(国民徴用令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第六百號
公布年月日: 昭和18年7月21日
法令の形式: 勅令
朕國民徵用令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年七月二十日
內閣總理大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
內務大臣 安藤紀三郞
大東亞大臣 靑木一男
勅令第六百號
國民徵用令中左ノ通改正ス
第二條 徵用ハ國家ノ要請ニ基キ帝國臣民ヲシテ緊要ナル總動員業務ニ從事セシムル必要アル場合ニ之ヲ行フモノトス
第五條中「徵用ノ解除ハ」ノ下ニ「厚生大臣自ラ之ヲ行フ場合及第二十二條ノ二第一項ノ場合ヲ除クノ外」ヲ加フ
第七條第一項中「(國民職業能力申吿令第二條第一號ノ職業ニ從事スル者ニ付テハ其ノ者ノ就業地)」ヲ「(國民職業能力申吿令第二條第一號乃至第五號ニ該當スル要申吿者ニシテ職業ニ從事スルモノ又ハ現ニ使用セラルル官衙、管理工場若ハ指定工場ニ於テ行フ總動員業務ニ從事セシムル爲徵用セラルベキ者ニ付テハ其ノ者ノ同令ニ依ル就業地又ハ當該官衙、管理工場若ハ指定工場ノ所在地)」ニ、「東京府」ヲ「東京都」ニ、同條第二項中「(國民職業能力申吿令第二條第一號ノ職業ニ從事スル場合ニ於テハ就業ノ場所)」ヲ「(國民職業能力申吿令第二條第一號乃至第五號ニ該當スル要申吿者ニシテ職業ニ從事スルモノナル場合ニ於テハ就業ノ場所)」ニ、「(國民職業能力申吿令第二條第一號ノ職業ニ從事スル者ニ付テハ就業地)」ヲ「(國民職業能力申吿令第二條第一號乃至第五號ニ該當スル要申吿者ニシテ職業ニ從事スルモノニ付テハ同令ニ依ル就業地)」ニ改メ同條第三項ヲ削ル
第七條ノ二 地方長官徵用命令ノ通達ヲ受ケタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ出頭命令書ヲ發シ徵用セラルベキ者ニ之ヲ交付スベシ
地方長官ハ前項ノ出頭命令書ノ交付ヲ受ケ出頭シタル者ニ付身體ノ狀態、居住及就業ノ場所、職業、技能程度、家庭ノ狀況、希望等ヲ檢査又ハ調査シテ服務ノ適否ヲ判定シ從事スベキ總動員業務、職業及場所ヲ決定シタル上徵用令書ヲ發シ徵用セラルベキ者ニ之ヲ交付スベシ
緊急ヲ要スルトキ又ハ前項ノ規定ニ依ル檢査若ハ調査ヲ爲スノ必要ナシト認ムルトキハ地方長官ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ直ニ徵用令書ヲ發シ徵用セラルベキ者ニ之ヲ交付スルコトヲ得
第七條ノ三 前條第二項ノ規定ニ依ル檢査又ハ調査及服務ノ適否ノ判定ニ關スル事務ニ從事セシムル爲廳府縣ニ國民徵用官ヲ置ク
國民徵用官ハ保安部長タル警視廳部長、警察部長タル北海道廳若ハ府縣ノ部長又ハ地方長官ノ指定スル警視廳若ハ北海道廳ノ事務官、職業官若ハ技師若ハ地方事務官、地方職業官若ハ地方技師ヲ以テ之ニ充ツ
第七條ノ四 厚生大臣管理工場又ハ指定工場ノ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ヲ徵用シ當該工場ニ於テ行フ總動員業務ニ從事セシムルニ當リテハ第六條乃至前條ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ徵用命令ヲ發シ當該工場ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ニ之ヲ通達シ地方長官ヲシテ徵用令書ヲ發シ徵用セラルベキ者ニ之ヲ交付セシメ又ハ徵用令書ヲ發シ徵用セラルベキ者ニ之ヲ交付スベシ
