(臨時利得税法中改正法律)
法令番号: 法律第四十九號
公布年月日: 昭和17年2月23日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル臨時利得稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十一日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
法律第四十九號
臨時利得稅法中左ノ通改正ス
第三條第三號ヲ左ノ如ク改ム
三 不動產、不動產上ノ權利(永小作權又ハ地上權ノ設定其ノ他他人ヲシテ不動產又ハ不動產上ノ權利ヲ使用セシムル一切ノ場合ヲ含ム以下同ジ)、船舶(製造中ノ船舶ヲ含ム以下同ジ)又ハ鑛業若ハ砂鑛業ニ關スル權利若ハ設備ノ讓渡ニ因ル個人ノ利得(讓渡利得ト稱ス以下同ジ)
第十一條ノ二第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
讓渡利得ハ不動產、不動產上ノ權利、船舶又ハ鑛業若ハ砂鑛業ニ關スル權利若ハ設備ノ讓渡ニ因ル前年中ノ總收入金額ヨリ取得價額、設備費、改良費及讓渡ニ關スル必要ノ經費ヲ控除シタル金額ニ依ル
不動產、不動產上ノ權利、船舶又ハ鑛業又ハ砂鑛業ニ關スル權利若ハ設備ニシテ昭和十一年十二月三十一日以前ニ取得シタルモノニ付テハ同日ニ於ケル價額ニ其ノ百分ノ五ニ相當スル金額ヲ加算シタル金額ヲ以テ前項ノ取得價額トシ同日後ニ爲シタル設備又ハ改良ニ要シタル費用ノミヲ以テ前項ノ設備費又ハ改良費トス
第十一條ノ三中「二千圓」ヲ「五千圓」ニ改ム
第十四條 法人ノ臨時利得稅ハ法人ノ利得ヲ左ノ部分ニ區分シ各部分ニ付左ノ稅率ヲ適用シテ之ヲ賦課ス
一 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ旣往事業年度ノ平均利益率ヲ乘ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ三十五
二 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ旣往事業年度ノ平均利益率ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ二十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ五十五
三 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ二十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ三十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ六十五
四 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ三十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヲ超ユル金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ七十五
法人ノ第一次事業年度ガ昭和十二年一月一日以後ニ終了シタル場合ニ於テ當該法人ノ現事業年度ノ積立金額ガ現事業年度ノ拂込株式金額、出資金額、基金又ハ醵金ニ百分ノ三十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ニ滿タザルトキハ前項第二號ノ利得中現事業年度ノ拂込株式金額、出資金額、基金又ハ醵金ニ百分ノ三十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ヨリ現事業年度ノ積立金額ヲ控除シタル殘額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乘ジテ算出シタル金額ニ相當スル金額ヨリ成ル部分ノ金額ニ限リ前項ニ規定スル稅率百分ノ五十五ハ之ヲ百分ノ四十五トス但シ合併ニ因リテ設立シタル法人又ハ合併後存續スル法人ニ在リテハ當該合併ニ因リテ消滅シタル法人中第一次事業年度ガ昭和十一年十二月三十一日以前ニ終了シタルモノアル法人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有セザル法人ニ付テハ之ヲ適用セズ
現事業年度ノ資本金額十萬圓以下ナル法人ニ限リ第一項ニ規定スル稅率百分ノ三十五ハ之ヲ百分ノ二十五トシ同百分ノ五十五ハ之ヲ百分ノ四十五トシ同百分ノ六十五ハ之ヲ百分ノ五十五トシ同百分ノ七十五ハ之ヲ百分ノ六十五トシ第二項ニ規定スル稅率百分ノ四十五ハ之ヲ百分ノ三十五トス
