音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律
法令番号: 法律第107号
公布年月日: 平成6年11月25日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

21世紀に向けて文化の薫り高い国家として発展していくため、文化振興施策の充実が重要である。国民の文化志向が高まり、国際交流や国際貢献が課題となる中、伝統文化の継承と新たな文化創造に向けた条件整備が必要である。特に音楽は、人間の心を育む重要な文化要素として古代から尊重され、現在も多くの人々に親しまれ、国際理解と文化交流の促進にも寄与している。このため、音楽文化振興のための学習環境整備が必要との観点から、超党派の音楽議員連盟で検討を重ね、生涯学習の一環としての音楽学習に係る環境整備に関する基本を定め、音楽文化の振興を図ることを目的として本法案を提出するものである。

参照した発言:
第131回国会 衆議院 文教委員会 第4号

審議経過

第131回国会

衆議院
(平成6年11月11日)
(平成6年11月17日)
参議院
(平成6年11月17日)
(平成6年11月21日)
音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成六年十一月二十五日
内閣総理大臣 村山富市
法律第百七号
音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、音楽文化が明るく豊かな国民生活の形成並びに国際相互理解及び国際文化交流の促進に大きく資することにかんがみ、生涯学習の一環としての音楽学習に係る環境の整備に関する施策の基本等について定めることにより、我が国の音楽文化の振興を図り、もって世界文化の進歩及び国際平和に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「音楽文化」とは、音楽の創作及び演奏、音楽の鑑賞その他の音楽に係る国民娯楽、音楽に係る文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)に規定する文化財、出版及び著作権その他の著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)に規定する権利並びにこれらに関する国民の文化的生活向上のための活動をいう。
2 この法律において「音楽学習」とは、学校教育に係る学習、家庭教育に係る学習、社会教育に係る学習、文化活動その他の生涯学習の諸活動であって、音楽に係るものをいう。
3 この法律において「学習環境」とは、音楽学習を行うために必要な施設(設備を含む。以下同じ。)等の物的条件、指導者、助言者等の人的条件その他円滑な音楽学習を行うための諸条件をいう。
(施策の方針)
第三条 国及び地方公共団体は、音楽文化の振興のための学習環境の整備を行うに当たっては、国民の間において行われる音楽に関する自発的な活動に協力しつつ、広く国民があらゆる機会とあらゆる場所において自主的にその個性に応じて音楽学習を行うことができるような諸条件の体系的な整備に努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、音楽文化の振興のための学習環境の整備を行うに当たっては、幼児、少年、高齢者、障害者等に対し、必要な配慮をするものとする。
(地方公共団体の事業)
第四条 地方公共団体は、地域における音楽文化の振興のため、地域の実情を踏まえ、その自主的な判断によりおおむね次の各号に掲げる学習環境の整備等の事業を行うよう努めるものとする。
一 音楽の演奏及び鑑賞に係る行事を主催すること。
二 音楽に係る社会教育のための講座を開設すること。
三 前二号に掲げるもののほか、音楽学習の機会の提供に関し必要な事業を行うこと。
四 当該地方公共団体の設置する学校の教育に支障のない限り、その学校の施設を音楽学習のための住民の利用に供すること。
五 音楽学習に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
六 音楽学習に関する指導者及び助言者に対する研修を行うこと。
七 音楽文化に関する調査研究を推進すること。
八 音楽を通じた国際文化交流事業を行うこと。
2 地方公共団体は、前項に規定する事業を行うに当たっては、我が国の伝統音楽及び地域の特色ある音楽文化並びにこれらに関する音楽学習を振興するよう配慮するものとする。
3 国は、地方公共団体が第一項に規定する事業を行うに当たっては、必要な助言及び協力を行うよう努めるものとする。
(民間団体の行う事業の振興)
第五条 国は、音楽文化及び音楽学習の振興に資する事業を行う民間団体に対し、照会及び相談に応じ、並びに助言を行うことにより、当該事業の振興に努めるものとする。
(顕彰)
第六条 国及び地方公共団体は、音楽文化及び音楽学習の振興に寄与した者の顕彰に努めるものとする。
(国際音楽の日)
第七条 国民の間に広く音楽についての関心と理解を深め、積極的に音楽学習を行う意欲を高揚するとともに、国際連合教育科学文化機関憲章(昭和二十六年条約第四号)の精神にのっとり音楽を通じた国際相互理解の促進に資する活動が行われるようにするため、国際音楽の日を設ける。
2 国際音楽の日は、十月一日とする。
3 国及び地方公共団体は、国際音楽の日の趣旨の普及に努めるものとする。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
文部大臣 与謝野馨
内閣総理大臣 村山富市