(工業組合法中改正法律)
法令番号: 法律第七十五號
公布年月日: 昭和12年8月14日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル工業組合法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月十三日
內閣總理大臣 公爵 近衞文麿
商工大臣 吉野信次
法律第七十五號
工業組合法中左ノ通改正ス
第一條 工業者ハ其ノ工業ノ改良發達ヲ圖ル爲共同ノ施設ヲ爲ス目的ヲ以テ工業組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ二種以上ノ工業者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
第三條第二項中「資金ノ貸付」ノ下ニ「、組合員ノ爲ニスル其ノ營業上ノ債務ノ保證」ヲ加フ
第四條 工業組合ハ其ノ名稱中ニ工業組合ナル文字ヲ用フベシ但シ第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ統制工業組合ナル文字ヲ用フベシ
工業組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ工業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ非ザルモノハ其ノ名稱中ニ統制工業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第五條中「ノ一部」ヲ削ル
第六條 工業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ宗款違反者ニ對シ過怠金ヲ課シ又ハ其ノ違反ニ係ル工產品ニシテ違反者ノ所有スルモノニ付抑留其ノ他必要ナル處分ヲ爲シ特ニ必要アルトキハ沒收ヲ爲スコトヲ得
第六條ノ二中「行フ場合ニ於テハ」ノ下ニ「總會ノ議決ヲ經テ」ヲ加フ
第六條ノ三 工業組合前條ノ規程ニ基キ製造又ハ加工ノ數量、販賣價格、加工料金其ノ他命令ノ定ムル事項ニ付決定ヲ爲シタルトキハ遲滯ナク之ヲ行政官廳ニ屆出ヅベシ
行政官廳必要アリト認ムルトキハ前項ノ決定ノ變更又ハ取消ヲ爲スコトヲ得
第七條 營業上ノ弊害ヲ豫防シ若ハ矯正スル爲又ハ工業ノ健全ナル發達ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ行政官廳ハ工業組合ニ對シ必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第八條中「又ハ矯正スル爲」ヲ「若ハ矯正スル爲又ハ工業ノ健全ナル發達ヲ圖ル爲」ニ改ム
第八條ノ二 前條ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ於テ行政官廳取締上必要アリト認ムルトキハ當該官吏ヲシテ工場、倉庫、店舖其ノ他ノ場所ニ臨檢シ物品、帳簿其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該官吏ハ工業組合ノ檢査員ヲシテ必要ナル補助ヲ爲サシムルコトヲ得
第一項ノ場合ニ於テ當該官吏前條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者アリト認ムルトキハ被疑者若ハ參考人ヲ尋問シ又ハ犯罪ノ事實ヲ證明スベキ物件ヲ搜索シ若ハ之ガ差押ヲ爲スコトヲ得
臨檢、尋問、搜索及差押ニ關シテハ間接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第八條ノ三 行政官廳第八條ノ規定ニ依ル命令ヲ遵守セシムル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ其ノ命令ニ從フベキ者ニ對シ其ノ製造又ハ加工ノ設備ノ使用ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ行政官廳取締上必要アリト認ムルトキハ製造又ハ加工ノ設備ニ付封印ヲ施シ、其ノ要部ヲ取外シ其ノ他必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第十四條第一項但書ヲ削リ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ代理人ハ設立同意者タルコトヲ要ス但シ法人タル設立同意者ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト爲スコトヲ得
第十五條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ第六號乃至第九號及第十五號ニ揭ゲタル事項ハ之ヲ記載スルコトヲ要セズ
第十五條ノ二 工業組合ハ設立ノ認可アリタル時又ハ第二十八條ノ三第二項ノ規定ニ依リ定款ノ作成アリタル時成立ス
