堂等その他の関係機関等と連携した取組を行うこと。
六 実演芸術に関する調査研究、資料の収集及び情報の提供を行うこと。
七 前各号に掲げる事業の実施に必要な人材の養成を行うこと。
八 前各号に掲げるもののほか、地域社会の絆の維持及び強化を図るとともに、共生社会の実現に資するための事業を行うこと。
(劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者の役割)
第四条 劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者は、劇場、音楽堂等の事業(前条に規定する劇場、音楽堂等の事業をいう。以下同じ。)を、それぞれその実情を踏まえつつ、自主的かつ主体的に行うことを通じて、実演芸術の水準の向上等に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。
(実演芸術団体等の役割)
第五条 実演芸術に関する活動を行う団体及び芸術家(以下「実演芸術団体等」という。)は、それぞれその実情を踏まえつつ、自主的かつ主体的に、実演芸術に関する活動の充実を図るとともに、劇場、音楽堂等の事業に協力し、実演芸術の水準の向上等に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。
(国の役割)
第六条 国は、この法律の目的を達成するため、劇場、音楽堂等に係る環境の整備その他の必要な施策を総合的に策定し、及び実施する役割を果たすよう努めるものとする。
(地方公共団体の役割)
第七条 地方公共団体は、この法律の目的を達成するため、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び当該地方公共団体の区域内の劇場、音楽堂等を積極的に活用しつつ実施する役割を果たすよう努めるものとする。
(劇場、音楽堂等の関係者等の相互の連携及び協力等)
第八条 劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者、実演芸術団体等その他の関係者(次項及び第十六条第二項において「劇場、音楽堂等の関係者」という。)並びに国及び地方公共団体は、この法律の目的を達成するため、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、この法律に基づく施策を策定し、及び実施するに当たっては、劇場、音楽堂等の関係者の自主性を尊重するものとする。
(国及び地方公共団体の措置)
第九条 国及び地方公共団体は、この法律の目的を達成するため、必要な助言、情報の提供、財政上、金融上及び税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。