日本研究のための歴史情報
法令データベース
本データベースについて
言論、出版、集会、結社等臨時取締法
法令番号: 法律第九十七號
公布年月日: 昭和16年12月19日
法令の形式: 法律
沿革
リンク
廃止:
昭和20年10月13日 勅令第568号
国立国会図書館『官報』
国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル言論、出版、集會、結社等臨時取締法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十二月十八日
內閣總理大臣兼內務大臣 東條英機
司法大臣 岩村通世
法律第九十七號
言論、出版、集會、結社等臨時取締法
第一條
本法ハ戰時ニ際シ言論、出版、集會、結社等ノ取締ヲ適正ナラシメ以テ安寧秩序ヲ保持スルコトヲ目的トス
第二條
政事ニ關スル結社ヲ組織セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ發起人ニ於テ行政官廳ノ許可ヲ受クベシ
第三條
政事ニ關シ集會ヲ開カントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ發起人ニ於テ行政官廳ノ許可ヲ受クベシ但シ法令ヲ以テ組織シタル議會ノ議員候補者タルベキ者ヲ銓衡スル爲ノ集會及選擧運動ノ爲ニスル集會竝ニ公衆ヲ會同セザル集會ハ命令ノ定ムル所ニ依リ發起人ニ於テ行政官廳ニ屆出ヅルヲ以テ足ル
第四條
公事ニ關スル結社又ハ集會ニシテ政事ニ關セザルモノト雖モ必要アル場合ニ於テハ命令ヲ以テ前二條ノ規定ニ依ラシムルコトヲ得
第五條
屋外ニ於テ公衆ヲ會同シ又ハ多衆運動セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ發起人ニ於テ行政官廳ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ定メタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六條
法令ヲ以テ組織シタル議會ノ議員議事準備ノ爲相團結スルモノニ付テハ第二條ノ規定ヲ、議事準備ノ爲相會同スルモノニ付テハ第三條ノ規定ヲ適用セズ
第七條
新聞紙法ニ依ル出版物ヲ發行セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ許可ヲ受クベシ
第八條
行政官廳必要アリト認ムルトキハ第二條乃至第五條若ハ前條ノ規定ニ依ル許可ヲ取消シ又ハ第三條若ハ第四條ノ規定ニ依リ屆出デタル集會ノ禁止ヲ命ズルコトヲ得
第九條
出版物ノ發賣及頒布ノ禁止アリタル場合ニ於テ行政官廳必要アリト認ムルトキハ當該題號ノ出版物ノ以後ノ發行ヲ停止シ又ハ同一人若ハ同一社ノ發行ニ係ル他ノ出版物ノ發行ヲ停止スルコトヲ得
第十條
第七條ノ規定又ハ前條ノ規定ニ依ル停止ノ命令ニ違反シテ發賣又ハ頒布スルノ目的ヲ以テ印刷シタル出版物ハ行政官廳ニ於テ之ヲ差押フルコトヲ得
第十一條
第二條ノ規定(第四條ノ規定ニ基キ依ラシメタル場合ヲ含ム)ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十二條
第三條ノ規定(第四條ノ規定ニ基キ依ラシメタル場合ヲ含ム)又ハ第五條ノ規定ニ違反シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十三條
第七條ノ規定ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十四條
第九條ノ規定ニ依ル停止ノ命令アリタル出版物ヲ發行シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十五條
第十條ノ規定ニ依ル差押處分ノ執行ヲ妨害シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十六條
前三條ノ罪ニハ刑法併合罪ノ規定ヲ適用セズ
第十七條
時局ニ關シ造言飛語ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ二千圓以下ノ罰金ニ處ス
第十八條
時局ニ關シ人心ヲ惑亂スベキ事項ヲ流布シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ存スル政事ニ關スル結社(第六條前段ノ規定ニ該當スルモノヲ除ク)又ハ第四條ノ命令施行ノ際現ニ存スル當該命令ニ係ル公事ニ關スル結社ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ存續ニ付主幹者ニ於テ行政官廳ノ許可ヲ受クベシ
第八條ノ規定ハ前項ノ許可ニ、第十一條ノ規定ハ同項ノ規定ニ違反シタル者ニ之ヲ準用ス
集會又ハ多衆運動ニシテ第三條又ハ第五條ノ規定ニ依リ許可又ハ屆出ヲ要スルモノニ付テハ本法施行後三日以內ニ行フモノニ限リ仍從前ノ例ニ依ル
