酒税法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第252号
公布年月日: 昭和25年11月30日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

酒税の税率が高く、購買力が伴わないため、正規酒類の需給に混乱が生じ、徴収に支障をきたし、密造の弊害が拡大している。そこで、酒類の円滑な需給と密造防止のため、特に焼酎や清酒第二級など一般需要の多い酒類を中心に税率を引き下げることとした。これにより、清酒一級は一升当たり950円から750円程度に、二級は645円から460円程度に、合成清酒一級は500円から370円程度に、焼酎は450円から330円程度に、ビールは一本122円から115円程度に値下げされる見込みである。実施時期は年末年始の需給関係を考慮し、12月1日を予定している。

参照した発言:
第9回国会 衆議院 大蔵委員会 第3号

審議経過

第9回国会

衆議院
(昭和25年11月28日)
参議院
(昭和25年11月28日)
衆議院
(昭和25年11月29日)
参議院
(昭和25年11月29日)
(昭和25年11月29日)
(昭和25年11月29日)
衆議院
(昭和25年12月10日)
参議院
(昭和25年12月10日)
酒税法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年十一月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百五十二号
酒税法の一部を改正する法律
酒税法(昭和十五年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第八條第一項第二号中「味淋、味淋粕」の下に「、命令ヲ以テ定ムル物品」を加える。
第二十七條第一項を次のように改める。
酒税ノ税率左ノ如シ
一 清酒
特級 一石ニ付 三万五千円
第一級 一石ニ付 三万円
第二級 一石ニ付 二万二千三百円
二 合成清酒
第一級 一石ニ付 二万円
第二級 一石ニ付 一万六千八百円
三 濁酒 一石ニ付 二万円
四 白酒 一石ニ付 七万千五百円
五 味淋
甲類 一石ニ付 五万六千五百円
乙類 一石ニ付 二万二千五百円
六 燒酎
甲類 一石ニ付 一万五千四百円
アルコール分二十五度ヲ超ユルトキハアルコール分二十五度ヲ超ユル一度毎ニ六百十六円ヲ加フ
乙類 一石ニ付 一万三千九百円
アルコール分二十五度ヲ超ユルトキハアルコール分二十五度ヲ超ユル一度毎ニ五百五十六円ヲ加フ
七 麦酒 一石ニ付 一万二千円
八 果実酒 一石ニ付 七千円
九 雑酒
第一級 一石ニ付 十七万円
第二級 一石ニ付 四万五千円
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度毎ニ二千二百五十円ヲ加フ
第三級 一石ニ付 二万円
アルコール分十五度ヲ超ユルトキハアルコール分十五度ヲ超ユル一度毎ニ千三百五十円ヲ加フ
第四級 一石ニ付 一万四千円
同條第三項中「、類別及種別」を「及類別」に改める。
第二十七條ノ二第一項中「販売スル酒類ニシテ臨時物資需給調整法ニ基キ配給スル酒類」を「製造場又ハ販売場ヨリ移出スル酒類ニシテ臨時物資需給調整法ニ基キ配給スル酒類」に、「販売スル酒類ニシテ配給酒類トシテ購入シタル後」を「販売場ヨリ移出スル酒類ニシテ配給酒類トシテ移入シタル後」に、「販売スルニ至リタルモノ」を「移出スルニ至リタルモノ」に改め、同項第一号から第六号までを次のように改める。
一 清酒
特級 一石ニ付 三万六千五百円
第一級 一石ニ付 二万四千円
第二級 一石ニ付 六千七百円
二 合成清酒
第一級 一石ニ付 一万四千円
第二級 一石ニ付 七千円
三 燒酎
甲類及乙類 一石ニ付 五千百円
アルコール分二十五度ヲ超ユルトキハアルコール分二十五度ヲ超ユル一度毎ニ二百四円ヲ加フ
四 麦酒 一石ニ付 一万二千五百円
第三十三條第二項中「酒類製造者ガ販売シタル酒類」を「酒類製造者ガ製造場ヨリ移出シタル酒類」に、「酒類販売業者ガ販売シタル酒類」を「酒類販売業者ガ販売場ヨリ移出シタル酒類」に改める。