第十六條 工業組合ハ出資ノ第一囘ノ拂込アリタル後二週間以內ニ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ爲スベシ但シ第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ其ノ成立後二週間以內ニ之ヲ爲スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ但シ第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ第三號及第四號ニ揭ゲタル事項竝ニ第十五條第七號及第十五號ニ揭ゲタル事項ハ之ヲ登記スルコトヲ要セズ
一 第十五條第一號乃至第三號、第七號及第十五號ニ揭ゲタル事項
二 事務所
三 出資ノ總口數及拂込ミタル出資ノ總額
四 第十八條ノ二ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名又ハ名稱、住所及保證金額
五 成立ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ揭ゲタル事項中ニ變更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ爲スベシ但シ前項第三號ニ揭ゲタル事項ニ付テハ每事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後一月以內ニ登記ヲ爲スコトヲ得
第二十條第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
理事及監事ハ總會ニ於テ組合員又ハ組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ組合設立當時ノ理事及監事ハ創立總會ニ於テ第十二條第一項ノ場合ニ在リテハ設立同意者又ハ設立同意者タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ、第二十八條ノ四第一項ノ場合ニ在リテハ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ組合員タル資格ヲ有スル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第二十條ノ二 第三條第一項第一號ノ事業ヲ行フ工業組合ニシテ全國ヲ地區トスルモノ若ハ第八條ノ規定ニ依ル命令アリタルモノ又ハ第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ノ理事ノ選任及解任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
組合ガ前項ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場合ニ於テ現ニ其ノ職ニ在ル理事ハ其ノ選任ニ付前項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第一項ニ揭ゲタル組合ノ理事ノ選任ニ付テハ前條第三項ノ規定ニ依ル認可ヲ受クルコトヲ要セズ
第二十一條ノ二 組合員ハ代理人ヲ以テ議決權ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席ト看做ス
前項ノ代理人ハ組合員タルコトヲ要ス但シ法人タル組合員ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト爲スコトヲ得
代理人ハ代理權ヲ證スル書面ヲ組合ニ差出スベシ
第二十二條第一項中「ノ一部」ヲ削ル
第二十八條中「又ハ定款」ヲ「、定款又ハ第六條ノ二ノ規程」ニ改ム
第二十八條ノ三 行政官廳當該工業ノ統制ヲ圖リ國民經濟ノ健全ナル發達ヲ期スル爲特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地區及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ對シ工業組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者行政官廳ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官廳ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ關シ必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第二十八條ノ四 前條第一項ノ規定ニ依リ工業組合ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ創立總會ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ創立總會ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ爲ス
第二十八條ノ五 行政官廳第二十八條ノ三第二項ノ規定ニ依リ定款ヲ作成シタルトキハ工業組合ノ理事及監事ヲ命ズ
前項ノ理事ハ遲滯ナク總會ヲ招集スベシ
前項ノ總會ニ於テハ組合設立當時ノ經費ノ收支豫算及分賦收入方法ヲ議決スベシ
