刑事補償法
法令番号: 法律第六十號
公布年月日: 昭和6年4月2日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル刑事補償法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年四月一日
內閣總理大臣 濱口雄幸
陸軍大臣 宇垣一成
司法大臣 子爵 渡邊千冬
海軍大臣 男爵 安保淸種
法律第六十號
刑事補償法
第一條 刑事訴訟法ニ依ル通常手續又ハ再審若ハ非常上告ノ手續ニ於テ無罪ノ言渡ヲ受ケタル者又ハ同法第三百十三條ノ規定ニ依リ免訴ノ言渡ヲ受ケタル者未決勾留ヲ受ケタル場合ニ於テハ國ハ其ノ者ニ對シ勾留ニ因ル補償ヲ爲ス
再審又ハ非常上告ノ手續ニ於テ無罪ノ言渡ヲ受ケタル者原判決ニ因リ既ニ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ刑法第十一條第二項ノ規定ニ依ル拘置ヲ受ケタル場合ニ於テハ國ハ其ノ者ニ對シ刑ノ執行又ハ拘置ニ因ル補償ヲ爲ス
第二條 前條ノ規定ニ依リ補償ヲ受クベキ者死亡シタル場合ニ於テハ本人ノ遺族ニ對シ前條ノ補償ヲ爲ス死亡シタル者ニ付再審又ハ非常上告ノ手續ニ於テ無罪ノ言渡アリタル場合亦同ジ
補償ヲ受クベキ遺族死亡シタルトキハ次順位ノ遺族ニ對シ其ノ補償ヲ爲ス
第三條 本法ニ於テ遺族ト稱スルハ本人ノ配偶者、子、孫、父、母、祖父及祖母ニシテ本人死亡ノ當時之ト戶籍ヲ同ジウシ引續キ其ノ戶籍內ニ在ル者ヲ謂フ
補償ヲ受クベキ遺族ノ順位ハ前項ニ記載スル順序ニ依ル父母及祖父母ニ付テハ養方ヲ先ニシ實方ヲ後ニス
子及孫數人アルトキハ其ノ順位ハ本人ヲ被相續人トシタル家督相續ノ順位ニ準ジ之ヲ定ム
第四條 無罪又ハ免訴ノ言渡ヲ受ケタル者ニ付左ノ事由アルトキハ補償ヲ爲サズ
一 刑法第三十九條乃至第四十一條ニ規定スル事由ニ因リ無罪又ハ免訴ノ言渡アリタルトキ
二 起訴セラレタル行爲ガ公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反シ著シク非難スベキモノナルトキ
本人ノ故意又ハ重大ナル過失ニ因ル行爲ガ起訴、勾留、公判ニ付スル處分又ハ再審請求ノ原由ト爲リタルトキハ第一條第一項ノ補償ヲ爲サズ
本人ノ故意又ハ重大ナル過失ニ因ル行爲ガ原有罪判決ノ憑據ト爲リタルトキハ第一條第二項ノ補償ヲ爲サズ
一個ノ裁判ニ依リ併合罪ノ一部ニ付無罪又ハ免訴ノ言渡ヲ受クルモ他ノ部分ニ付有罪ノ言渡ヲ受クル者ニ對シテハ補償ヲ爲サザルコトヲ得
第五條 勾留ニ因ル補償ニ於テハ勾引狀又ハ勾留狀執行後ノ拘禁日數ニ對シテ一日五圓以內ノ補償金ヲ交付ス
懲役、禁錮又ハ拘留ノ執行ニ因ル補償ニ於テハ其ノ日數ニ對シテ一日五圓以內ノ補償金ヲ交付ス拘置ニ因ル補償ニ付亦同ジ