第三十四條ノ二中「販売シタルモノ」を「製造場又ハ販売場ヨリ移出シタルモノ」に改め、同條第一号中「又ハ販売ニ依ラズシテ配給酒類以外ノ酒類トシテ製造場又ハ指定販売場ヨリ製造場及指定販売場以外ノ場所ニ移出セラレタルトキ」を削り、同條第二号中「購入」を「販売場ニ移入」に改め、「又ハ販売ニ依ラズシテ配給酒類以外ノ酒類トシテ当該販売場ヨリ製造場及指定販売場以外ノ場所ニ移出セラレタルトキ」を削る。
第三十五條第一項中「、種別」を削る。
第三十五條ノ二第一項中「販売シタルトキ」を「製造場又ハ指定販売場ヨリ移出シタルトキ」に、「販売シタル酒類ノ種類、級別、類別、種別」を「移出シタル酒類ノ種類、級別、類別」に、「販売シ又ハ販売シタルモノ」を「移出シ又ハ移出シタルモノ」に改め、同條第二項中「販売シタルトキ」を「販売場ヨリ移出シタルトキ」に、「販売シ又ハ販売シタルモノ」を「移出シ又ハ移出シタルモノ」に改める。
第三十七條第一項中「製造場ヨリ移出シ」を「製造場若ハ指定販売場ヨリ移出シ」に改め、同條第二項中「製造場」を「製造場(指定販売場ヨリノ移出ニ在リテハ指定販売場)」に、「製造者」を「製造者(指定販売場ヨリノ移出ニ在リテハ指定販売業者)」に改め、同條第三項中「製造者」を「製造者若ハ指定販売業者」に改める。
第三十八條に第一項として次の一項を加える。
酒類ノ製造場又ハ指定販売場ヨリ移出シタル酒類ヲ当該酒類ヲ移出シタル酒類製造者又ハ指定販売業者ノ製造場又ハ指定販売場ニ戻入シタル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ戻入シタル時以降ニ納付スベキ酒税額ヨリ当該酒類ノ移出ノ際課セラレタル酒税額ニ相当スル金額ヲ控除ス
同條第一項中「販売ノ為」を削り、「同一製造場若ハ指定販売場ニ戻入シ又ハ酒類ノ製造場若ハ指定販売場ニ移入シタル場合」を「当該酒類ヲ移出シタル酒類製造者又ハ指定販売業者以外ノ者ノ酒類ノ製造場又ハ指定販売場ニ移入シタル場合」に改め、同條第二項中「戻入又ハ」を削り、同條第三項中「第一項」を「第二項」に改め、「戻入又ハ」を削り、「販売シタル」を「移出シタル」に改め、同條に次の一項を加える。
第一項又ハ第二項ノ酒類ヲ戻入シ又ハ移入シタル製造者又ハ指定販売業者ニ付其ノ製造業又ハ販売業ノ免許ノ取消其ノ他ノ事由ニ因リ当該酒類ヲ戻入シタル時又ハ移出シタル月分以降ニ納付スベキ税額無キ場合其ノ他第一項又ハ前二項ノ規定ニ依ル控除ヲ受クルコト困難ナル事由アル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ戻入シ又ハ移入シタル酒類ニ課セラレタル酒税額ニ相当スル金額ヲ還付スルコトヲ得
第六十六條中「第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、」を削る。
附 則
1 この法律は、昭和二十五年十二月一日から施行する。
2 この法律施行前に課した、又は課すべきであつた酒税については、なお従前の例による。
3 左の各号の一に該当する場合においては、前項の規定にかかわらず、当該各号に規定する酒類について、改正後の酒税法第三十八條の規定を適用する。この場合において、第一号の規定に該当するときは、この法律施行の日において当該酒類をもどし入れし、又は移入したものとみなす。
一 この法律施行の際、酒類の製造者又は指定販売業者(酒税法第二十七條ノ二第一項に規定する指定販売業者をいう。以下同じ。)が、酒類の製造場又は指定販売場(同法第三十四條ノ二第一号に規定する指定販売場をいう。以下同じ。)においてこの法律施行前にもどし入れし、又は移入した酒類を所有するとき。
二 酒類の製造者又は指定販売業者が、この法律施行前に酒類の製造場又は指定販売場から移出した酒類をこの法律施行後酒類の製造場又は指定販売場にもどし入れし、又は移入したとき。