第二十二條第二項ノ規定ハ前項ノ議決ニ之ヲ準用ス
第二十八條ノ六 第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ第三條第一項第二號及第二項ノ事業ヲ行フコトヲ得ズ
第二十八條ノ七 第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合成立シタルトキハ其ノ組合ノ地區內ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ハ其ノ組合ノ組合員トス
第二十八條ノ八 第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ其ノ組合員ヲシテ出資ヲ爲サシムルコトヲ得ズ
第二十八條ノ九 第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ合併ヲ爲スコトヲ得ズ
第三十條中「設立セムトスルトキ」ノ下ニ「又ハ第三十三條ノ規定ニ依リ準用シタル第二十八條ノ三ノ規定ニ依リ其ノ設立ヲ命ゼラレタルトキ」ヲ加フ
第三十一條ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ規定ハ第三十三條ノ規定ニ依リ準用シタル第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合聯合會ニ付テハ之ヲ適用セズ
第三十二條第一項中「又ハ所屬ノ工業者」ノ下ニ「若ハ所屬ノ工業者タル法人ノ業務ヲ執行スル役員」ヲ加ヘ同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該當セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ行政官廳ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ效力ヲ生ゼズ
第三十三條但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第三條中組合員トアルハ所屬ノ組合、聯合會、工業者及組合員トシ第二十條ノ二中全國トアルハ道府縣ノ區域ヲ超ユル區域トス
第三十四條第二項中「、總會又ハ創立委員會ノ決議錄」ヲ「又ハ總會ノ決議錄ノ謄本、組合ノ設立アリタルコトヲ證スル書面」ニ改メ同項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニシテ行政官廳ノ處分ニ因リ成立シタルモノニ在リテハ創立總會又ハ總會ノ決議錄ノ謄本、出資ノ總口數ヲ證スル書面及出資ノ第一囘ノ拂込アリタルコトヲ證スル書面、其ノ他ノモノニ在リテハ出資ノ總口數ヲ證スル書面及出資ノ第一囘ノ拂込アリタルコトヲ證スル書面ハ之ヲ添附スルコトヲ要セズ
第三十八條中「第三十五條乃至第三十七條」ヲ「第三十五條、第三十六條」ニ改メ「第百四條ノ規定」ノ下ニ「(第二十八條ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ付テハ產業組合法第十條、第十一條第一項、第十二條、第十八條乃至第二十二條、第四十條乃至第四十三條、第四十四條第二項、第四十五條、第四十六條、第四十八條、第五十一條第三號乃至第五號、第五十二條乃至第五十八條、第六十二條第一項第一號第三號、第六十三條ノ二、第六十四條、第六十六條第一項、第六十七條、第六十八條及第七十七條第三項ノ規定ヲ除ク)」ヲ加フ
第三十九條第三號ヲ第四號トシ以下順次繰下ゲ同條第二號ノ次ニ左ノ一號ヲ加フ
三 本法ニ依ル屆出ヲ爲スコトヲ怠リ又ハ不正ノ屆出ヲ爲シタルトキ
第四十條中「第二項」ヲ「第二項(第三十三條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第三項(第三十三條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)」ニ改ム
第四十二條 第八條ノ規定(第三十三條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル行政官廳ノ命令ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
販賣ノ目的ヲ以テ前項ノ犯罪ニ係ル工產品ナルコトヲ知リテ其ノ交付ヲ受ケタル者亦前項ニ同ジ
前二項ノ場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル工產品ヲ沒收スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ沒收スルコト能ハザルトキハ其ノ價額ヲ追徵スルコトヲ得
