昭和二十八年における冷害等による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律
法令番号: 法律第275号
公布年月日: 昭和28年11月16日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

昭和28年の冷害及び風水害により、田畑の流失埋没、保有米麦の流失、米麦・雑穀の著しい減収が発生し、多くの農家で飯用食糧が不足する事態となった。政府は、被害農家の食糧不安を解消し、農業の再生産を確保するため、政府所有の米穀・麦及び麦製品を特別価格で売り渡すことを提案。都道府県知事の認定を受けた被害農家に対し、生産者価格程度で米麦を売り渡すこととし、都道府県及び市町村を通じて実施する。これにより、政府・都道府県・市町村が一体となって農家の救済を図るものである。

参照した発言:
第17回国会 衆議院 農林委員会 第2号

審議経過

第17回国会

衆議院
(昭和28年10月30日)
参議院
(昭和28年10月30日)
衆議院
(昭和28年11月2日)
(昭和28年11月3日)
(昭和28年11月4日)
参議院
(昭和28年11月5日)
衆議院
(昭和28年11月6日)
参議院
(昭和28年11月6日)
衆議院
(昭和28年11月7日)
参議院
(昭和28年11月7日)
(昭和28年11月7日)
(昭和28年11月7日)
昭和二十八年における冷害等による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十八年十一月十六日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百七十五号
昭和二十八年における冷害等による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律
(この法律の趣旨)
第一条 この法律は、昭和二十八年に政令で定める地域内において生じた冷害(冷害による病虫害を含む。)及び昭和二十八年六月から九月までの間に政令で定める地域内において生じた風水害(以下「冷害等」という。)による被害農家が食糧の用に供するため必要とする米穀、大麦、はだか麦、小麦及び麦製品(以下「米麦」という。)の売渡についての特別の措置につき規定するものとする。
(定義)
第二条 この法律において「被害農家」とは、米麦(麦製品を除く。以下本条において同じ。)又は雑穀を生産する農家であつて、冷害等による著しい減収のためその生産に係る米麦又は雑穀がその農家の飯用消費量に著しく不足する旨の都道府県知事の認定を受けたものをいう。
(米麦の売渡)
第三条 市町村が被害農家に対しその飯用消費量を基準とし冷害等による減収の程度を参しやくして農林大臣の定める数量の米麦を売り渡すのに必要な数量の米麦を都道府県が当該市町村に売り渡す場合には、政府は、当該都道府県に対しこれに必要な数量の米麦を農林省令の定める手続に従い売り渡すものとする。
(売渡の価格)
第四条 政府が前条の規定により都道府県に米麦を売り渡す場合の価格は、被害農家の売渡を受ける当該米麦の購入価格がおおむね左の各号に掲げる額となるように農林大臣が定める。
一 国内産米穀については玄米(三等)一石につき八、二〇〇円
二 輸入米穀については前号の額を基準として農林大臣が定める額
三 大麦については普通小粒大麦(三等)五二・五キログラムにつき一、六三七円
四 はだか麦については普通はだか麦(三等)六〇キログラムにつき二、一九三円
五 小麦については普通小麦(三等)六〇キログラムにつき一、九七二円
六 麦製品については前三号の額にその製造又は加工に要する費用を加えて得た額
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大蔵大臣 小笠原三九郎
農林大臣 保利茂
内閣総理大臣 吉田茂