4 酒類の製造者又は販売業者が、この法律施行の際に酒類の製造場又は販売場に存する酒類で改正前の酒税法第二十七條の規定による酒税のみを課せられたもの(改正前の同法第二十七條ノ二の規定による酒税を課せられない酒類及び第三項の規定の適用を受ける酒類を除く。以下第五項において同じ。)を改正後の同法第二十七條ノ二に規定する酒類以外の酒類として酒類の製造場又は販売場から移出した場合において、当該酒類が、当該酒類につき改正後の同法第二十七條の規定により算出した税額が改正前の同條の規定により算出した税額に満たないものであるときは、これらの税額の差額を当該酒類を移出した月分以後に納付すべき酒税額から控除する。
5 酒類の製造者又は販売業者が、この法律施行の際に酒類の製造場又は販売場に存する酒類で改正前の酒税法第二十七條の規定による酒税のみを課せられたものを改正後の同法第二十七條ノ二に規定する酒類として酒類の製造場又は販売場から移出した場合においては、当該酒類に係る酒税については、左の各号の定めるところによる。
一 当該酒類が、改正後の酒税法第二十七條ノ二の規定による酒税を課せられない酒類であり、且つ、当該酒類につき改正後の同法第二十七條の規定により算出した税額が改正前の同條の規定により算出した税額をこえるものである場合においては、当該酒類を改正後の同法第二十七條ノ二第一項各号に掲げる酒類とみなし、且つ、これらの税額の差額を同條の規定による税額とみなして同條の規定を適用する。
二 当該酒類が、当該酒類につき改正後の酒税法第二十七條及び第二十七條ノ二の規定により算出した税額が改正前の同法第二十七條の規定により算出した税額をこえるものである場合においては、これらの税額の差額を改正後の同法第二十七條ノ二の規定による税額とみなして同條の規定を適用する。
三 当該酒類が、改正後の酒税法第二十七條ノ二の規定による酒税を課せられない酒類であり、且つ、当該酒類につき改正後の同法第二十七條の規定により算出した税額が改正前の同條の規定により算出した税額に満たないものである場合においては、これらの税額の差額を当該酒類を移出した月分以後に納付すべき酒税額から控除する。
四 当該酒類が、当該酒類につき改正後の酒税法第二十七條及び第二十七條ノ二の規定により算出した税額が改正前の同法第二十七條の規定により算出した税額に満たないものである場合においては、これらの税額の差額を当該酒類を移出した月分以後に納付すべき酒税額から控除する。
6 酒類の製造者又は販売業者は、この法律施行の際に酒類の製造場又は販売場において所有する酒類で改正前の酒税法第二十七條の規定による酒税のみを課せられたもの(改正前の同法第二十七條ノ二の規定による酒税を課せられない酒類を除く。)について、その種類、級別、類別、種別及びアルコール分の異なるごとに、その数量及び貯蔵の場所を、この法律施行後一月以内に、所轄税務署に申告しなければならない。
7 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
大蔵大臣 池田勇人
内閣総理大臣 吉田茂
酒税法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年十一月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百五十二号
酒税法の一部を改正する法律
酒税法(昭和十五年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第八条第一項第二号中「味淋、味淋粕」の下に「、命令ヲ以テ定ムル物品」を加える。
第二十七条第一項を次のように改める。
酒税ノ税率左ノ如シ
一 清酒
特級 一石ニ付 三万五千円
第一級 一石ニ付 三万円
第二級 一石ニ付 二万二千三百円
二 合成清酒
第一級 一石ニ付 二万円
第二級 一石ニ付 一万六千八百円
三 濁酒 一石ニ付 二万円
四 白酒 一石ニ付 七万千五百円
五 味淋
甲類 一石ニ付 五万六千五百円
乙類 一石ニ付 二万二千五百円
六 焼酎
甲類 一石ニ付 一万五千四百円
アルコール分二十五度ヲ超ユルトキハアルコール分二十五度ヲ超ユル一度毎ニ六百十六円ヲ加フ
乙類 一石ニ付 一万三千九百円
アルコール分二十五度ヲ超ユルトキハアルコール分二十五度ヲ超ユル一度毎ニ五百五十六円ヲ加フ
七 麦酒 一石ニ付 一万二千円
八 果実酒 一石ニ付 七千円
九 雑酒
第一級 一石ニ付 十七万円