死刑ノ執行ヲ受ケタル者ノ遺族ニ對スル補償ニ於テハ拘置ニ因ル補償ノ外裁判所ノ相當ト認ムル補償金ヲ交付ス
罰金又ハ科料ノ執行ニ因ル補償ニ於テハ旣ニ徵收シタル罰金又ハ科料ニ等シキ金額ヲ還付ス勞役場留置ノ執行ヲ爲シタルトキハ第二項ノ規定ニ準ジ補償金ヲ交付ス
沒收ノ執行ニ因ル補償ニ於テハ破壞若ハ廢棄ニ係ラザル沒收物又ハ沒收物ノ處分ニ因リテ得タル代價若ハ徵收シタル追徵金ニ等シキ金額ヲ還付ス
第六條 補償ヲ受ケントスル者ハ無罪ノ言渡ヲ爲シタル裁判所又ハ免訴ノ言渡ヲ爲シタル豫審判事ノ屬スル裁判所ニ對シ補償ノ請求ヲ爲スベシ
前項ノ請求ハ書面ヲ以テ之ヲ爲スベシ請求書ニハ戶籍謄本ヲ添附スベシ
補償ヲ受クベキ者請求ヲ爲シタル後死亡シタルトキハ其ノ請求ハ順次次順位ニ於テ補償ヲ受クベキ者ヨリ之ヲ爲シタルモノト看做ス
第七條 補償ヲ受クベキ者ハ先順位者ノ明示シタル意思ニ反シ補償ノ請求ヲ爲スコトヲ得ズ
補償ヲ受クベキ者請求ヲ取消シタルトキハ其ノ取消ヲ爲シタル者及後順位者ニ於テ更ニ請求ヲ爲スコトヲ得ズ
第八條 補償ノ請求ハ代理人ニ依リテモ之ヲ爲スコトヲ得
第九條 補償ノ請求ハ無罪又ハ免訴ノ裁判確定ノ日ヨリ六十日內ニ之ヲ爲スコトヲ要ス
第十條 補償ノ請求アリタルトキハ裁判所ハ檢事ノ意見ヲ聽キ請求ニ付決定ヲ爲スベシ決定ノ謄本ハ檢事及請求人ニ送達スベシ
請求理由アルトキハ補償ノ決定ヲ爲スベシ請求理由ナキトキ又ハ期間經過後ニ係ルトキハ之ヲ棄却スベシ
刑ノ執行又ハ拘置ニ因ル補償ノ請求ト同時ニ勾留ニ因ル補償ノ請求アリタルトキハ主文ヲ區別シテ決定ヲ爲スベシ
第十一條 補償ノ決定ニ對シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ズ
補償ノ請求ヲ棄却スル決定ニ對シテハ卽時抗告ヲ爲スコトヲ得
第十二條 補償ノ決定アリタル後之ニ依リテ補償ヲ受クベキ者其ノ拂渡ヲ受ケズシテ死亡シタルトキハ其ノ決定ハ順次次順位ニ於テ補償ヲ受クベキ者ニ對シ之ヲ爲シタルモノト看做ス補償ヲ受クベキ遺族其ノ拂渡ヲ受ケズシテ其ノ家ヲ去リタルトキ亦同ジ
第十三條 補償ノ拂渡ヲ受ケントスル者ハ其ノ決定ヲ爲シタル裁判所ニ請求書ヲ差出スベシ請求書ニハ戶籍謄本ヲ添附スベシ
補償ノ決定ノ送達アリタル後一年內ニ補償拂渡ノ請求ヲ爲サザルトキハ權利ヲ失フ
第十四條 補償拂渡ノ請求權ハ之ヲ讓渡スコトヲ得ズ
第十五條 補償ノ請求ニ關スル事件繫屬中再審ノ請求又ハ刑事訴訟法第三百十七條ノ規定ニ依ル公訴ノ提起アリタルトキハ其ノ裁判確定ニ至ル迄決定ノ手續ヲ停止スベシ
前項ノ場合ニ於テ被告人ニ對シテ有罪ノ判決アリタルトキハ補償ノ請求ハ其ノ效力ヲ失フ
