(商標権の回復)
第十八條 ドイツ人が昭和二十年九月二十日において有していた商標権(標章権及び団体標章権を含む。以下同じ。)で、商標法(大正十年法律第九十九号)第十條の存続期間の終了により消滅したものは、その存続期間の終了の時にさかのぼつて回復する。
(権利消滅の除外)
第十九條 ドイツ人が昭和二十年九月二十日において有していた商標権に関しては、商標法第十條の規定は、適用しない、但し、ドイツ財産管理令第三條第一項の規定により主務大臣が指定した商標権については、その指定に係る第二十八條第七号の規定による公告の日から九月を経過したときは、この限りでない。
(商標の登録に関する特例)
第二十條 第二十九條第一項において準用する第五條第四項の規定により登録を取り消された商標(商標法第二十六條第一項の標章及び同法第二十七條第一項の団体標章を含む。以下同じ。)と同一又は類似の商標で、その登録を取り消された商標に係る指定商品(商標法第五條の規定により指定した商品をいう。以下同じ。)と同一又は類似の商品に使用するものについては、登録(商標権の存続期間更新の登録を除く。)をしない。但し、その取消に係る第二十八條第五号の規定による公告の日から一年を経過した後の出願に係る商標及び左に掲げる者がその登録を取り消された商標に係る指定商品と同一の商品について出願するその商標と同一の商標(第二号及び第三号に掲げる者にあつては、その商標と同一又は類似の商標を使用した他人の商品との混同を防ぐのに適当な表示を附したもの。以下同じ。)については、この限りでない。
一 ドイツ財産管理令第四條の規定により三国に帰属したものとされた日(同令第二條第五項のドイツ人財産以外のドイツ財産たる商標権については、その登録の取消の日)においてその登録を取り消された商標の商標権者であつた者又はその承継人
二 国内においてその登録を取り消された商標と同一の商標をその登録を取り消された商標に係る指定商品と同一の商品に使用している者で、三国の決定に基き特許庁長官が指定するもの
三 日本国との平和條約の最初の効力の発生の際現にその登録を取り消された商標と同一の商標をその登録を取り消された商標に係る指定商品と同一の商品に専用する権利で外国の法令に基くものを有していた者又はその権利の承継人で、引き続きその権利を行使しているもの
2 前項但書各号に掲げる者が同項に規定する登録を取り消された商標に係る指定商品と同一の商品についてするその商標と同一の商標の登録の出願については、商標法第二條第一項第八号、第十号及び第十一号の規定は、適用しない。但し、その取消に係る第二十八條第五号の規定による公告の日から一年(前項但書第二号及び第三号に掲げる者がする出願については、政令で定める期間)を経過した後にする出願については、この限りでない。
3 第一項但書各号に掲げる者が同項に規定する登録を取り消された商標に係る指定商品と同一の商品についてその商標と同一の商標の登録を出願した場合において、その出願に係る商標が他人(同項但書第三号に掲げる者がする出願にあつては、同号に掲げる者であつて、その登録を取り消された商標と同一の商標をその登録を取り消された商標に係る指定商品と同一の商品に専用する権利で一の外国の法令に基くものを有し、又は承継したものを除く。以下この條において同じ。)の登録商標と同一又は類似であつて、同一又は類似の商品に使用するものであるときは、その出願については、商標法第二條第一項第九号の規定は、適用しない。
4 第一項但書各号に掲げる者が同項に規定する登録を取り消された商標に係る指定商品と同一の商品についてするその商標と同一の商標の登録の出願が他人の出願と競合し、又は同日の出願となつたときは、同項但書各号に掲げる者がする出願については、商標法第四條第一項の規定は、適用しない。
6 商標の登録が第一項の規定に違反してされたときは、審判によりこれを無効としなければならない。
7 前項の規定による登録の無効は、商標法第二十二條第一項第二号の登録の無効とみなし、同法中商標の登録の無効に関する規定を適用する。
8 第六項の無効の審判については、商標法第二十三條の規定は、適用しない。
(存続期間更新の登録の出願の特例)
第二十一條 ドイツ財産管理令第三條第一項の規定により主務大臣が指定した商標権で、その指定に係る第二十八條第七号の規定による公告の日までにその登録又は存続期間の更新(更新が二回以上行われたときは、その最後のもの)の日から十九年六月を経過しているものの第十九條但書の規定により適用されるべき商標法第十條の存続期間は、その公告の日から六月以内にする更新登録の出願により更新することができる。
2 前項の規定による存続期間の更新は、商標法第十一條の規定による存続期間の更新とみなし、同法中存続期間の更新に関する規定を適用する。
3 第一項の更新登録の出願に基き商標権の存続期間更新の登録を受ける者は、商標法第二十條第二項の規定にかかわらず、第一項に規定する商標法第十條の存続期間が終了した日に登録を受けたものとした場合において登録料として納付すべきであつた金額を登録料として納付しなければならない。
