低性能船舶買入法の規定により国が買い入れた船舶の外航船腹需給調整のためにする売拂に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年三月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
低性能船舶買入法の規定により国が買い入れた船舶の外航船腹需給調整のためにする売拂に関する法律
(売拂)
第一條 低性能船舶買入法(昭和二十五年法律第二百四十二号)の規定により国が所有権を取得した船舶(以下「買入船がい」という。)であつて、運輸大臣が外航船腹の需給調整上改造することが必要になつたと認めるものについては、大蔵大臣は、当該買入船がいを運輸大臣の指示するところにより船級協会の外航船舶としての船級を取得するに必要な改造を行うことを條件として、左の各号により売り拂うことができる。
一 当該買入船がいを政府に売却した者に対し、当該買入船がいの買入価格に、運輸大臣が当該買入船がいの対価を支拂つた日から大蔵大臣が売拂の対価を受け取る日までの日数に応じその買入価格に対して日歩二銭七厘の率をもつて計算した額を加えた価格で売り拂うこと。
二 前号によつて売り拂うことが困難なときは、一般の例によつて売り拂うこと。
(引渡)
第二條 大蔵大臣は、前條の規定により買入船がいを売り拂つたときは、その対価の支拂を受けた後でなければ当該買入船がいを買受人に引き渡してはならない。
(準用等)
第三條 低性能船舶買入法第十四條、第十五條、第十六條第一項第三号及び第十七條の二第一項の規定は、第一條の売拂の場合に準用する。
第四條 第一條に規定する買入船がいについては、低性能船舶買入法第十七條及び第十八條の規定の適用はないものとする。