第八條第一號中「(國民職業能力申吿令第二條第一號ノ職業ニ從事スル者ニ付テハ就業ノ場所)」ヲ「(國民職業能力申吿令第二條第一號乃至第五號ニ該當スル要申吿者ニシテ職業ニ從事スルモノニ付テハ就業ノ場所)」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第一號中居住ノ場所又ハ就業ノ場所ニ關スル事項ハ徵用セラルベキ者現ニ使用セラルル官衙、管理工場若ハ指定工場ニ於テ行フ總動員業務ニ從事セシムル爲ニ徵用セラルルモノナルトキ又ハ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ナルトキハ之ヲ記載スルコトヲ要セズ
第九條及第十條 削除
第十一條中「徵用令書」ヲ「出頭命令書又ハ徵用令書」ニ、「地方長官」ヲ「厚生大臣又ハ地方長官」ニ改ム
第十二條ノ末尾ニ左ノ如ク加フ
管理工場ニ使用セラルル者ニ付當該管理工場ヲ管理スル主務大臣其ノ徵用ノ變更ヲ必要トスルトキ亦同ジ
第十三條ニ左ノ二項ヲ加フ
厚生大臣必要アリト認ムルトキハ前條ノ規定ニ依ル請求又ハ申請ナキ場合ト雖モ被徵用者ノ徵用ヲ變更スルコトヲ得
厚生大臣前項ノ規定ニ依リ徵用ヲ變更セントスルトキハ官衙ニ使用セラルル者ニ在リテハ當該官衙ノ所管大臣ニ、管理工場ニ使用セラルル者ニ在リテハ當該管理工場ヲ管理スル主務大臣ニ協議スベシ
第十六條ノ二 第十二條前段、第十三條第一項第二項、第十四條第一項及第十五條第一項第二項ノ規定ハ被徵用者タル管理工場又ハ指定工場ノ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ノ徵用ノ變更又ハ解除ニ付之ヲ準用ス
厚生大臣被徵用者タル管理工場又ハ指定工場ノ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ノ徵用ノ變更又ハ解除ヲ爲サントスルトキハ前條ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ徵用變更命令若ハ徵用解除命令ヲ發シ當該工場ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ニ之ヲ通達シ地方長官ヲシテ徵用變更令書若ハ徵用解除令書ヲ發シ被徵用者ニ之ヲ交付セシメ又ハ徵用變更令書若ハ徵用解除令書ヲ發シ被徵用者ニ之ヲ交付スベシ
第十六條ノ三 被徵用者ハ忠誠ヲ旨トシ其ノ從事スル總動員業務ニ精勵スベシ
第十六條ノ四 被徵用者ノ表彰ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六條ノ五 被徵用者ニシテ管理工場又ハ指定工場ニ於テ行フ總動員業務ニ從事スルモノハ之ヲ應徵士ト稱ス
應徵士ノ懲戒、服制其ノ他應徵士ノ服務ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七條中「管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル者ニ在リテハ」ノ下ニ「前條第二項ノ規定ニ基キテ發スル命令ニ依ルノ外」ヲ加ヘ「事業主ノ指示ニ從フベシ」ヲ「事業主ノ指揮ヲ受クベシ」ニ改ム
第十八條第二項中「管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル者ニ關シテハ」ノ下ニ「命令ノ定ムル所ニ依リ」ヲ加フ
第十九條第一項及第二項中「第十條ノ規定ニ依リ」ヲ「出頭命令書ノ交付ヲ受ケ」ニ改メ同條第三項ヲ左ノ如ク改ム
被徵用者徵用令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合、徵用ヲ解除セラレ歸鄕スル場合又ハ被徵用者若ハ其ノ家族ノ危篤若ハ死亡ノ爲官衙ノ長若ハ事業主ノ通知ニ依リ被徵用者ノ家族出頭シ若ハ官衙ノ長若ハ事業主ノ許可ヲ得テ被徵用者一時歸鄕スル場合ノ旅費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ官衙ニ使用セラルル被徵用者ニ付テハ當該官衙ノ長之ヲ支給シ管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル被徵用者ニ付テハ當該管理工場又ハ指定工場ノ事業主之ヲ支給スルモノトス
