(ミルク等の讓與及び買入)
第一條 政府は、学校及び保育所の給食の用に供するため、食糧管理特別会計の負担において買い入れた乾燥脱脂ミルク(以下「ミルク」という。)及び小麦を都道府県に讓與することができる。
2 前項の規定により讓與するミルク及び小麦の買入価額は、二十四億九千六百七十六万五千円をこえることができない。
3 政府は、必要があるときは、第一項に規定する小麦に代えて、食糧管理特別会計の負担においてその小麦に加工した小麦粉を同項の規定による讓與に充てることができる。
4 政府は、第一項の規定による讓與に充てるため、食糧管理特別会計の負担においてミルクを買い入れることができるものとし、当該ミルクの買入に要する経費を、食糧管理特別会計法(大正十年法律第三十七号)第六條第一項の規定にかかわらず、同会計の歳出をもつて支出することができる。
(財源の繰入)
第二條 政府は、前條第一項の規定による讓與に充てるミルク及び小麦の買入財源に充てるため、昭和二十六年度において、一般会計から、同條第二項に規定する金額をこえない範囲内で必要な金額を食糧管理特別会計に繰り入れるものとする。
(ミルク等の引渡)
第三條 政府は、第一條第一項又は第三項の規定によりミルク、小麦及び小麦粉を讓與する場合においては、学校給食用ミルク及び小麦は都道府県教育委員会に、保育所給食用ミルクは都道府県知事に、それぞれ到着港本船船側渡しにより、小麦粉は都道府県教育委員会に、農林大臣の指定する地(以下「指定地」という。)において引き渡すものとする。但し、小麦について必要があると認めるときは、指定地を引渡場所とすることができる。
2 政府は、前項の規定により小麦及び小麦粉を指定地において引き渡す場合においては、左に掲げる経費に相当する金額を、都道府県をして政府に納付させなければならない。
一 小麦については、到着港本船船側渡しにより受領して指定地において引き渡す時までにおけるその輸送、保管、加工等に要する経費
二 小麦粉については、前号に規定する期間中におけるその輸送、保管、加工等に要する経費(その原料である小麦の輸送、保管等に要する経費を含む。)
3 前項の規定により都道府県が納付する納付金は、食糧管理特別会計の歳入とする。
(ミルク等の兒童に対する讓與及び経費の負担)
第四條 都道府県は、第一條第一項の規定により讓與を受けたミルクにあつては学校又は保育所の給食の用に供するため、同項又は同條第三項の規定により讓與を受けた小麦及び小麦粉にあつては学校の給食の用に供するため、これらのものを小学校の兒童及び保育所の保育を受ける兒童に讓與しなければならない。但し、都道府県教育委員会又は都道府県知事は、前條第一項の規定により到着港本船船側渡しにより引渡を受けたミルク及び小麦については、その引渡を受けた時以後におけるミルク及び小麦の輸送、保管、加工等に要した経費を、同項の規定により指定地において引渡を受けた小麦及び小麦粉については、その小麦及び小麦粉につき同條第二項の規定により政府に納付した金額並びにその引渡を受けた時以後におけるその小麦及び小麦粉の輸送、保管、加工等に要した経費をそれぞれこれらのものの給食を受ける兒童の負担とすることができる。
(ミルクの買入財源に要する経費の繰越)
第五條 政府は、学校及び保育所の給食のために食糧管理特別会計に対する繰入金として計上された一般会計の歳出予算の経費の金額のうち、第一條第四項の規定により締結したミルクの買入契約が昭和二十六年度内に履行されなかつたため、同年度において食糧管理特別会計に繰り入れられなかつたものがあるときは、当該金額を、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四十二條の規定にかかわらず、翌年度に繰り越して使用することができる。
2 財政法第四十三條の規定は、前項の繰越について準用する。