(指定標章の使用の禁止等)
第二十二條 何人も、ドイツ財産たる商標権又は商標の登録出願から生じた権利に係る商標に関し三国の決定に基き通商産業大臣が指定する標章(以下「指定標章」という。)と同一若しくは類似のものをその商標に係る指定商品と同一若しくは類似の商品に商標として使用し、又はこれを商標として使用した同一若しくは類似の商品を販売してはならない。但し、左に掲げる場合及び日本国との平和條約の最初の効力の発生の日から七年以内において政令で定める期間を経過した後は、この限りでない。
一 通商産業大臣の指定の際現に指定標章と同一又は類似のものを使用する者がその指定の日から一年以内にその商標を使用し、又はこれを使用した商品を販売するとき。
二 指定標章と同一又は類似のものを使用した商品を譲り受けた者が通商産業大臣の指定の日から二年以内にその商品を販売するとき。
三 三国の決定に基き通商産業大臣が指定する者(以下「被指定者」という。)以外の者が登録を受けている商標をその指定商品に使用し、又はこれを使用した指定商品を販売するとき。
四 被指定者以外の者が使用している商標で、取引者若しくは需要者の間に広く認識されているものを同一若しくは類似の商品に使用し、又はこれを使用した同一若しくは類似の商品を販売するとき。
五 慣用されている商標を同一若しくは類似の商品に使用し、又はこれを使用した同一若しくは類似の商品を販売するとき。
2 通商産業大臣は、前項の規定による指定をしたときは、これを告示しなければならない。
第二十三條 指定標章と同一又は類似のものについては、登録(商標権の存続期間更新の登録を除く。)をしない。但し、日本国との平和條約の最初の効力の発生の日から七年以内において政令で定める期間を経過した後は、この限りでない。
2 第二十條第六項から第八項までの規定は、前項の規定に違反してされた登録に準用する。
(商標の登録の取消等)
第二十四條 特許庁長官は、三国からドイツ財産たる商標権で、その商標が指定標章と同一であり、又はこれを有するものについて登録を取り消すべき旨の請求を受けたときは、その登録を取り消さなければならない。
2 特許庁長官は、三国からドイツ財産たる商標の登録出願から生じた権利に係る商標の登録出願(商標権の存続期間更新の登録出願を含む。以下同じ。)で、その商標が指定標章と同一であり、又はこれを有するものを無効とすべき旨の請求を受けたときは、その出願を無効としなければならない。
3 第一項の規定により登録を取り消された商標権がその取消の日までにその登録又は存続期間の更新(更新が二回以上行われたときは、その最後のもの)の日から二十年を経過しているときは、その商標権は、その二十年が経過した時にさかのぼつて消滅したものとみなす。
(輸入許可の取消)
第二十五條 通商産業大臣は、三国からドイツ財産管理令第二十八條の二第一項の規定により輸入を許可した商品について許可を取り消すべき旨の請求を受けたときは、その許可を取り消さなければならない。
(損害賠償請求権)
第二十六條 三国以外の何人も、ドイツ財産であつた商標権については、昭和二十年九月二十日からドイツ財産でなくなつた日までの期間における商標権の侵害に対する損害賠償を請求することができない。
(不使用期間等の特例)
第二十七條 ドイツ財産であつた商標権については、昭和二十年九月二十日からドイツ財産でなくなつた日までの期間は、商標法第十四條に規定する期間に算入しない。
(公告)
第二十八條 特許庁長官は、左に掲げる場合は、その旨を特許公報で公告しなければならない。
一 第二十條第一項第二号の規定による指定をしたとき。
二 第二十四條第一項の規定により商標の登録を取り消したとき。
三 第二十四條第二項の規定により商標の登録出願を無効としたとき。
四 第二十五條の規定により通商産業大臣が許可を取り消したとき。
五 次條第一項において準用する第五條第四項の規定により商標の登録を取り消したとき。
六 次條第一項において準用する第六條第二項において準用する第五條第四項の規定により商標の登録出願を無効としたとき。
七 ドイツ財産管理令第三條第一項の規定により主務大臣が商標権又は商標の登録出願から生じた権利を指定したとき。
(準用)
第二十九條 第四條第一項から第三項まで、第五條、第六條第一項及び第二項並びに第十四條の規定は、商標に関し準用する。この場合において、第五條第一項中「特許権」とあるのは、「商標権(その商標が指定標章と同一であり、又はこれを有するものを除く。)」と、第六條第一項中「特許を受くるの権利」とあるのは、「商標の登録出願から生じた権利(その商標が指定標章と同一であり、又はこれを有するものを除く。)」と読み替えるものとする。
2 第二十四條第三項の規定は、前項において準用する第五條第四項の規定により登録を取り消された商標権に準用する。