同條第四項中「第一項及前項ノ場合」ヲ「徵用セラルベキ者出頭命令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合又ハ被徵用者徵用令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合」ニ、「市町村」ヲ「市町村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ在リテハ東京都)」ニ、同條第五項中「第十條ノ規定ニ依リ」ヲ「出頭命令書ノ交付ヲ受ケ」ニ改メ同條第六項ヲ左ノ如ク改ム
被徵用者徵用令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合ノ旅費及其ノ一時繰替支辨竝ニ徵用ヲ解除セラレ歸鄕スル場合及被徵用者又ハ其ノ家族ノ危篤若ハ死亡ノ爲官衙ノ長若ハ事業主ノ通知ニ依リ被徵用者ノ家族出頭シ又ハ官衙ノ長若ハ事業主ノ許可ヲ得テ被徵用者一時歸鄕スル場合ノ旅費ニ關シ必要ナル事項ハ官衙ニ使用セラルル被徵用者ニ關シテハ當該官衙ノ所管大臣厚生大臣ニ協議シテ之ヲ定メ管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル被徵用者ニ關シテハ厚生大臣之ヲ定ム
第二十二條第二號中「道府縣會」ヲ「東京都議會、道府縣會」ニ改ム
第二十二條ノ二 厚生大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ヲシテ徵用命令、徵用變更命令若ハ徵用解除命令ヲ俟タズ直ニ出頭命令書、徵用令書、徵用變更令書若ハ徵用解除令書ヲ發シ徵用セラルベキ者若ハ被徵用者ニ之ヲ交付セシメ又ハ地方長官ヲシテ第四條第二項、第六條第一項、第七條ノ四、第十二條乃至第十五條(第十六條ノ二第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第十六條ノ二第二項、第十八條第二項若ハ第十九條ノ二ノ規定ニ依ル厚生大臣ノ職權ヲ行ハシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ地方長官厚生大臣ノ職權ヲ行フ場合ニ於テハ同項ニ揭グル各條項ニ依ル總動員業務ヲ行フ官衙ノ所管大臣、被徵用者ヲ使用スル官衙ノ所管大臣、當該官衙ノ所管大臣又ハ當該管理工場ヲ管理スル主務大臣ノ職權ハ各總動員業務ヲ行フ官衙ノ長、被徵用者ヲ使用スル官衙ノ長、當該官衙ノ長又ハ工場事業場管理令ニ依ル當該管理工場ノ監理官之ヲ行フ
第二十三條中「東京市」ヲ「東京都ノ區ノ存スル區域」ニ、「費用ハ市町村」ヲ「費用ハ市町村(東京都ノ區ノ存スル區域ニ在リテハ東京都)」ニ改ム
第二十五條ニ左ノ一項ヲ加フ
第七條ノ三第一項中廳府縣トアルハ朝鮮、臺灣、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ各道、州若ハ廳、樺太廳又ハ南洋廳トシ同條第二項中保安部長タル警視廳部長、警察部長タル北海道廳若ハ府縣ノ部長トアルハ朝鮮ニ在リテハ內務部長タル道事務官、臺灣ニ在リテハ產業部長タル州事務官、樺太ニ在リテハ警察部長タル部長、南洋群島ニ在リテハ內務部長タル部長トシ警視廳若ハ北海道廳ノ事務官、職業官若ハ技師若ハ地方事務官、地方職業官若ハ地方技師トアルハ朝鮮ニ在リテハ道ノ理事官若ハ技師、府尹、郡守若ハ島司、臺灣ニ在リテハ地方理事官若ハ地方技師、樺太ニ在リテハ樺太廳ノ書記官、事務官若ハ技師、南洋群島ニ在リテハ南洋廳ノ事務官若ハ技師トス
