国事行為の臨時代行に関する法律
法令番号: 法律第83号
公布年月日: 昭和39年5月20日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

天皇が精神・身体の重患や重大事故により国事行為ができない場合は皇室会議の議により摂政が置かれるが、軽い病気や海外旅行の際にも国事行為の代行が必要となる。そこで憲法第四条第二項に基づき、摂政を置く場合以外で、内閣の助言と承認により、摂政となる順序に従って成年に達した故障のない皇族に国事行為を委任して臨時代行できるようにするもの。委任の解除・終了についても規定し、内閣による公示や、代行中の皇族の訴追に関する規定も設けることとする。

参照した発言:
第46回国会 参議院 内閣委員会 第4号

審議経過

第46回国会

参議院
(昭和39年2月6日)
衆議院
(昭和39年2月18日)
(昭和39年3月13日)
(昭和39年3月17日)
(昭和39年3月19日)
(昭和39年3月19日)
参議院
(昭和39年4月28日)
(昭和39年5月7日)
(昭和39年5月12日)
(昭和39年5月13日)
(昭和39年6月26日)
国事行為の臨時代行に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年五月二十日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第八十三号
国事行為の臨時代行に関する法律
(趣旨)
第一条 日本国憲法第四条第二項の規定に基づく天皇の国事に関する行為の委任による臨時代行については、この法律の定めるところによる。
(委任による臨時代行)
第二条 天皇は、精神若しくは身体の疾患又は事故があるときは、摂政を置くべき場合を除き、内閣の助言と承認により、国事に関する行為を皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第十七条の規定により摂政となる順位にあたる皇族に委任して臨時に代行させることができる。
2 前項の場合において、同項の皇族が成年に達しないとき、又はその皇族に精神若しくは身体の疾患若しくは事故があるときは、天皇は、内閣の助言と承認により、皇室典範第十七条に定める順序に従つて、成年に達し、かつ、故障がない他の皇族に同項の委任をするものとする。
(委任の解除)
第三条 天皇は、その故障がなくなつたとき、前条の規定による委任を受けた皇族に故障が生じたとき、又は同条の規定による委任をした場合において、先順位にあたる皇族が成年に達し、若しくはその皇族に故障がなくなつたときは、内閣の助言と承認により、同条の規定による委任を解除する。
(委任の終了)
第四条 第二条の規定による委任は、皇位の継承、摂政の設置又はその委任を受けた皇族の皇族たる身分の離脱によつて終了する。
(公示)
第五条 この法律の規定により天皇の国事に関する行為が委任され、又はその委任が解除されたときは、内閣は、その旨を公示する。
(訴追の制限)
第六条 第二条の規定による委任を受けた皇族は、その委任がされている間、訴追されない。ただし、このため、訴追の権利は、害されない。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
内閣総理大臣 池田勇人