第十六條 補償ノ決定アリタル後再審ノ請求又ハ刑事訴訟法第三百十七條ノ規定ニ依ル公訴ノ提起アリタルトキハ其ノ裁判確定ニ至ル迄補償拂渡ノ手續ヲ停止スベシ
前項ノ場合ニ於テ被告人ニ對シテ有罪ノ判決アリタルトキハ補償ノ決定ハ其ノ效力ヲ失フ
第十七條 前條第二項ノ場合ニ於テ旣ニ補償ノ拂渡アリタルトキハ有罪ノ判決ヲ爲シタル裁判所ハ檢事ノ請求ニ因リ決定ヲ以テ補償ノ返還ヲ命ズベシ此ノ決定ノ執行ニ付テハ刑事訴訟法第五百五十三條乃至第五百五十五條ノ規定ヲ準用ス
第十八條 本法ノ決定及之ニ對スル卽時抗告ニ付テハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外刑事訴訟法ヲ準用ス期間ニ付亦同ジ
第十九條 裁判所補償ノ決定ヲ爲シタルトキハ其ノ決定ヲ受ケタル者ノ申立ニ因リ速ニ無罪又ハ免訴ノ裁判ノ主文及要旨竝ニ補償ヲ爲シタル旨ヲ官報ニ揭載スベシ
第二十條 本法ハ軍法會議ニ於テ無罪ノ言渡アリタル場合ニ之ヲ準用ス但シ補償ノ請求ヲ棄却スル決定ニ對シテハ卽時抗告ヲ爲スコトヲ得ズ
軍法會議ニ於テ補償ノ返還ヲ命ズル決定ノ執行ニ付テハ陸軍軍法會議法第五百十八條乃至第五百二十條又ハ海軍軍法會議法第五百二十條乃至第五百二十二條ノ規定ヲ準用ス
軍法會議ニ於テ補償ニ關スル決定ヲ爲ス場合ノ判士ノ區別ニ付テハ陸軍軍法會議法第五十九條第一項又ハ海軍軍法會議法第五十九條第一項ノ規定ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル刑事補償法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和六年四月一日
内閣総理大臣 浜口雄幸
陸軍大臣 宇垣一成
司法大臣 子爵 渡辺千冬
海軍大臣 男爵 安保清種
法律第六十号
刑事補償法
第一条 刑事訴訟法ニ依ル通常手続又ハ再審若ハ非常上告ノ手続ニ於テ無罪ノ言渡ヲ受ケタル者又ハ同法第三百十三条ノ規定ニ依リ免訴ノ言渡ヲ受ケタル者未決勾留ヲ受ケタル場合ニ於テハ国ハ其ノ者ニ対シ勾留ニ因ル補償ヲ為ス
再審又ハ非常上告ノ手続ニ於テ無罪ノ言渡ヲ受ケタル者原判決ニ因リ既ニ刑ノ執行ヲ受ケ又ハ刑法第十一条第二項ノ規定ニ依ル拘置ヲ受ケタル場合ニ於テハ国ハ其ノ者ニ対シ刑ノ執行又ハ拘置ニ因ル補償ヲ為ス
第二条 前条ノ規定ニ依リ補償ヲ受クベキ者死亡シタル場合ニ於テハ本人ノ遺族ニ対シ前条ノ補償ヲ為ス死亡シタル者ニ付再審又ハ非常上告ノ手続ニ於テ無罪ノ言渡アリタル場合亦同ジ
補償ヲ受クベキ遺族死亡シタルトキハ次順位ノ遺族ニ対シ其ノ補償ヲ為ス
第三条 本法ニ於テ遺族ト称スルハ本人ノ配偶者、子、孫、父、母、祖父及祖母ニシテ本人死亡ノ当時之ト戸籍ヲ同ジウシ引続キ其ノ戸籍内ニ在ル者ヲ謂フ
