陸軍諸学校生徒教育令
法令番号: 勅令第百二十一號
公布年月日: 昭和17年3月4日
法令の形式: 勅令
朕陸軍諸學校生徒敎育令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月三日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 東條英機
勅令第百二十一號
陸軍諸學校生徒敎育令
第一條 陸軍野戰砲兵學校及陸軍重砲兵學校ニ於テハ砲兵關係ノ現役兵科下士官ト爲スベキ生徒、陸軍防空學校ニ於テハ地上防空關係ノ現役兵科下士官ト爲スベキ生徒ヲ敎育ス
第二條 生徒ハ砲兵關係ノ現役兵科下士官又ハ地上防空關係ノ現役兵科下士官タルコトヲ志願シ召募試驗ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ砲兵關係ノ現役兵科下士官又ハ地上防空關係ノ現役兵科下士官ニ必要ナル敎育ヲ受ケシム通常每年一囘入校セシメ其ノ修學期間ハ槪ネ二年トス
第三條 生徒ノ採用ニ關スル事項及入校期日ニ就テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四條 生徒ノ敎育ヲ分チテ訓育竝ニ學科及術科敎育トシ其ノ敎育綱領ハ敎育總監之ヲ定ム
第五條 生徒ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ砲兵監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第六條 生徒ノ敎育ヲ行フ爲陸軍野戰砲兵學校及陸軍防空學校ニ生徒隊ヲ置ク
陸軍重砲兵學校ニ在リテハ敎導隊練習隊ニ於テ生徒ノ敎育ヲ行フ
第七條 生徒ノ兵器ニ關スル實習ハ當該學校ノ材料廠ニ就キ之ヲ行フコトヲ得
第八條 生徒隊ニ左ノ職員ヲ置ク
生徒隊長
生徒隊中隊長
生徒隊附
准士官、下士官及判任文官
第九條 生徒ノ敎育ヲ行フ爲陸軍野戰砲兵學校、陸軍防空學校及陸軍重砲兵學校ニ文官敎官ヲ置クコトヲ得
第十條 生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ敎育ヲ掌理ス
陸軍重砲兵學校敎導隊長ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ敎育ヲ掌理ス
第十一條 生徒隊中隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒ノ敎育ヲ擔任ス
陸軍重砲兵學校敎導隊練習隊長ハ敎導隊長ノ命ヲ承ケ生徒ノ敎育ヲ擔任ス
第十二條 生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第十三條 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ敎育ヲ補助シ又ハ技術若ハ事務ニ從事ス
第十四條 文官敎官ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ學科敎育及之ニ關聯スル訓育ヲ掌ル
第十五條 生徒ハ校內ニ居住セシメ其ノ修學ニ要スル兵器、被服、圖書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第十六條 生徒ハ總テ校長ノ管理ニ屬ス
第十七條 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十八條 生徒左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屢法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 學術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修學ニ堪ヘザル者
五 前各號ノ外下士官タルニ適セズト認ムル者
第十九條 生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修學期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望アリト認ムルモノハ之ヲ所要ノ期間滯學セシメ又ハ次期ノ生徒ト爲スコトヲ得
第二十條 前二條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ砲兵監ノ認可ヲ受ケ之ヲ處理ス
第二十一條 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ其ノ修業成績書ヲ調製シ之ヲ砲兵監ヲ經テ敎育總監ニ提出シ其ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與シ著隊日時ヲ指定シ之ヲ所屬部隊ニ入隊セシム
前項ノ場合ニ於テ校長ハ各生徒ノ修業成績書ヲ本人ノ所管長官ヲ經テ所屬部隊長ニ送付スルモノトス