第二級 一石ニ付 四万五千円
アルコール分二十度ヲ超ユルトキハアルコール分二十度ヲ超ユル一度毎ニ二千二百五十円ヲ加フ
第三級 一石ニ付 二万円
アルコール分十五度ヲ超ユルトキハアルコール分十五度ヲ超ユル一度毎ニ千三百五十円ヲ加フ
第四級 一石ニ付 一万四千円
同条第三項中「、類別及種別」を「及類別」に改める。
第二十七条ノ二第一項中「販売スル酒類ニシテ臨時物資需給調整法ニ基キ配給スル酒類」を「製造場又ハ販売場ヨリ移出スル酒類ニシテ臨時物資需給調整法ニ基キ配給スル酒類」に、「販売スル酒類ニシテ配給酒類トシテ購入シタル後」を「販売場ヨリ移出スル酒類ニシテ配給酒類トシテ移入シタル後」に、「販売スルニ至リタルモノ」を「移出スルニ至リタルモノ」に改め、同項第一号から第六号までを次のように改める。
一 清酒
特級 一石ニ付 三万六千五百円
第一級 一石ニ付 二万四千円
第二級 一石ニ付 六千七百円
二 合成清酒
第一級 一石ニ付 一万四千円
第二級 一石ニ付 七千円
三 焼酎
甲類及乙類 一石ニ付 五千百円
アルコール分二十五度ヲ超ユルトキハアルコール分二十五度ヲ超ユル一度毎ニ二百四円ヲ加フ
四 麦酒 一石ニ付 一万二千五百円
第三十三条第二項中「酒類製造者ガ販売シタル酒類」を「酒類製造者ガ製造場ヨリ移出シタル酒類」に、「酒類販売業者ガ販売シタル酒類」を「酒類販売業者ガ販売場ヨリ移出シタル酒類」に改める。
第三十四条ノ二中「販売シタルモノ」を「製造場又ハ販売場ヨリ移出シタルモノ」に改め、同条第一号中「又ハ販売ニ依ラズシテ配給酒類以外ノ酒類トシテ製造場又ハ指定販売場ヨリ製造場及指定販売場以外ノ場所ニ移出セラレタルトキ」を削り、同条第二号中「購入」を「販売場ニ移入」に改め、「又ハ販売ニ依ラズシテ配給酒類以外ノ酒類トシテ当該販売場ヨリ製造場及指定販売場以外ノ場所ニ移出セラレタルトキ」を削る。
第三十五条第一項中「、種別」を削る。
第三十五条ノ二第一項中「販売シタルトキ」を「製造場又ハ指定販売場ヨリ移出シタルトキ」に、「販売シタル酒類ノ種類、級別、類別、種別」を「移出シタル酒類ノ種類、級別、類別」に、「販売シ又ハ販売シタルモノ」を「移出シ又ハ移出シタルモノ」に改め、同条第二項中「販売シタルトキ」を「販売場ヨリ移出シタルトキ」に、「販売シ又ハ販売シタルモノ」を「移出シ又ハ移出シタルモノ」に改める。
第三十七条第一項中「製造場ヨリ移出シ」を「製造場若ハ指定販売場ヨリ移出シ」に改め、同条第二項中「製造場」を「製造場(指定販売場ヨリノ移出ニ在リテハ指定販売場)」に、「製造者」を「製造者(指定販売場ヨリノ移出ニ在リテハ指定販売業者)」に改め、同条第三項中「製造者」を「製造者若ハ指定販売業者」に改める。
第三十八条に第一項として次の一項を加える。
酒類ノ製造場又ハ指定販売場ヨリ移出シタル酒類ヲ当該酒類ヲ移出シタル酒類製造者又ハ指定販売業者ノ製造場又ハ指定販売場ニ戻入シタル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ戻入シタル時以降ニ納付スベキ酒税額ヨリ当該酒類ノ移出ノ際課セラレタル酒税額ニ相当スル金額ヲ控除ス
同条第一項中「販売ノ為」を削り、「同一製造場若ハ指定販売場ニ戻入シ又ハ酒類ノ製造場若ハ指定販売場ニ移入シタル場合」を「当該酒類ヲ移出シタル酒類製造者又ハ指定販売業者以外ノ者ノ酒類ノ製造場又ハ指定販売場ニ移入シタル場合」に改め、同条第二項中「戻入又ハ」を削り、同条第三項中「第一項」を「第二項」に改め、「戻入又ハ」を削り、「販売シタル」を「移出シタル」に改め、同条に次の一項を加える。
第一項又ハ第二項ノ酒類ヲ戻入シ又ハ移入シタル製造者又ハ指定販売業者ニ付其ノ製造業又ハ販売業ノ免許ノ取消其ノ他ノ事由ニ因リ当該酒類ヲ戻入シタル時又ハ移出シタル月分以降ニ納付スベキ税額無キ場合其ノ他第一項又ハ前二項ノ規定ニ依ル控除ヲ受クルコト困難ナル事由アル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ戻入シ又ハ移入シタル酒類ニ課セラレタル酒税額ニ相当スル金額ヲ還付スルコトヲ得
第六十六条中「第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、」を削る。