補償ヲ受クベキ遺族ノ順位ハ前項ニ記載スル順序ニ依ル父母及祖父母ニ付テハ養方ヲ先ニシ実方ヲ後ニス
子及孫数人アルトキハ其ノ順位ハ本人ヲ被相続人トシタル家督相続ノ順位ニ準ジ之ヲ定ム
第四条 無罪又ハ免訴ノ言渡ヲ受ケタル者ニ付左ノ事由アルトキハ補償ヲ為サズ
一 刑法第三十九条乃至第四十一条ニ規定スル事由ニ因リ無罪又ハ免訴ノ言渡アリタルトキ
二 起訴セラレタル行為ガ公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反シ著シク非難スベキモノナルトキ
本人ノ故意又ハ重大ナル過失ニ因ル行為ガ起訴、勾留、公判ニ付スル処分又ハ再審請求ノ原由ト為リタルトキハ第一条第一項ノ補償ヲ為サズ
本人ノ故意又ハ重大ナル過失ニ因ル行為ガ原有罪判決ノ憑拠ト為リタルトキハ第一条第二項ノ補償ヲ為サズ
一個ノ裁判ニ依リ併合罪ノ一部ニ付無罪又ハ免訴ノ言渡ヲ受クルモ他ノ部分ニ付有罪ノ言渡ヲ受クル者ニ対シテハ補償ヲ為サザルコトヲ得
第五条 勾留ニ因ル補償ニ於テハ勾引状又ハ勾留状執行後ノ拘禁日数ニ対シテ一日五円以内ノ補償金ヲ交付ス
懲役、禁錮又ハ拘留ノ執行ニ因ル補償ニ於テハ其ノ日数ニ対シテ一日五円以内ノ補償金ヲ交付ス拘置ニ因ル補償ニ付亦同ジ
死刑ノ執行ヲ受ケタル者ノ遺族ニ対スル補償ニ於テハ拘置ニ因ル補償ノ外裁判所ノ相当ト認ムル補償金ヲ交付ス
罰金又ハ科料ノ執行ニ因ル補償ニ於テハ既ニ徴収シタル罰金又ハ科料ニ等シキ金額ヲ還付ス労役場留置ノ執行ヲ為シタルトキハ第二項ノ規定ニ準ジ補償金ヲ交付ス
没収ノ執行ニ因ル補償ニ於テハ破壊若ハ廃棄ニ係ラザル没収物又ハ没収物ノ処分ニ因リテ得タル代価若ハ徴収シタル追徴金ニ等シキ金額ヲ還付ス
第六条 補償ヲ受ケントスル者ハ無罪ノ言渡ヲ為シタル裁判所又ハ免訴ノ言渡ヲ為シタル予審判事ノ属スル裁判所ニ対シ補償ノ請求ヲ為スベシ
前項ノ請求ハ書面ヲ以テ之ヲ為スベシ請求書ニハ戸籍謄本ヲ添附スベシ
補償ヲ受クベキ者請求ヲ為シタル後死亡シタルトキハ其ノ請求ハ順次次順位ニ於テ補償ヲ受クベキ者ヨリ之ヲ為シタルモノト看做ス
第七条 補償ヲ受クベキ者ハ先順位者ノ明示シタル意思ニ反シ補償ノ請求ヲ為スコトヲ得ズ
補償ヲ受クベキ者請求ヲ取消シタルトキハ其ノ取消ヲ為シタル者及後順位者ニ於テ更ニ請求ヲ為スコトヲ得ズ
第八条 補償ノ請求ハ代理人ニ依リテモ之ヲ為スコトヲ得
第九条 補償ノ請求ハ無罪又ハ免訴ノ裁判確定ノ日ヨリ六十日内ニ之ヲ為スコトヲ要ス
第十条 補償ノ請求アリタルトキハ裁判所ハ検事ノ意見ヲ聴キ請求ニ付決定ヲ為スベシ決定ノ謄本ハ検事及請求人ニ送達スベシ
請求理由アルトキハ補償ノ決定ヲ為スベシ請求理由ナキトキ又ハ期間経過後ニ係ルトキハ之ヲ棄却スベシ