滯學セシメラレタル生徒修學ヲ終リタルトキハ前二項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第二十二條 校長ハ生徒ニ每年三週間以內ノ休暇ヲ與フルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十七年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕陸軍諸学校生徒教育令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月三日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 東条英機
勅令第百二十一号
陸軍諸学校生徒教育令
第一条 陸軍野戦砲兵学校及陸軍重砲兵学校ニ於テハ砲兵関係ノ現役兵科下士官ト為スベキ生徒、陸軍防空学校ニ於テハ地上防空関係ノ現役兵科下士官ト為スベキ生徒ヲ教育ス
第二条 生徒ハ砲兵関係ノ現役兵科下士官又ハ地上防空関係ノ現役兵科下士官タルコトヲ志願シ召募試験ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ砲兵関係ノ現役兵科下士官又ハ地上防空関係ノ現役兵科下士官ニ必要ナル教育ヲ受ケシム通常毎年一回入校セシメ其ノ修学期間ハ概ネ二年トス
第三条 生徒ノ採用ニ関スル事項及入校期日ニ就テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四条 生徒ノ教育ヲ分チテ訓育並ニ学科及術科教育トシ其ノ教育綱領ハ教育総監之ヲ定ム
第五条 生徒ノ教育ノ実施ハ教則ニ依ル其ノ教則ハ前条ノ教育綱領ニ基キ砲兵監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第六条 生徒ノ教育ヲ行フ為陸軍野戦砲兵学校及陸軍防空学校ニ生徒隊ヲ置ク
陸軍重砲兵学校ニ在リテハ教導隊練習隊ニ於テ生徒ノ教育ヲ行フ
第七条 生徒ノ兵器ニ関スル実習ハ当該学校ノ材料廠ニ就キ之ヲ行フコトヲ得
第八条 生徒隊ニ左ノ職員ヲ置ク
生徒隊長
生徒隊中隊長
生徒隊附
准士官、下士官及判任文官
第九条 生徒ノ教育ヲ行フ為陸軍野戦砲兵学校、陸軍防空学校及陸軍重砲兵学校ニ文官教官ヲ置クコトヲ得
第十条 生徒隊長ハ生徒隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ教育ヲ掌理ス
陸軍重砲兵学校教導隊長ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ教育ヲ掌理ス
第十一条 生徒隊中隊長ハ生徒隊長ノ命ヲ承ケ生徒ノ教育ヲ担任ス
陸軍重砲兵学校教導隊練習隊長ハ教導隊長ノ命ヲ承ケ生徒ノ教育ヲ担任ス
第十二条 生徒隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第十三条 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ教育ヲ補助シ又ハ技術若ハ事務ニ従事ス
第十四条 文官教官ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ノ学科教育及之ニ関連スル訓育ヲ掌ル
第十五条 生徒ハ校内ニ居住セシメ其ノ修学ニ要スル兵器、被服、図書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第十六条 生徒ハ総テ校長ノ管理ニ属ス
第十七条 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十八条 生徒左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屡法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 学術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修学ニ堪ヘザル者
五 前各号ノ外下士官タルニ適セズト認ムル者
第十九条 生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修学期間内ニ所定ノ学術ヲ修メ得ザル者ニシテ尚望アリト認ムルモノハ之ヲ所要ノ期間滞学セシメ又ハ次期ノ生徒ト為スコトヲ得
第二十条 前二条ノ規定ニ該当スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ砲兵監ノ認可ヲ受ケ之ヲ処理ス
第二十一条 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ其ノ修業成績書ヲ調製シ之ヲ砲兵監ヲ経テ教育総監ニ提出シ其ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業証書ヲ付与シ著隊日時ヲ指定シ之ヲ所属部隊ニ入隊セシム
前項ノ場合ニ於テ校長ハ各生徒ノ修業成績書ヲ本人ノ所管長官ヲ経テ所属部隊長ニ送付スルモノトス
滞学セシメラレタル生徒修学ヲ終リタルトキハ前二項ノ規定ニ準ジ之ヲ取扱フモノトス
第二十二条 校長ハ生徒ニ毎年三週間以内ノ休暇ヲ与フルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十七年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス