癩予防の根絶は国民保健上・人道上の重要課題であり、療養所の拡張により患者数は減少傾向にあるものの、なお万単位の患者に対し収容設備は3千人程度に留まっている。現行の明治40年制定の法律は浮浪患者の救護が主眼で、一般患者への対応等に不備がある。皇太后陛下の御思召や国立療養所開設等を契機に、予防への社会的関心が高まっている。そこで、患者の療養所入所資格の拡大、入所費用の公費負担化、感染防止のための職業従事禁止と生活費補給、患者情報の守秘義務化等を柱とする法改正を行い、予防対策の充実を図るものである。
参照した発言:
第59回帝国議会 貴族院 本会議 第13号