保険業法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第117号
公布年月日: 昭和39年6月27日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

商法の一部改正により株式会社の計算規定が整備され、資産評価が時価以下主義から原価主義に改められたことを受け、株式会社たる保険会社には改正商法が全面適用されることとなった。これに伴い、相互会社たる保険会社にも改正商法の計算規定を準用し規定の調整を図る必要がある。また、保険事業の相互扶助的特質から契約者利益の確保・増進を図るため、取引所の相場のある株式の評価に関し商法の特則を設ける必要があることから、保険業法に所要の改正を加えようとするものである。

参照した発言:
第46回国会 衆議院 大蔵委員会 第12号

審議経過

第46回国会

衆議院
(昭和39年2月26日)
参議院
(昭和39年2月27日)
(昭和39年4月14日)
(昭和39年4月21日)
(昭和39年4月22日)
(昭和39年5月8日)
衆議院
(昭和39年6月9日)
(昭和39年6月10日)
(昭和39年6月12日)
(昭和39年6月19日)
(昭和39年6月25日)
保険業法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年六月二十七日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百十七号
保険業法の一部を改正する法律
保険業法(昭和十四年法律第四十一号)の一部を次のように改正する。
第六十六条ノ二を削る。
第六十七条第一項中「第二百八十四条」の下に「、第二百八十五条乃至第二百八十五条ノ七」を、「第二百八十六条ノ三」の下に「、第二百八十七条ノ二」を加え、同条第三項を削る。
第八十四条を次のように改める。
第八十四条 保険会社ハ其ノ所有スル取引所ノ相場アル株式ノ時価ガ其ノ取得価額ヲ超ユル場合ニ於テハ商法第二百八十五条ノ六(第六十七条第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ拘ラズ主務大臣ノ認可ヲ受ケ当該株式ニ付取得価額ヲ超エ時価ヲ超エザル価額ヲ附スルコトヲ得前項ノ規定ニ依ル評価換ニ因リ計上シタル利益ハ之ヲ命令ヲ以テ定ムル保険契約者ノ為ノ準備金トシテ積立ツルコトヲ要ス
第八十六条及び第八十七条中「利益」の下に「(第八十四条第二項ノ規定ニ依リ同項ノ準備金トシテ積立ツべキ利益ヲ除ク)」を加える。
第百五十二条第十七号中「第六十五条」の下に「、第八十四条第二項」を加える。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 改正後の保険業法の規定は、保険会社の昭和三十九年四月一日以後に開始する事業年度について適用する。
3 改正後の保険業法第六十七条第一項において準用する商法第二百八十五条ノ二、第二百八十五条ノ三及び第二百八十五条ノ五から第二百八十五条ノ七までの規定の適用については、昭和三十九年三月三十一日において現に存する相互会社が同日以前に取得し、又は製作した資産は、同日において附することができる最高額(その額の範囲内で別に附した価額があるときは、その価額)をもつて、同年四月一日に取得し、又は製作したものとみなす。
大蔵大臣 田中角栄
内閣総理大臣 池田勇人