昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律
法令番号: 法律第1号
公布年月日: 昭和30年1月7日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

昭和29年7月の豪雨、8・9月の台風、および8月の冷害により、各地に甚大な被害が発生した。特に東北・北海道地区の冷害による農作物被害は深刻であった。地方財政は昨年来の災害により窮乏しており、地方税等の歳入欠陥が生じる一方で、各種災害対策の緊急実施が必要となっている。そこで、昨年度の災害時と同様に、歳入欠陥の補填と災害対策費用を政府資金による起債でまかなえるようにすることを目的として、本法案を提案するものである。災害規模、被害程度、地方財政の窮状に鑑み、昨年の起債特例法に準じた法律の制定が必要と判断した。

参照した発言:
第20回国会 衆議院 地方行政委員会 第4号

審議経過

第20回国会

衆議院
(昭和29年12月6日)
(昭和29年12月6日)
参議院
(昭和29年12月6日)
(昭和29年12月6日)
衆議院
(昭和29年12月9日)
(昭和29年12月9日)
参議院
(昭和29年12月9日)
昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年一月七日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第一号
昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律
(起債の特例)
第一条 昭和二十九年八月及び九月の台風による災害又は同年八月の冷害(以下単に「風水害等」という。)を受けた地方公共団体は、次の各号に掲げる場合においては、昭和二十九年度に限り、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条の規定にかかわらず、地方債をもつてその財源とすることができる。
一 地方税、使用料、手数料その他の徴収金で命令で定めるものの風水害等のための減免であつて、その程度及び範囲が被害の状況に照らし相当と認められるものによつて生ずる財政収入の不足を補う場合
二 風水害等に係る災害救助対策、伝染病予防対策、苗しろ対策、病虫害駆除対策、農機具対策その他これらに類する命令で定める災害対策に通常要する費用で当該地方公共団体の負担に属するものの財源とする場合
2 前項の風水害等を受けた地方公共団体は、政令で指定する。
(地方債の引受)
第二条 前条第一項の規定による地方債は、国が資金運用部資金又は簡易生命保険及郵便年金特別会計の積立金をもつてその金額を引き受けるものとする。
2 前項の場合における利息の定率及び償還方法は、政令で定める。
(起債許可についての協議)
第三条 自治庁長官は、第一条第一項の規定による地方債について地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十条の規定による許可をしようとするときは、あらかじめ大蔵大臣及び郵政大臣と協議しなければならない。
(政令委任)
第四条 この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
内閣総理大臣 鳩山一郎
大蔵大臣 一万田尚登
郵政大臣 武知勇記