現行民法では、家族が戸主の意に反して居所を定めることができず、戸主は家族が指定場所に移らない場合に離籍できる。この離籍制度は重大な制裁であり、本来は一家統率上の必要な場合のみ行使されるべきだが、近時不当な目的での濫用が増加し紛争が頻発している。そこで、この弊害を防止するため、戸主が家族を離籍する際には裁判所の許可を必要とする制度に改め、正当な理由の有無を裁判所が判断することとする。非訟事件手続法の改正は、この民法改正に伴う離籍許可の手続規定を設けるものである。
参照した発言:
第76回帝国議会 貴族院 本会議 第4号