第四十二條ノ二 工產品ニ關スル業ヲ爲ス者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ前條ノ罪ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ處罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十二條ノ三 第四十二條ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十二條ノ四 正當ノ理由ナクシテ第八條ノ二ノ規定(第三十三條ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル當該官吏ノ臨檢檢査、搜索又ハ差押ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第四十三條中「五百圓」ヲ「千圓」ニ改ム
第五十二條第三項中「一月」ヲ「二月」ニ改ム
第五十五條中「第十九條」ノ下ニ「、第二十一條」ヲ加ヘ但書中「第三十八條ノ二、」ヲ削リ「及第七十七條第三項」ヲ「、第七十七條第三項及第七十八條」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十條ノ二第一項(第三十三條ノ規定ニ依リ凖用スル場合ヲ含ム)ニ該當スル工業組合又ハ工業組合聯合會ノ理事ニシテ本法施行ノ際現ニ其ノ職ニ在ル者ハ其ノ選任ニ付同條ニ依リ認可ヲ受ケタルモノト看做ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル工業組合法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十二年八月十三日
内閣総理大臣 公爵 近衛文麿
商工大臣 吉野信次
法律第七十五号
工業組合法中左ノ通改正ス
第一条 工業者ハ其ノ工業ノ改良発達ヲ図ル為共同ノ施設ヲ為ス目的ヲ以テ工業組合ヲ設立スルコトヲ得但シ特別ノ事情アルトキハ二種以上ノ工業者ヲ以テ之ヲ設立スルコトヲ得
第三条第二項中「資金ノ貸付」ノ下ニ「、組合員ノ為ニスル其ノ営業上ノ債務ノ保証」ヲ加フ
第四条 工業組合ハ其ノ名称中ニ工業組合ナル文字ヲ用フベシ但シ第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ統制工業組合ナル文字ヲ用フベシ
工業組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ工業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ非ザルモノハ其ノ名称中ニ統制工業組合ナル文字ヲ用フルコトヲ得ズ
第五条中「ノ一部」ヲ削ル
第六条 工業組合ハ定款ノ定ムル所ニ依リ宗款違反者ニ対シ過怠金ヲ課シ又ハ其ノ違反ニ係ル工産品ニシテ違反者ノ所有スルモノニ付抑留其ノ他必要ナル処分ヲ為シ特ニ必要アルトキハ没収ヲ為スコトヲ得
第六条ノ二中「行フ場合ニ於テハ」ノ下ニ「総会ノ議決ヲ経テ」ヲ加フ
第六条ノ三 工業組合前条ノ規程ニ基キ製造又ハ加工ノ数量、販売価格、加工料金其ノ他命令ノ定ムル事項ニ付決定ヲ為シタルトキハ遅滞ナク之ヲ行政官庁ニ届出ヅベシ
行政官庁必要アリト認ムルトキハ前項ノ決定ノ変更又ハ取消ヲ為スコトヲ得
第七条 営業上ノ弊害ヲ予防シ若ハ矯正スル為又ハ工業ノ健全ナル発達ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ行政官庁ハ工業組合ニ対シ必要ナル施設ヲ命ズルコトヲ得
第八条中「又ハ矯正スル為」ヲ「若ハ矯正スル為又ハ工業ノ健全ナル発達ヲ図ル為」ニ改ム
第八条ノ二 前条ノ規定ニ依ル命令アリタル場合ニ於テ行政官庁取締上必要アリト認ムルトキハ当該官吏ヲシテ工場、倉庫、店舗其ノ他ノ場所ニ臨検シ物品、帳簿其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ当該官吏ハ工業組合ノ検査員ヲシテ必要ナル補助ヲ為サシムルコトヲ得
第一項ノ場合ニ於テ当該官吏前条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者アリト認ムルトキハ被疑者若ハ参考人ヲ尋問シ又ハ犯罪ノ事実ヲ証明スベキ物件ヲ捜索シ若ハ之ガ差押ヲ為スコトヲ得
臨検、尋問、捜索及差押ニ関シテハ間接国税犯則者処分法ヲ準用ス
第八条ノ三 行政官庁第八条ノ規定ニ依ル命令ヲ遵守セシムル為特ニ必要アリト認ムルトキハ其ノ命令ニ従フベキ者ニ対シ其ノ製造又ハ加工ノ設備ノ使用ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ行政官庁取締上必要アリト認ムルトキハ製造又ハ加工ノ設備ニ付封印ヲ施シ、其ノ要部ヲ取外シ其ノ他必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第十四条第一項但書ヲ削リ同項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ代理人ハ設立同意者タルコトヲ要ス但シ法人タル設立同意者ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト為スコトヲ得
第十五条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ第六号乃至第九号及第十五号ニ掲ゲタル事項ハ之ヲ記載スルコトヲ要セズ