附 則
1 この法律は、昭和二十五年十二月一日から施行する。
2 この法律施行前に課した、又は課すべきであつた酒税については、なお従前の例による。
3 左の各号の一に該当する場合においては、前項の規定にかかわらず、当該各号に規定する酒類について、改正後の酒税法第三十八条の規定を適用する。この場合において、第一号の規定に該当するときは、この法律施行の日において当該酒類をもどし入れし、又は移入したものとみなす。
一 この法律施行の際、酒類の製造者又は指定販売業者(酒税法第二十七条ノ二第一項に規定する指定販売業者をいう。以下同じ。)が、酒類の製造場又は指定販売場(同法第三十四条ノ二第一号に規定する指定販売場をいう。以下同じ。)においてこの法律施行前にもどし入れし、又は移入した酒類を所有するとき。
二 酒類の製造者又は指定販売業者が、この法律施行前に酒類の製造場又は指定販売場から移出した酒類をこの法律施行後酒類の製造場又は指定販売場にもどし入れし、又は移入したとき。
4 酒類の製造者又は販売業者が、この法律施行の際に酒類の製造場又は販売場に存する酒類で改正前の酒税法第二十七条の規定による酒税のみを課せられたもの(改正前の同法第二十七条ノ二の規定による酒税を課せられない酒類及び第三項の規定の適用を受ける酒類を除く。以下第五項において同じ。)を改正後の同法第二十七条ノ二に規定する酒類以外の酒類として酒類の製造場又は販売場から移出した場合において、当該酒類が、当該酒類につき改正後の同法第二十七条の規定により算出した税額が改正前の同条の規定により算出した税額に満たないものであるときは、これらの税額の差額を当該酒類を移出した月分以後に納付すべき酒税額から控除する。
5 酒類の製造者又は販売業者が、この法律施行の際に酒類の製造場又は販売場に存する酒類で改正前の酒税法第二十七条の規定による酒税のみを課せられたものを改正後の同法第二十七条ノ二に規定する酒類として酒類の製造場又は販売場から移出した場合においては、当該酒類に係る酒税については、左の各号の定めるところによる。
一 当該酒類が、改正後の酒税法第二十七条ノ二の規定による酒税を課せられない酒類であり、且つ、当該酒類につき改正後の同法第二十七条の規定により算出した税額が改正前の同条の規定により算出した税額をこえるものである場合においては、当該酒類を改正後の同法第二十七条ノ二第一項各号に掲げる酒類とみなし、且つ、これらの税額の差額を同条の規定による税額とみなして同条の規定を適用する。
二 当該酒類が、当該酒類につき改正後の酒税法第二十七条及び第二十七条ノ二の規定により算出した税額が改正前の同法第二十七条の規定により算出した税額をこえるものである場合においては、これらの税額の差額を改正後の同法第二十七条ノ二の規定による税額とみなして同条の規定を適用する。
三 当該酒類が、改正後の酒税法第二十七条ノ二の規定による酒税を課せられない酒類であり、且つ、当該酒類につき改正後の同法第二十七条の規定により算出した税額が改正前の同条の規定により算出した税額に満たないものである場合においては、これらの税額の差額を当該酒類を移出した月分以後に納付すべき酒税額から控除する。
四 当該酒類が、当該酒類につき改正後の酒税法第二十七条及び第二十七条ノ二の規定により算出した税額が改正前の同法第二十七条の規定により算出した税額に満たないものである場合においては、これらの税額の差額を当該酒類を移出した月分以後に納付すべき酒税額から控除する。
6 酒類の製造者又は販売業者は、この法律施行の際に酒類の製造場又は販売場において所有する酒類で改正前の酒税法第二十七条の規定による酒税のみを課せられたもの(改正前の同法第二十七条ノ二の規定による酒税を課せられない酒類を除く。)について、その種類、級別、類別、種別及びアルコール分の異なるごとに、その数量及び貯蔵の場所を、この法律施行後一月以内に、所轄税務署に申告しなければならない。
7 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
大蔵大臣 池田勇人
内閣総理大臣 吉田茂