附 則
本令ハ昭和十八年八月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、臺灣、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十八年九月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕国民徴用令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年七月二十日
内閣総理大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
内務大臣 安藤紀三郎
大東亜大臣 青木一男
勅令第六百号
国民徴用令中左ノ通改正ス
第二条 徴用ハ国家ノ要請ニ基キ帝国臣民ヲシテ緊要ナル総動員業務ニ従事セシムル必要アル場合ニ之ヲ行フモノトス
第五条中「徴用ノ解除ハ」ノ下ニ「厚生大臣自ラ之ヲ行フ場合及第二十二条ノ二第一項ノ場合ヲ除クノ外」ヲ加フ
第七条第一項中「(国民職業能力申告令第二条第一号ノ職業ニ従事スル者ニ付テハ其ノ者ノ就業地)」ヲ「(国民職業能力申告令第二条第一号乃至第五号ニ該当スル要申告者ニシテ職業ニ従事スルモノ又ハ現ニ使用セラルル官衙、管理工場若ハ指定工場ニ於テ行フ総動員業務ニ従事セシムル為徴用セラルベキ者ニ付テハ其ノ者ノ同令ニ依ル就業地又ハ当該官衙、管理工場若ハ指定工場ノ所在地)」ニ、「東京府」ヲ「東京都」ニ、同条第二項中「(国民職業能力申告令第二条第一号ノ職業ニ従事スル場合ニ於テハ就業ノ場所)」ヲ「(国民職業能力申告令第二条第一号乃至第五号ニ該当スル要申告者ニシテ職業ニ従事スルモノナル場合ニ於テハ就業ノ場所)」ニ、「(国民職業能力申告令第二条第一号ノ職業ニ従事スル者ニ付テハ就業地)」ヲ「(国民職業能力申告令第二条第一号乃至第五号ニ該当スル要申告者ニシテ職業ニ従事スルモノニ付テハ同令ニ依ル就業地)」ニ改メ同条第三項ヲ削ル
第七条ノ二 地方長官徴用命令ノ通達ヲ受ケタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ出頭命令書ヲ発シ徴用セラルベキ者ニ之ヲ交付スベシ
地方長官ハ前項ノ出頭命令書ノ交付ヲ受ケ出頭シタル者ニ付身体ノ状態、居住及就業ノ場所、職業、技能程度、家庭ノ状況、希望等ヲ検査又ハ調査シテ服務ノ適否ヲ判定シ従事スベキ総動員業務、職業及場所ヲ決定シタル上徴用令書ヲ発シ徴用セラルベキ者ニ之ヲ交付スベシ
緊急ヲ要スルトキ又ハ前項ノ規定ニ依ル検査若ハ調査ヲ為スノ必要ナシト認ムルトキハ地方長官ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ直ニ徴用令書ヲ発シ徴用セラルベキ者ニ之ヲ交付スルコトヲ得
第七条ノ三 前条第二項ノ規定ニ依ル検査又ハ調査及服務ノ適否ノ判定ニ関スル事務ニ従事セシムル為庁府県ニ国民徴用官ヲ置ク
国民徴用官ハ保安部長タル警視庁部長、警察部長タル北海道庁若ハ府県ノ部長又ハ地方長官ノ指定スル警視庁若ハ北海道庁ノ事務官、職業官若ハ技師若ハ地方事務官、地方職業官若ハ地方技師ヲ以テ之ニ充ツ
第七条ノ四 厚生大臣管理工場又ハ指定工場ノ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ヲ徴用シ当該工場ニ於テ行フ総動員業務ニ従事セシムルニ当リテハ第六条乃至前条ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ徴用命令ヲ発シ当該工場ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ニ之ヲ通達シ地方長官ヲシテ徴用令書ヲ発シ徴用セラルベキ者ニ之ヲ交付セシメ又ハ徴用令書ヲ発シ徴用セラルベキ者ニ之ヲ交付スベシ