第十五条ノ二 工業組合ハ設立ノ認可アリタル時又ハ第二十八条ノ三第二項ノ規定ニ依リ定款ノ作成アリタル時成立ス
第十六条 工業組合ハ出資ノ第一回ノ払込アリタル後二週間以内ニ各事務所ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為スベシ但シ第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ其ノ成立後二週間以内ニ之ヲ為スベシ
登記スベキ事項左ノ如シ但シ第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ第三号及第四号ニ掲ゲタル事項並ニ第十五条第七号及第十五号ニ掲ゲタル事項ハ之ヲ登記スルコトヲ要セズ
一 第十五条第一号乃至第三号、第七号及第十五号ニ掲ゲタル事項
二 事務所
三 出資ノ総口数及払込ミタル出資ノ総額
四 第十八条ノ二ノ規定ニ依ル工業組合ニ在リテハ各組合員ノ氏名又ハ名称、住所及保証金額
五 成立ノ年月日
六 理事及監事ノ氏名及住所
前項ニ掲ゲタル事項中ニ変更ヲ生ジタルトキハ其ノ登記ヲ為スベシ但シ前項第三号ニ掲ゲタル事項ニ付テハ毎事業年度末日ノ現在ニ依リ事業年度終了後一月以内ニ登記ヲ為スコトヲ得
第二十条第二項及第三項ヲ左ノ如ク改ム
理事及監事ハ総会ニ於テ組合員又ハ組合員タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任ス但シ組合設立当時ノ理事及監事ハ創立総会ニ於テ第十二条第一項ノ場合ニ在リテハ設立同意者又ハ設立同意者タル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ、第二十八条ノ四第一項ノ場合ニ在リテハ組合員タル資格ヲ有スル者又ハ組合員タル資格ヲ有スル法人ノ業務ヲ執行スル役員ノ中ヨリ之ヲ選任スベシ
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該当セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第二十条ノ二 第三条第一項第一号ノ事業ヲ行フ工業組合ニシテ全国ヲ地区トスルモノ若ハ第八条ノ規定ニ依ル命令アリタルモノ又ハ第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ノ理事ノ選任及解任ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
組合ガ前項ノ規定ノ適用ヲ受クルニ至リタル場合ニ於テ現ニ其ノ職ニ在ル理事ハ其ノ選任ニ付前項ノ規定ニ依ル認可ヲ受ケタルモノト看做ス
第一項ニ掲ゲタル組合ノ理事ノ選任ニ付テハ前条第三項ノ規定ニ依ル認可ヲ受クルコトヲ要セズ
第二十一条ノ二 組合員ハ代理人ヲ以テ議決権ヲ行フコトヲ得此ノ場合ニ於テハ之ヲ出席ト看做ス
前項ノ代理人ハ組合員タルコトヲ要ス但シ法人タル組合員ハ其ノ業務ヲ執行スル役員又ハ支配人ヲ代理人ト為スコトヲ得
代理人ハ代理権ヲ証スル書面ヲ組合ニ差出スベシ
第二十二条第一項中「ノ一部」ヲ削ル
第二十八条中「又ハ定款」ヲ「、定款又ハ第六条ノ二ノ規程」ニ改ム
第二十八条ノ三 行政官庁当該工業ノ統制ヲ図リ国民経済ノ健全ナル発達ヲ期スル為特ニ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ地区及組合員タル資格ヲ定メ其ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ニ対シ工業組合ノ設立ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ設立ヲ命ゼラレタル者行政官庁ノ指定スル期限迄ニ設立ノ認可ヲ申請セザルトキハ行政官庁ハ定款ノ作成其ノ他設立ニ関シ必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第二十八条ノ四 前条第一項ノ規定ニ依リ工業組合ノ設立ヲ命ゼラレタルトキハ創立総会ヲ開キ定款其ノ他必要ナル事項ヲ定メ役員ヲ選任シ設立ノ認可ヲ申請スベシ
前項ノ創立総会ニ於ケル議決及役員ノ選任ハ出席者ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ以テ之ヲ為ス
第二十八条ノ五 行政官庁第二十八条ノ三第二項ノ規定ニ依リ定款ヲ作成シタルトキハ工業組合ノ理事及監事ヲ命ズ
前項ノ理事ハ遅滞ナク総会ヲ招集スベシ
前項ノ総会ニ於テハ組合設立当時ノ経費ノ収支予算及分賦収入方法ヲ議決スベシ
第二十二条第二項ノ規定ハ前項ノ議決ニ之ヲ準用ス
第二十八条ノ六 第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ第三条第一項第二号及第二項ノ事業ヲ行フコトヲ得ズ
第二十八条ノ七 第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合成立シタルトキハ其ノ組合ノ地区内ニ於テ組合員タル資格ヲ有スル者ハ其ノ組合ノ組合員トス
