少年院法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第135号
公布年月日: 昭和30年8月5日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

少年院在院者への死傷手当金支給制度の創設、逃走者の連れ戻し措置の明確化、暴行・逃走等のおそれがある場合の手錠使用の規定整備、及び事務手続きの簡素化を目的とする改正である。死傷手当金は職業補導等での負傷時に支給し、逃走者の連れ戻しは迅速な対応を可能とする。手錠使用は反社会性の強い在院者による集団的逃走や騒擾を防止するためやむを得ない場合に限定し、院長の許可を原則とする。また、金品預かり時の受領証交付義務を廃止するなど、事務手続きを簡素化する。

参照した発言:
第22回国会 衆議院 法務委員会 第9号

審議経過

第22回国会

衆議院
(昭和30年5月18日)
参議院
(昭和30年5月19日)
(昭和30年5月25日)
衆議院
(昭和30年6月14日)
参議院
(昭和30年6月14日)
衆議院
(昭和30年6月21日)
(昭和30年6月21日)
参議院
(昭和30年6月21日)
(昭和30年6月27日)
(昭和30年6月28日)
(昭和30年7月15日)
(昭和30年7月18日)
(昭和30年7月21日)
(昭和30年7月22日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
(昭和30年7月25日)
少年院法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年八月五日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百三十五号
少年院法の一部を改正する法律
少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)の一部を次のように改正する。
第八条の次に次の一条を加える。
第八条の二 在院者が矯正教育を受けるに際して、けがをし、又は病気にかかつた場合において、これによつて死亡したとき、又はなおつたとき身体に障害が残ることが明らかなときは、法務省令の定めるところにより、手当金を与えることができる。
2 在院者が死亡した場合の手当金は、死亡した者の遺族に与える。
第九条中「、且つ、在院者に受領証を交付し」を削る。
第十四条に後段として次のように加える。
少年院の職員による連戻しが困難である場合において、少年院の長から連戻しについて援助を求められた警察官も、同様とする。
第十四条に次の三項を加える。
2 在院者が逃走した時から四十八時間を経過した後は、裁判官のあらかじめ発する連戻状によらなければ、連戻しに着手することができない。
3 前項の連戻状は、少年院の長の請求により、当該少年院の所在地を管轄する家庭裁判所の裁判官が発する。
4 連戻し及び連戻状については、連戻しの性質に反しない限り、第十七条の二並びに少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第四条及び第三十六条の規定を準用する。この場合において、第十七条の二中「少年院に収容中の者」とあるのは「少年院から逃走した者」と読み替えるものとする。
第十四条の次に次の一条を加える。
第十四条の二 在院者が逃走、暴行又は自殺をするおそれがある場合において、これを防止するためやむを得ないときは、手錠を使用することができる。
2 手錠は、少年院の長の許可を受けなければ、使用してはならない。ただし、緊急を要する状態にあつて、その許可を受けるいとまがないときは、この限りでない。
3 手錠の製式は、法務省令で定める。
第十五条第一項中「命令」を「法務省令」に改める。
第十六条中「少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)」を「少年法」に改める。
第十七条第二項中「、第三項、第十四条及び第十五条」を「及び第三項並びに第十四条から第十五条まで」に改め、「少年法第十七条第一項第二号の規定により送致された者に関し、」を削る。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
法務大臣 花村四郎
内閣総理大臣 鳩山一郎