第八条第一号中「(国民職業能力申告令第二条第一号ノ職業ニ従事スル者ニ付テハ就業ノ場所)」ヲ「(国民職業能力申告令第二条第一号乃至第五号ニ該当スル要申告者ニシテ職業ニ従事スルモノニ付テハ就業ノ場所)」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第一号中居住ノ場所又ハ就業ノ場所ニ関スル事項ハ徴用セラルベキ者現ニ使用セラルル官衙、管理工場若ハ指定工場ニ於テ行フ総動員業務ニ従事セシムル為ニ徴用セラルルモノナルトキ又ハ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ナルトキハ之ヲ記載スルコトヲ要セズ
第九条及第十条 削除
第十一条中「徴用令書」ヲ「出頭命令書又ハ徴用令書」ニ、「地方長官」ヲ「厚生大臣又ハ地方長官」ニ改ム
第十二条ノ末尾ニ左ノ如ク加フ
管理工場ニ使用セラルル者ニ付当該管理工場ヲ管理スル主務大臣其ノ徴用ノ変更ヲ必要トスルトキ亦同ジ
第十三条ニ左ノ二項ヲ加フ
厚生大臣必要アリト認ムルトキハ前条ノ規定ニ依ル請求又ハ申請ナキ場合ト雖モ被徴用者ノ徴用ヲ変更スルコトヲ得
厚生大臣前項ノ規定ニ依リ徴用ヲ変更セントスルトキハ官衙ニ使用セラルル者ニ在リテハ当該官衙ノ所管大臣ニ、管理工場ニ使用セラルル者ニ在リテハ当該管理工場ヲ管理スル主務大臣ニ協議スベシ
第十六条ノ二 第十二条前段、第十三条第一項第二項、第十四条第一項及第十五条第一項第二項ノ規定ハ被徴用者タル管理工場又ハ指定工場ノ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ノ徴用ノ変更又ハ解除ニ付之ヲ準用ス
厚生大臣被徴用者タル管理工場又ハ指定工場ノ事業主(事業主法人ナル場合ニ在リテハ其ノ代表者)ノ徴用ノ変更又ハ解除ヲ為サントスルトキハ前条ノ規定ニ拘ラズ命令ノ定ムル所ニ依リ徴用変更命令若ハ徴用解除命令ヲ発シ当該工場ノ所在地ヲ管轄スル地方長官ニ之ヲ通達シ地方長官ヲシテ徴用変更令書若ハ徴用解除令書ヲ発シ被徴用者ニ之ヲ交付セシメ又ハ徴用変更令書若ハ徴用解除令書ヲ発シ被徴用者ニ之ヲ交付スベシ
第十六条ノ三 被徴用者ハ忠誠ヲ旨トシ其ノ従事スル総動員業務ニ精励スベシ
第十六条ノ四 被徴用者ノ表彰ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十六条ノ五 被徴用者ニシテ管理工場又ハ指定工場ニ於テ行フ総動員業務ニ従事スルモノハ之ヲ応徴士ト称ス
応徴士ノ懲戒、服制其ノ他応徴士ノ服務ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第十七条中「管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル者ニ在リテハ」ノ下ニ「前条第二項ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ依ルノ外」ヲ加ヘ「事業主ノ指示ニ従フベシ」ヲ「事業主ノ指揮ヲ受クベシ」ニ改ム
第十八条第二項中「管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル者ニ関シテハ」ノ下ニ「命令ノ定ムル所ニ依リ」ヲ加フ
第十九条第一項及第二項中「第十条ノ規定ニ依リ」ヲ「出頭命令書ノ交付ヲ受ケ」ニ改メ同条第三項ヲ左ノ如ク改ム
被徴用者徴用令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合、徴用ヲ解除セラレ帰郷スル場合又ハ被徴用者若ハ其ノ家族ノ危篤若ハ死亡ノ為官衙ノ長若ハ事業主ノ通知ニ依リ被徴用者ノ家族出頭シ若ハ官衙ノ長若ハ事業主ノ許可ヲ得テ被徴用者一時帰郷スル場合ノ旅費ハ命令ノ定ムル所ニ依リ官衙ニ使用セラルル被徴用者ニ付テハ当該官衙ノ長之ヲ支給シ管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル被徴用者ニ付テハ当該管理工場又ハ指定工場ノ事業主之ヲ支給スルモノトス