第二項ニ規定スル法人ノ現事業年度ノ拂込株式金額、出資金額、基金、醵金又ハ積立金額ハ各月末ニ於ケル拂込株式金額、出資金額、基金、醵金又ハ積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
第十四條ノ二第一項但書中「年百分ノ二十」ヲ「年百分ノ十五」ニ改ム
第十四條ノ五 個人ノ臨時利得稅ハ左ノ稅率ニ依リ之ヲ賦課ス
一 營業利得 利得金額ノ百分ノ三十五
二 讓渡利得
利得ヲ左ノ各級ニ區分シ遞次ニ各稅率ヲ適用ス
十萬圓以下ノ金額 利得金額ノ百分ノ二十五
十萬圓ヲ超ユル金額 利得金額ノ百分ノ四十
三十萬圓ヲ超ユル金額 利得金額ノ百分ノ五十五
第十六條 納稅義務アル個人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ每年三月十五日迄ニ利得金額ヲ政府ニ申吿スベシ
第十七條中「營業利得金額」ヲ「個人ノ利得金額」ニ、「營業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改メ同條第四項ヲ削ル
第十八條中「營業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改ム
第二十六條第二項中「營業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改メ同條第三項ヲ削ル
第二十七條第二項中「營業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改ム
附則第二項ヲ左ノ如ク改ム
本法ニ依ル臨時利得稅ノ賦課ハ法人ニ付テハ大東亞戰爭終了ノ年ノ翌年十二月三十一日迄ニ終了スル事業年度分限リ、個人ニ付テハ大東亞戰爭終了ノ年ノ翌年分限リトス
附 則
本法ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
法人ノ臨時利得稅ニ付テハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、營業利得ニ對スル臨時利得稅ニ付テハ昭和十七年分ヨリ、讓渡利得ニ對スル臨時利得稅ニ付テハ昭和十八年分ヨリ本法ヲ適用ス
昭和十六年十二月三十一日以前ノ船舶(製造中ノ船舶ヲ含ム)又ハ鑛業若ハ砂鑛業ニ關スル權利若ハ設備ノ讓渡ニ因ル個人ノ利得ニ對スル臨時利得稅ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル臨時利得税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年二月二十一日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
法律第四十九号
臨時利得税法中左ノ通改正ス
第三条第三号ヲ左ノ如ク改ム
三 不動産、不動産上ノ権利(永小作権又ハ地上権ノ設定其ノ他他人ヲシテ不動産又ハ不動産上ノ権利ヲ使用セシムル一切ノ場合ヲ含ム以下同ジ)、船舶(製造中ノ船舶ヲ含ム以下同ジ)又ハ鉱業若ハ砂鉱業ニ関スル権利若ハ設備ノ譲渡ニ因ル個人ノ利得(譲渡利得ト称ス以下同ジ)
第十一条ノ二第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
譲渡利得ハ不動産、不動産上ノ権利、船舶又ハ鉱業若ハ砂鉱業ニ関スル権利若ハ設備ノ譲渡ニ因ル前年中ノ総収入金額ヨリ取得価額、設備費、改良費及譲渡ニ関スル必要ノ経費ヲ控除シタル金額ニ依ル
不動産、不動産上ノ権利、船舶又ハ鉱業又ハ砂鉱業ニ関スル権利若ハ設備ニシテ昭和十一年十二月三十一日以前ニ取得シタルモノニ付テハ同日ニ於ケル価額ニ其ノ百分ノ五ニ相当スル金額ヲ加算シタル金額ヲ以テ前項ノ取得価額トシ同日後ニ為シタル設備又ハ改良ニ要シタル費用ノミヲ以テ前項ノ設備費又ハ改良費トス
第十一条ノ三中「二千円」ヲ「五千円」ニ改ム
第十四条 法人ノ臨時利得税ハ法人ノ利得ヲ左ノ部分ニ区分シ各部分ニ付左ノ税率ヲ適用シテ之ヲ賦課ス
一 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ既往事業年度ノ平均利益率ヲ乗ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ三十五
二 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ既往事業年度ノ平均利益率ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ二十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ五十五