刑ノ執行又ハ拘置ニ因ル補償ノ請求ト同時ニ勾留ニ因ル補償ノ請求アリタルトキハ主文ヲ区別シテ決定ヲ為スベシ
第十一条 補償ノ決定ニ対シテハ不服ヲ申立ツルコトヲ得ズ
補償ノ請求ヲ棄却スル決定ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得
第十二条 補償ノ決定アリタル後之ニ依リテ補償ヲ受クベキ者其ノ払渡ヲ受ケズシテ死亡シタルトキハ其ノ決定ハ順次次順位ニ於テ補償ヲ受クベキ者ニ対シ之ヲ為シタルモノト看做ス補償ヲ受クベキ遺族其ノ払渡ヲ受ケズシテ其ノ家ヲ去リタルトキ亦同ジ
第十三条 補償ノ払渡ヲ受ケントスル者ハ其ノ決定ヲ為シタル裁判所ニ請求書ヲ差出スベシ請求書ニハ戸籍謄本ヲ添附スベシ
補償ノ決定ノ送達アリタル後一年内ニ補償払渡ノ請求ヲ為サザルトキハ権利ヲ失フ
第十四条 補償払渡ノ請求権ハ之ヲ譲渡スコトヲ得ズ
第十五条 補償ノ請求ニ関スル事件繋属中再審ノ請求又ハ刑事訴訟法第三百十七条ノ規定ニ依ル公訴ノ提起アリタルトキハ其ノ裁判確定ニ至ル迄決定ノ手続ヲ停止スベシ
前項ノ場合ニ於テ被告人ニ対シテ有罪ノ判決アリタルトキハ補償ノ請求ハ其ノ効力ヲ失フ
第十六条 補償ノ決定アリタル後再審ノ請求又ハ刑事訴訟法第三百十七条ノ規定ニ依ル公訴ノ提起アリタルトキハ其ノ裁判確定ニ至ル迄補償払渡ノ手続ヲ停止スベシ
前項ノ場合ニ於テ被告人ニ対シテ有罪ノ判決アリタルトキハ補償ノ決定ハ其ノ効力ヲ失フ
第十七条 前条第二項ノ場合ニ於テ既ニ補償ノ払渡アリタルトキハ有罪ノ判決ヲ為シタル裁判所ハ検事ノ請求ニ因リ決定ヲ以テ補償ノ返還ヲ命ズベシ此ノ決定ノ執行ニ付テハ刑事訴訟法第五百五十三条乃至第五百五十五条ノ規定ヲ準用ス
第十八条 本法ノ決定及之ニ対スル即時抗告ニ付テハ別段ノ規定アル場合ヲ除クノ外刑事訴訟法ヲ準用ス期間ニ付亦同ジ
第十九条 裁判所補償ノ決定ヲ為シタルトキハ其ノ決定ヲ受ケタル者ノ申立ニ因リ速ニ無罪又ハ免訴ノ裁判ノ主文及要旨並ニ補償ヲ為シタル旨ヲ官報ニ掲載スベシ
第二十条 本法ハ軍法会議ニ於テ無罪ノ言渡アリタル場合ニ之ヲ準用ス但シ補償ノ請求ヲ棄却スル決定ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得ズ
軍法会議ニ於テ補償ノ返還ヲ命ズル決定ノ執行ニ付テハ陸軍軍法会議法第五百十八条乃至第五百二十条又ハ海軍軍法会議法第五百二十条乃至第五百二十二条ノ規定ヲ準用ス
軍法会議ニ於テ補償ニ関スル決定ヲ為ス場合ノ判士ノ区別ニ付テハ陸軍軍法会議法第五十九条第一項又ハ海軍軍法会議法第五十九条第一項ノ規定ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム