人権擁護委員法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第71号
公布年月日: 昭和28年7月22日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

人権擁護委員法の一部改正案は、同法の施行後の実績を踏まえ、以下の4点の改正を行うものである。第一に、人権擁護委員の推薦手続について、市町村長は候補者の倍数推薦を不要とし、誤った推薦の場合の再推薦規定を設けた。第二に、市町村と人権擁護委員の関係強化のため、委員の氏名・職務等の周知への市町村長の協力義務を規定した。第三に、委員の能力発揮を十分にするため任期を2年から3年に延長した。第四に、人権擁護活動の普及に伴い、全国人権擁護委員連合会の組織・任務に関する規定を新設し、人権擁護委員の全国的な統一を図ることとした。

参照した発言:
第16回国会 衆議院 法務委員会 第4号

審議経過

第16回国会

参議院
(昭和28年6月24日)
衆議院
(昭和28年6月26日)
参議院
(昭和28年6月26日)
(昭和28年6月30日)
(昭和28年7月1日)
(昭和28年7月4日)
衆議院
(昭和28年7月9日)
(昭和28年7月14日)
(昭和28年8月10日)
参議院
(昭和28年8月10日)
人権擁護委員法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十八年七月二十二日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第七十一号
人権擁護委員法の一部を改正する法律
人権擁護委員法(昭和二十四年法律第百三十九号)の一部を次のように改正する。
第四条第三項中「都道府県の人権擁護委員協議会連合会」を「都道府県人権擁護委員連合会」に改める。
第六条の見出し中「推薦委嘱」を「推薦及び委嘱」に改め、同条第二項中「都道府県知事、当該都道府県の区域内の弁護士会及び当該都道府県人権擁護委員協議会連合会」を「都道府県知事並びに当該都道府県の区域(北海道にあつては、第十六条第二項但書の規定により法務大臣が定める区域とする。以下第五項において同じ。)内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会」に、同条第三項中「第四条第二項の規定により定められた定数の倍数の者」を「人権擁護委員の候補者」に改め、同条中第五項を第七項とし、第四項を第六項として、第三項の次に次の二項を加える。
4 法務大臣は、市町村長が推薦した候補者が、人権擁護委員として適当でないと認めるときは、市町村長に対し、相当の期間を定めて、さらに他の候補者を推薦すべきことを求めることができる。
5 前項の場合において、市町村長が、同項の期間内に他の候補者を推薦しないときは、法務大臣は、第二項の規定にかかわらず、第三項に規定する者の中から、都道府県知事並びに当該都道府県の区域内の弁護士会及び都道府県人権擁護委員連合会の意見を聞いて、人権擁護委員を委嘱することができる。
第六条に次の一項を加える。
8 市町村長は、法務大臣から求められたときは、前項の措置に協力しなければならない。
第九条中「二年」を「三年」に改め、同条に次の但書を加える。
但し、任期満了後も、後任者が委嘱されるまでの間、その職務を行う。
第十条中「その者を推薦した市町村長の管轄する区域内」を「その者の置かれている市町村の区域内」に改める。
第十五条第一項中「都道府県人権擁護委員協議会連合会」を「都道府県人権擁護委員連合会」に改める。
第十六条の見出しを「(協議会、連合会及び全国連合会)」に改め、同条第二項中「人権擁護委員協議会連合会」を「都道府県人権擁護委員連合会」に改め、同項に次の但書を加える。
但し、北海道にあつては、法務大臣が定める区域ごとに組織するものとする。
第十六条に次の一項を加える。
3 全国の都道府県人権擁護委員連合会は、全国人権擁護委員連合会を組織する。
第十七条第二項及び第十八条中「都道府県人権擁護委員協議会連合会」を「都道府県人権擁護委員連合会」に改める。
第十八条の次に次の一条を加える。
(全国連合会の任務)
第十八条の二 全国人権擁護委員連合会の任務は、左の通りとする。
一 都道府県人権擁護委員連合会の任務に関する連絡及び調整をすること。
二 人権擁護委員の職務に関し必要な資料及び情報の収集をすること。
三 人権擁護委員の職務に関する研究及び意見の発表をすること。
四 人権擁護上必要がある場合に、関係機関に対し意見を述べること。
五 その他人権擁護上必要と認める事項を行うこと。
2 全国人権擁護委員連合会は、定期的に、又は必要に応じて、その業績を法務大臣に報告しなければならない。
第十九条中「人権擁護委員協議会又は都道府県人権擁護委員協議会連合会」を「人権擁護委員協議会、都道府県人権擁護委員連合会又は全国人権擁護委員連合会」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
法務大臣 犬養健
内閣総理大臣 吉田茂