同条第四項中「第一項及前項ノ場合」ヲ「徴用セラルベキ者出頭命令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合又ハ被徴用者徴用令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合」ニ、「市町村」ヲ「市町村(東京都ノ区ノ存スル区域ニ在リテハ東京都)」ニ、同条第五項中「第十条ノ規定ニ依リ」ヲ「出頭命令書ノ交付ヲ受ケ」ニ改メ同条第六項ヲ左ノ如ク改ム
被徴用者徴用令書ノ交付ヲ受ケ出頭スル場合ノ旅費及其ノ一時繰替支弁並ニ徴用ヲ解除セラレ帰郷スル場合及被徴用者又ハ其ノ家族ノ危篤若ハ死亡ノ為官衙ノ長若ハ事業主ノ通知ニ依リ被徴用者ノ家族出頭シ又ハ官衙ノ長若ハ事業主ノ許可ヲ得テ被徴用者一時帰郷スル場合ノ旅費ニ関シ必要ナル事項ハ官衙ニ使用セラルル被徴用者ニ関シテハ当該官衙ノ所管大臣厚生大臣ニ協議シテ之ヲ定メ管理工場又ハ指定工場ニ使用セラルル被徴用者ニ関シテハ厚生大臣之ヲ定ム
第二十二条第二号中「道府県会」ヲ「東京都議会、道府県会」ニ改ム
第二十二条ノ二 厚生大臣必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地方長官ヲシテ徴用命令、徴用変更命令若ハ徴用解除命令ヲ俟タズ直ニ出頭命令書、徴用令書、徴用変更令書若ハ徴用解除令書ヲ発シ徴用セラルベキ者若ハ被徴用者ニ之ヲ交付セシメ又ハ地方長官ヲシテ第四条第二項、第六条第一項、第七条ノ四、第十二条乃至第十五条(第十六条ノ二第一項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)、第十六条ノ二第二項、第十八条第二項若ハ第十九条ノ二ノ規定ニ依ル厚生大臣ノ職権ヲ行ハシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ地方長官厚生大臣ノ職権ヲ行フ場合ニ於テハ同項ニ掲グル各条項ニ依ル総動員業務ヲ行フ官衙ノ所管大臣、被徴用者ヲ使用スル官衙ノ所管大臣、当該官衙ノ所管大臣又ハ当該管理工場ヲ管理スル主務大臣ノ職権ハ各総動員業務ヲ行フ官衙ノ長、被徴用者ヲ使用スル官衙ノ長、当該官衙ノ長又ハ工場事業場管理令ニ依ル当該管理工場ノ監理官之ヲ行フ
第二十三条中「東京市」ヲ「東京都ノ区ノ存スル区域」ニ、「費用ハ市町村」ヲ「費用ハ市町村(東京都ノ区ノ存スル区域ニ在リテハ東京都)」ニ改ム
第二十五条ニ左ノ一項ヲ加フ
第七条ノ三第一項中庁府県トアルハ朝鮮、台湾、樺太又ハ南洋群島ニ在リテハ各道、州若ハ庁、樺太庁又ハ南洋庁トシ同条第二項中保安部長タル警視庁部長、警察部長タル北海道庁若ハ府県ノ部長トアルハ朝鮮ニ在リテハ内務部長タル道事務官、台湾ニ在リテハ産業部長タル州事務官、樺太ニ在リテハ警察部長タル部長、南洋群島ニ在リテハ内務部長タル部長トシ警視庁若ハ北海道庁ノ事務官、職業官若ハ技師若ハ地方事務官、地方職業官若ハ地方技師トアルハ朝鮮ニ在リテハ道ノ理事官若ハ技師、府尹、郡守若ハ島司、台湾ニ在リテハ地方理事官若ハ地方技師、樺太ニ在リテハ樺太庁ノ書記官、事務官若ハ技師、南洋群島ニ在リテハ南洋庁ノ事務官若ハ技師トス
附 則
本令ハ昭和十八年八月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、台湾、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十八年九月一日ヨリ之ヲ施行ス