第二十八条ノ八 第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ其ノ組合員ヲシテ出資ヲ為サシムルコトヲ得ズ
第二十八条ノ九 第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ハ合併ヲ為スコトヲ得ズ
第三十条中「設立セムトスルトキ」ノ下ニ「又ハ第三十三条ノ規定ニ依リ準用シタル第二十八条ノ三ノ規定ニ依リ其ノ設立ヲ命ゼラレタルトキ」ヲ加フ
第三十一条ニ左ノ一項ヲ加フ
前二項ノ規定ハ第三十三条ノ規定ニ依リ準用シタル第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合連合会ニ付テハ之ヲ適用セズ
第三十二条第一項中「又ハ所属ノ工業者」ノ下ニ「若ハ所属ノ工業者タル法人ノ業務ヲ執行スル役員」ヲ加ヘ同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
特別ノ事由アルトキハ理事又ハ監事ハ前項ニ該当セザル者ヨリ之ヲ選任スルコトヲ得此ノ場合ニ於ケル選任ハ行政官庁ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第三十三条但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第三条中組合員トアルハ所属ノ組合、連合会、工業者及組合員トシ第二十条ノ二中全国トアルハ道府県ノ区域ヲ超ユル区域トス
第三十四条第二項中「、総会又ハ創立委員会ノ決議録」ヲ「又ハ総会ノ決議録ノ謄本、組合ノ設立アリタルコトヲ証スル書面」ニ改メ同項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニシテ行政官庁ノ処分ニ因リ成立シタルモノニ在リテハ創立総会又ハ総会ノ決議録ノ謄本、出資ノ総口数ヲ証スル書面及出資ノ第一回ノ払込アリタルコトヲ証スル書面、其ノ他ノモノニ在リテハ出資ノ総口数ヲ証スル書面及出資ノ第一回ノ払込アリタルコトヲ証スル書面ハ之ヲ添附スルコトヲ要セズ
第三十八条中「第三十五条乃至第三十七条」ヲ「第三十五条、第三十六条」ニ改メ「第百四条ノ規定」ノ下ニ「(第二十八条ノ三ノ規定ニ依ル工業組合ニ付テハ産業組合法第十条、第十一条第一項、第十二条、第十八条乃至第二十二条、第四十条乃至第四十三条、第四十四条第二項、第四十五条、第四十六条、第四十八条、第五十一条第三号乃至第五号、第五十二条乃至第五十八条、第六十二条第一項第一号第三号、第六十三条ノ二、第六十四条、第六十六条第一項、第六十七条、第六十八条及第七十七条第三項ノ規定ヲ除ク)」ヲ加フ
第三十九条第三号ヲ第四号トシ以下順次繰下ゲ同条第二号ノ次ニ左ノ一号ヲ加フ
三 本法ニ依ル届出ヲ為スコトヲ怠リ又ハ不正ノ届出ヲ為シタルトキ
第四十条中「第二項」ヲ「第二項(第三十三条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第三項(第三十三条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)」ニ改ム
第四十二条 第八条ノ規定(第三十三条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル行政官庁ノ命令ニ違反シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
販売ノ目的ヲ以テ前項ノ犯罪ニ係ル工産品ナルコトヲ知リテ其ノ交付ヲ受ケタル者亦前項ニ同ジ
前二項ノ場合ニ於テハ犯人ノ所有シ又ハ所持スル工産品ヲ没収スルコトヲ得若シ其ノ全部又ハ一部ヲ没収スルコト能ハザルトキハ其ノ価額ヲ追徴スルコトヲ得
第四十二条ノ二 工産品ニ関スル業ヲ為ス者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ前条ノ罪ヲ犯シタルトキハ自己ノ指揮ニ出デザルノ故ヲ以テ其ノ処罰ヲ免ルルコトヲ得ズ
第四十二条ノ三 第四十二条ノ罰則ハ其ノ者ガ法人ナルトキハ理事、取締役其ノ他ノ法人ノ業務ヲ執行スル役員ニ、未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第四十二条ノ四 正当ノ理由ナクシテ第八条ノ二ノ規定(第三十三条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ依ル当該官吏ノ臨検検査、捜索又ハ差押ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第四十三条中「五百円」ヲ「千円」ニ改ム
第五十二条第三項中「一月」ヲ「二月」ニ改ム
第五十五条中「第十九条」ノ下ニ「、第二十一条」ヲ加ヘ但書中「第三十八条ノ二、」ヲ削リ「及第七十七条第三項」ヲ「、第七十七条第三項及第七十八条」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十条ノ二第一項(第三十三条ノ規定ニ依リ準用スル場合ヲ含ム)ニ該当スル工業組合又ハ工業組合連合会ノ理事ニシテ本法施行ノ際現ニ其ノ職ニ在ル者ハ其ノ選任ニ付同条ニ依リ認可ヲ受ケタルモノト看做ス