(鉱害防止事業基金)
第十二条 採掘権者又は租鉱権者は、第二条第六項の規定による指定の日の属する年度(その指定が当該年度の初日の属する年の十月一日から翌年の三月三十一日までの間に行われた場合にあつては、その指定の日の属する年度の翌年度)の初日から起算して六年を超えない範囲内で次項に規定する必要な費用の額を勘案して通商産業省令で定める期間が終了する日の属する年度までの毎年度、その指定特定施設ごとに、鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長が同項の規定により通知する額の金銭を、金属鉱業事業団に設けられた鉱害防止事業基金に拠出しなければならない。
2 鉱害防止事業基金に拠出する金銭の額は、当該指定特定施設に係る次条第一項に規定する鉱害防止業務を永続的に実施するために必要な費用の財源をその運用によつて得ることができる額及びその拠出する期間を基礎とし、通商産業省令で定める算定基準に従い、鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長が算定して通知する額とする。
3 第一項の規定は、天災その他通商産業省令で定めるやむを得ない事由により当該指定特定施設に係る次条第一項に規定する鉱害防止業務を永続的に実施するために必要な費用の財源をその運用によつて得ることができなくなつた場合について準用する。この場合において、第一項中「第二条第六項の規定による指定の日の属する年度(その指定が当該年度の初日の属する年の十月一日から翌年の三月三十一日までの間に行われた場合にあつては、その指定の日の属する年度の翌年度)の初日から起算して六年」とあるのは、「その事由が生じた日の属する年度の初日から起算して三年」と読み替えるものとする。
4 第十条第一項の規定は、鉱害防止事業基金について準用する。この場合において、同項中「採掘権者又は租鉱権者」とあるのは「採掘権者又は租鉱権者(鉱山保安法第二十六条第二項の規定により採掘権者又は租鉱権者とみなされる者を含む。)」と、「積み立てた」とあるのは「拠出した」と読み替えるものとする。
(鉱害防止業務の実施)
第十三条 前条第一項の規定による鉱害防止事業基金への拠出を終了した採掘権者又は租鉱権者がその鉱害防止事業計画に基づいて実施する当該指定特定施設に係る鉱害防止事業その他当該指定特定施設について鉱山保安法の規定により講じなければならない措置(以下「鉱害防止業務」という。)は、通商産業大臣が指定する者(以下「指定鉱害防止事業機関」という。)が行う。
2 鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第百四条及び第百六条から第百八条まで並びに鉱山保安法第三十一条の二の規定は、前項の規定により鉱害防止業務を実施する指定鉱害防止事業機関について準用する。
3 金属鉱業事業団は、第一項の規定により鉱害防止業務を実施する指定鉱害防止事業機関から支払の請求を受けたときは、通商産業省令で定めるところにより、当該指定特定施設に係る鉱害防止事業基金の運用により生ずる収入の範囲内で、当該鉱害防止業務を実施するために必要な費用を支払うものとする。
4 鉱山保安法の規定は、第一項に規定する採掘権者又は租鉱権者の指定特定施設について同項の規定により指定鉱害防止事業機関が鉱害防止業務を実施しているときは、その実施している鉱害防止業務の範囲において、その指定特定施設については、適用しない。
(採掘権者又は租鉱権者の不存在)
第十四条 前条第一項に規定する採掘権者又は租鉱権者が存しなくなつたときは、当該指定特定施設に係る鉱害防止業務は、その鉱害防止業務を実施していた指定鉱害防止事業機関が当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画に基づいて行うものとする。
2 前条第二項及び第三項の規定は、前項に規定する場合における鉱害防止事業の実施について準用する。
3 第一項の規定により鉱害防止事業を実施する指定鉱害防止事業機関は、第五条第五項に規定する事由により当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画に基づいて鉱害防止事業を実施することができなくなつたとき、その他特に必要があると認めるときは、当該指定特定施設に係る鉱害防止事業計画を変更することができる。この場合において、当該指定鉱害防止事業機関は、通商産業省令で定めるところにより、これを鉱山保安監督局長又は鉱山保安監督部長に届け出なければならない。
4 第五条第二項の規定は前項の規定による届出について、同条第五項の規定は当該届出に係る鉱害防止事業計画について準用する。
5 採掘権者又は租鉱権者が存しなくなつた場合であつて、当該採掘権者又は租鉱権者が第十二条第一項の規定による鉱害防止事業基金への拠出を終了していないときは、当該採掘権者又は租鉱権者の鉱害防止事業基金への拠出は、当該採掘権者又は租鉱権者が存しなくなつたときに終了したものとみなして、前条第一項から第三項まで及び前各項の規定を適用する。この場合において、第一項中「その鉱害防止業務を実施していた指定鉱害防止事業機関」とあるのは、「通商産業省令で定めるところにより、指定鉱害防止事業機関」とする。
(通商産業省令への委任)
第十五条 この節に規定するもののほか、鉱害防止事業基金への拠出並びに鉱害防止業務及び鉱害防止事業の実施に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。