本法施行ノ際現ニ成規ノ手續ヲ經テ新聞紙法ニ依ル出版物ヲ發行スル者ハ第七條ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケタル者ト看做ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル言論、出版、集会、結社等臨時取締法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十二月十八日
内閣総理大臣兼内務大臣 東条英機
司法大臣 岩村通世
法律第九十七号
言論、出版、集会、結社等臨時取締法
第一条
本法ハ戦時ニ際シ言論、出版、集会、結社等ノ取締ヲ適正ナラシメ以テ安寧秩序ヲ保持スルコトヲ目的トス
第二条
政事ニ関スル結社ヲ組織セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ発起人ニ於テ行政官庁ノ許可ヲ受クベシ
第三条
政事ニ関シ集会ヲ開カントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ発起人ニ於テ行政官庁ノ許可ヲ受クベシ但シ法令ヲ以テ組織シタル議会ノ議員候補者タルベキ者ヲ銓衡スル為ノ集会及選挙運動ノ為ニスル集会並ニ公衆ヲ会同セザル集会ハ命令ノ定ムル所ニ依リ発起人ニ於テ行政官庁ニ届出ヅルヲ以テ足ル
第四条
公事ニ関スル結社又ハ集会ニシテ政事ニ関セザルモノト雖モ必要アル場合ニ於テハ命令ヲ以テ前二条ノ規定ニ依ラシムルコトヲ得
第五条
屋外ニ於テ公衆ヲ会同シ又ハ多衆運動セントスルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ発起人ニ於テ行政官庁ノ許可ヲ受クベシ但シ命令ヲ以テ定メタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第六条
法令ヲ以テ組織シタル議会ノ議員議事準備ノ為相団結スルモノニ付テハ第二条ノ規定ヲ、議事準備ノ為相会同スルモノニ付テハ第三条ノ規定ヲ適用セズ
第七条
新聞紙法ニ依ル出版物ヲ発行セントスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官庁ノ許可ヲ受クベシ
第八条
行政官庁必要アリト認ムルトキハ第二条乃至第五条若ハ前条ノ規定ニ依ル許可ヲ取消シ又ハ第三条若ハ第四条ノ規定ニ依リ届出デタル集会ノ禁止ヲ命ズルコトヲ得
第九条
出版物ノ発売及頒布ノ禁止アリタル場合ニ於テ行政官庁必要アリト認ムルトキハ当該題号ノ出版物ノ以後ノ発行ヲ停止シ又ハ同一人若ハ同一社ノ発行ニ係ル他ノ出版物ノ発行ヲ停止スルコトヲ得
第十条
第七条ノ規定又ハ前条ノ規定ニ依ル停止ノ命令ニ違反シテ発売又ハ頒布スルノ目的ヲ以テ印刷シタル出版物ハ行政官庁ニ於テ之ヲ差押フルコトヲ得
第十一条
第二条ノ規定(第四条ノ規定ニ基キ依ラシメタル場合ヲ含ム)ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第十二条
第三条ノ規定(第四条ノ規定ニ基キ依ラシメタル場合ヲ含ム)又ハ第五条ノ規定ニ違反シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第十三条
第七条ノ規定ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第十四条
第九条ノ規定ニ依ル停止ノ命令アリタル出版物ヲ発行シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第十五条
第十条ノ規定ニ依ル差押処分ノ執行ヲ妨害シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第十六条
前三条ノ罪ニハ刑法併合罪ノ規定ヲ適用セズ
第十七条
時局ニ関シ造言飛語ヲ為シタル者ハ二年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第十八条
時局ニ関シ人心ヲ惑乱スベキ事項ヲ流布シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ存スル政事ニ関スル結社(第六条前段ノ規定ニ該当スルモノヲ除ク)又ハ第四条ノ命令施行ノ際現ニ存スル当該命令ニ係ル公事ニ関スル結社ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ存続ニ付主幹者ニ於テ行政官庁ノ許可ヲ受クベシ
第八条ノ規定ハ前項ノ許可ニ、第十一条ノ規定ハ同項ノ規定ニ違反シタル者ニ之ヲ準用ス
集会又ハ多衆運動ニシテ第三条又ハ第五条ノ規定ニ依リ許可又ハ届出ヲ要スルモノニ付テハ本法施行後三日以内ニ行フモノニ限リ仍従前ノ例ニ依ル
本法施行ノ際現ニ成規ノ手続ヲ経テ新聞紙法ニ依ル出版物ヲ発行スル者ハ第七条ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケタル者ト看做ス
本文
詳細・沿革