三 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ二十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超エ現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ三十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額以下ノ金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ六十五
四 利益金額中現事業年度ノ資本金額ニ年百分ノ三十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヲ超ユル金額ヨリ成ル部分ノ利得 利得金額ノ百分ノ七十五
法人ノ第一次事業年度ガ昭和十二年一月一日以後ニ終了シタル場合ニ於テ当該法人ノ現事業年度ノ積立金額ガ現事業年度ノ払込株式金額、出資金額、基金又ハ醵金ニ百分ノ三十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ニ満タザルトキハ前項第二号ノ利得中現事業年度ノ払込株式金額、出資金額、基金又ハ醵金ニ百分ノ三十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ヨリ現事業年度ノ積立金額ヲ控除シタル残額ニ年百分ノ十ノ割合ヲ乗ジテ算出シタル金額ニ相当スル金額ヨリ成ル部分ノ金額ニ限リ前項ニ規定スル税率百分ノ五十五ハ之ヲ百分ノ四十五トス但シ合併ニ因リテ設立シタル法人又ハ合併後存続スル法人ニ在リテハ当該合併ニ因リテ消滅シタル法人中第一次事業年度ガ昭和十一年十二月三十一日以前ニ終了シタルモノアル法人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
前項ノ規定ハ本法施行地ニ本店又ハ主タル事務所ヲ有セザル法人ニ付テハ之ヲ適用セズ
現事業年度ノ資本金額十万円以下ナル法人ニ限リ第一項ニ規定スル税率百分ノ三十五ハ之ヲ百分ノ二十五トシ同百分ノ五十五ハ之ヲ百分ノ四十五トシ同百分ノ六十五ハ之ヲ百分ノ五十五トシ同百分ノ七十五ハ之ヲ百分ノ六十五トシ第二項ニ規定スル税率百分ノ四十五ハ之ヲ百分ノ三十五トス
第二項ニ規定スル法人ノ現事業年度ノ払込株式金額、出資金額、基金、醵金又ハ積立金額ハ各月末ニ於ケル払込株式金額、出資金額、基金、醵金又ハ積立金額ノ月割平均ヲ以テ之ヲ計算ス
第十四条ノ二第一項但書中「年百分ノ二十」ヲ「年百分ノ十五」ニ改ム
第十四条ノ五 個人ノ臨時利得税ハ左ノ税率ニ依リ之ヲ賦課ス
一 営業利得 利得金額ノ百分ノ三十五
二 譲渡利得
利得ヲ左ノ各級ニ区分シ逓次ニ各税率ヲ適用ス
十万円以下ノ金額 利得金額ノ百分ノ二十五
十万円ヲ超ユル金額 利得金額ノ百分ノ四十
三十万円ヲ超ユル金額 利得金額ノ百分ノ五十五
第十六条 納税義務アル個人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ毎年三月十五日迄ニ利得金額ヲ政府ニ申告スベシ
第十七条中「営業利得金額」ヲ「個人ノ利得金額」ニ、「営業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改メ同条第四項ヲ削ル
第十八条中「営業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改ム
第二十六条第二項中「営業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改メ同条第三項ヲ削ル
第二十七条第二項中「営業利得」ヲ「個人ノ利得」ニ改ム
附則第二項ヲ左ノ如ク改ム
本法ニ依ル臨時利得税ノ賦課ハ法人ニ付テハ大東亜戦争終了ノ年ノ翌年十二月三十一日迄ニ終了スル事業年度分限リ、個人ニ付テハ大東亜戦争終了ノ年ノ翌年分限リトス
附 則
本法ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
法人ノ臨時利得税ニ付テハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、営業利得ニ対スル臨時利得税ニ付テハ昭和十七年分ヨリ、譲渡利得ニ対スル臨時利得税ニ付テハ昭和十八年分ヨリ本法ヲ適用ス
昭和十六年十二月三十一日以前ノ船舶(製造中ノ船舶ヲ含ム)又ハ鉱業若ハ砂鉱業ニ関スル権利若ハ設備ノ譲渡ニ因ル個人ノ利得ニ対スル臨時利得税ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル